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ショットガン、ハンドガン、アサルトライフル…e-Sportsとして話題のFPSやアクションなど、今や多くのゲームでは当たり前に武器として銃火器が登場しています。リロードの際にはマガジンを交換し、エイムをする際はサイトやスコープを覗き込んで…といった動きは分かるものの、「その銃の中身や仕組みがどうなっているのか」までは、なかなか意識を向けられないものです。
6月にリリース予定の『Gunsmith Simulator』のプロローグ版である本作、『Gunsmith Simulator: Prologue』ではそんな銃の構造や仕組みを、実際に手に取りつつ無料で学習することが出来ちゃうんです!
『Gunsmith Simulator: Prologue』とは
本作はGameHuntersが開発し、PlayWay S.A.がパブリッシングしているガンスミスシミュレーター。今年の6月には製品版である『Gunsmith Simulator(鉄 砲 鍛冶 シ ュ ミ レ ー タ ー)』がリリース予定であり、本作はそのシステムなどを無料で体験できるプロローグ版、という立ち位置にあります。製品版のタイトルはなにやら半角スペースが気になりますが、これは一体……。
本作はパソコンで仕事を受注し、依頼された銃の点検や清掃をしつつ修理を行い、必要に応じてスコープやグリップなどアタッチメントも取り付けるなど、顧客のニーズに対応したお仕事をこなしていきます。また、組み立てた銃を射撃場に持ち込むことでテスト射撃も可能となっています。
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無料体験版とは言ったものの、本作ではリボルバー「ピースメーカー (コルト シングルアクション・アーミー)」、ショットガン「モスバーグ M590A1」、アサルトライフル「AKM」の3種類が選択でき、それぞれ異なった分類の銃を扱えます。
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プラモ感覚でサクサク進められる!銃のメンテナンス作業
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さっそくパソコンを開いて、仕事を受注してみましょう。本作では仕事の受注のほか、交換するパーツやアップグレードのためのアタッチメントの注文などもこのパソコンから行います。
手始めに一番上にあったリボルバー、「ピースメーカー」の仕事を選択してみます。それぞれの銃はケースから取り出す際に解説文も書かれており、構造だけでなく銃そのものの生い立ちや年代など、基礎的な知識も学ぶことができます。
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まずはパーツごとに分解をし、点検していく作業から。パーツにカーソルを合わせた際、取り外し可能な場合には緑色に、ネジや他のパーツが干渉して取り外せない場合は赤色に変化します。少々操作に癖はあるもののカメラを動かすこともでき、正面や反対側など動かしながらパーツを取り外していくとスムーズです。
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また、困った時にはヒントを表示させることも可能です。取り外すべきパーツやネジなどがハイライトされるので、「手当たり次第にやっていたら分からなくなってしまった…」と躓くようなこともなく、難しすぎない操作性はストレスフリーに感じられました。
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一通りの分解が終われば次のステップへ。それぞれのパーツは破損していたり、汚れていたりと状態が異なっています。破損したパーツは交換品を注文、汚れたパーツはオイルなどで清掃をこれから行っていきます。
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破損した部品を清掃するためパソコンを開きます。それぞれのパーツがこれでもかと並んでいますが、どのパーツを購入するべきかは画面の右下に表示されているので、それに沿って部品を購入していきます。
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汚れた部品はクリーニングすることでふたたび使用可能に。パーツを回転させながら、汚れがないように隅々までしっかりと清掃を行っていきます。
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パーツの交換や清掃が終わった後は、ふたたび銃を組み立てていきます。分解した際の手順と同様、順番にパーツを選択して組み立てていき、ネジなども取り付けていきます。こちらもガイドに従っていけばよいので「なにかパーツを付け忘れる」「なぜかネジが増殖した」といった事故もなく、プラモデルのような感覚で組み立てていくことができます。
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「リボルバーといえばシリンダー」といった知識はあっても、それが実際にどのように組み込まれていて、どのパーツと作用しているのかという部分については文面や写真などではなかなか理解できません。本作ではそういった内部構造についても、詳しく実践的に学べるのが良いと思いました。
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木製パーツの交換や塗装など、豊富で細かいカスタマイズ!
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続くショットガンやアサルトライフルの作業では、ピストルよりもさらに部品の数が増え、より構造が複雑になっていきます。一方でパーツが増えるということは、カスタマイズできる箇所が増えるということでもあります。
ショットガン「モスバーグ M590A1」ではストックなどを取り外し、木製のハンドメイドパーツへと交換する作業があります。ところで銃の説明文、「モスバーガー」になっています…。基本的な日本語には対応しているものの、その精度についてはあと一歩の部分も多くみられます。筆者はバーキン派です。
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パーツのフチを型取り、型をもとに木を加工してストックなどを作成していきます。型取りや電動ノコギリの作業は精密な動作を必要とせず、マウスを長押ししておけばどんどんと進んでいきます。
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こうして切り取った木材をさらに研磨してオイルを塗って…という工程を踏むことで木製のパーツが完成します。質感もなかなかいい感じ!
切断した木材を削る作業は塗装やクリーニングと違って視覚的に分かりにくく、この作業はヒント機能に大きく助けられました。
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最後にAKの作業。アサルトライフルともなると部品の数は非常に多く、マガジンひとつとってみても複数の部品で構成されているなど、複雑にそれぞれが絡みあっていることがわかります。
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一通りの分解、点検作業をした後はまた組み立てて、その際にアタッチメントを取り付けるためのレールといったパーツも追加していきます。今回の注文ではスコープやフォアグリップ、レーザーといったカスタマイズがオーダーされていました。
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組み立てた後にはパーツの塗装も可能です。パーツそれぞれに細かく塗装ができ、あらかじめ用意された迷彩パターンのほか、自身でカラーを選択することもできるので、他のゲームに登場する武器のスキンを再現してみる、といったことをやってみるのも面白いかもしれません。
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組み立てだけじゃない!射撃場ではリアルな射撃体験が可能
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銃を組み立てて完成したら、射撃場に持ち込むことでテスト射撃を行えます。射撃場ではさまざまな距離に応じたターゲットがあるほか、クレー射撃、1分間にどれだけの的を壊せるかなどチャレンジテストといった遊びも用意されています。
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本作は銃の射撃もリアルに作られており、ハンマーの挙動やセレクタースイッチの切り替え、ズーム倍率の変更など銃それぞれの細かな動作が見られます。銃の点検作業を行ったあとだと、「これはここが動いているんだな!」とまたモーションの見え方も変わってきます。射撃場でのテストが終わり、作業場に戻ったところで本作は終了。
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プロローグ版では3種類のみの武器となりましたが、製品版ではさらなる銃や工具、アップグレードパーツなどが登場することも期待できます。組み立てや清掃作業だけでなく射撃も可能なので、ワークショップなどにも対応すればさらに遊びの幅は広がるかもしれません。
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近年ではリアル志向な銃器を扱うゲームも登場しつつありますが、多くのパーツで構成されている銃の構造をそれぞれ理解するのはどうしてもハードルが高く感じてしまいます。しかし本作ではその難しさを、手順を示すことで理解しやすくするなど工夫が見られます。カメラ操作に少々難はあるものの、カスタマイズの自由度が高く、それぞれの作業も簡略化されているので、「なんとなく知ってはいるけど…」という方でも安心して気軽にプレイするできるでしょう。
無料のプロローグ版でありながらもしっかりと遊べ、リアリティや魅力を十分に理解することができる本作。お仕事シミュレーションとしてだけでなくFPSとしての完成度も高いので、ぜひ皆さんも体験してみてはいかがでしょうか!
スパくんのひとこと
専門知識がなくても気軽に遊べるスパ!
タイトル:Gunsmith Simulator: Prologue
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2023年5月10日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:無料