ブリザードの元従業員Eric Covingtonさんは6月1日Twitterで、「自分が9年間在籍したブリザードを先月解雇されたのは、『World of Warcraft』内NPCのために書いたセリフのせいである」と投稿。複数の海外ゲーム系メディアがこの一件を報じています。
Eric Covingtonさんは『WoW』クエストチームのライター兼デザイナーでしたが、ゲーム内に登場するゴブリンNPCに、企業の貪欲さを揶揄するようなセリフを書いたため解雇されたと主張しています。
ゴブリンは一般的にも“体は小さいが貪欲なモンスター”として描かれ、『WoW』の世界でもその性格は変わりません。Ericさんがセリフを与えた「Loot Specialist」は「Forbidden Reach」に出現し宝物の近くにいるゴブリンで、近づいたり攻撃するとしばらく逃げ続け、その後ポータルを召喚して逃走。逃げ切る前に倒せれば、プレイヤーは宝物を獲得できるというモンスターです。
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「ブリザード幹部はゴブリンのセリフに、勝手に自分たちを投影した」
彼がこのゴブリンに与えたセリフには
「Another record quarter for revenue(またもや記録的な四半期収益です)」
「No profit sharing!(利益分配などない!)」
「Time to go back to the office(仕事に戻る時間だ)」
「Looks like another yacht for me!(またヨットが増えたみたい)」
といったものでした。
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Ericさんはこれらのセリフについて、“企業とは貪欲なもの”という一般的イメージをゴブリンに喋らせたジョークであり「何の意図もありませんでした」「特定の誰かをターゲットにして煽ってはいません」と主張しています。しかし、ブリザード幹部はそう受け取らなかったようで、セリフがゲームに追加されてから1カ月も経たないうちに解雇されたとのこと。Ericさんは何の変哲もないジョークを見た人が、勝手に自分たちをそこに反映し「ブリザードのために働いた9年間は煙と消えた」「月末までに私を追い出そうと、会社は大急ぎでした」と述べています。