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PC(主にSteam向け)に「Sakura」とタイトルを冠する美少女ゲーム作品を多く手掛けているWinged Cloudが開発、同団体のゲームをコンシューマー機向けに移植を行っているGamuzumiが販売を行っている『サクラ・ダンジョン ~美しき激闘~』(以下、『サクラ・ダンジョン』と表記)が2023年6月8日にスイッチのダウンロードソフトとして発売されました。本記事では、コンシューマー向けのお色気系RPGとしても久しぶりの本作の実態について迫ってみようと思います。
『サクラ・ダンジョン』とは
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本作『サクラ・ダンジョン』はオリジナルとなるPC(Steam)版が2016年に配信されたゲームとなります。開発元のWinged Cloudが手掛ける「サクラシリーズ」の1作で、大半をビジュアルノベルが占める同シリーズの中では珍しく、そこそこボリュームのある3DダンジョンRPGに仕上がっています。
主人公である妖狐「ヨミ」はある巨大なダンジョンの支配者でしたが、その身を魔石に封じ数百年の間眠りについていました。そんな彼女を目覚めさせたのが、冒険者「セリ」。セリはダンジョンを制覇すべくヨミを倒そうとしますが、数百年の眠りを経ても絶大な魔力を持つヨミは容易く彼女をあしらいます。しかし、自身も充分な魔力を引き出せないことから、自分がダンジョンの支配者でなくなっている事に気付いたヨミは、セリに1つの提案を持ちかけます。それは「自身は再びダンジョンの支配者となるため、セリはダンジョンに巣くう悪を討伐するため、セリを従者として2人でダンジョンを探索する」というもの。この提案を受け入れ、ヨミと主従の契約を結んだセリ。この2人を中心にちょっと肌色分多めの冒険を描くDRPGが、本作『サクラ・ダンジョン』となります。
ダンジョンに巣くうはモンスター娘。戦って脱がして捕獲せよ
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本作は『ウィザードリィ』『世界樹の迷宮』などと同様、主観視点で迷宮を探索するDRPGですが、他のDRPGと一線を画すのが戦闘システムです。本作ではダンジョン内に登場するモンスターはすべていわゆる「モンスター娘」であり、敵も味方も大ダメージを与えると着ている服が破れる脱衣要素を実装しています。また、彼女たちを「キャプチャ」スキルで倒すことにより確率は低いながらも捕獲が可能で、捕獲したモンスターは拠点でパーティメンバーとして参入させることができます。
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多くの捕獲したモンスターには肌色多めの1枚絵が表示されるイベントがあり、こういったイラストを集めていくのも冒険の目的の1つ。
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時には女の子同士の絡みのイベントも発生します。言い忘れていましたが、本作には男性は一切出てこないので、「百合の間に男が入ることは許さない」教徒の方も安心して遊べます。
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本作の性的表現は中々攻めていて、筆者が過激だと思ったものだと、「前張りM字開脚(スジあり)」「百合ディープキス→朝チュン」など、コンシューマー向けの百合ゲーとしてはかなり前衛的ではないかと思います。
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ダンジョン内には多くの服の素材が落ちており、拠点でヨミとセリの着せ替えを行うことができます。ヨミが意気揚々と服の素材を説明する→セリがいやいや恥ずかしがりながら結局着る……の繰り返し天丼ギャグも笑えますし、何より好みの服でダンジョン探索が出来るのは良い目の保養になります。
日本語化はありがたいが……操作性の悪さと最強の敵・アプリケーションエラー!
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本作のオプションではPC(Steam)版に無かった「日本語」を選択できます。ただ、日本語翻訳の質はお世辞にも高いとは言い難いです。例えばオプション画面の「下作用」の「後ろに下がる」「後ろに戻る」だけで、どういう意味か理解するのはかなり難しいと思います(「後ろに下がる」→下キーで向き反転、「後ろに戻る」→下キーで後ろ向きに移動)。
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また、本作の操作性にもかなりの問題があり、近年のDRPGでは標準搭載の左右平行移動(カニ歩き)が何故かYボタンによる左方向にしかできない、そもそもダンジョンでのボタンレスポンスが遅く無反応も多発する……など、快適さとは程遠いです。
また、最悪なのが頻発するアプリケーションエラー。これはもしかしたら機種による差があるのかもしれませんが、筆者が所有している初期型のスイッチでは特に前触れもなく数十分に1回アプリケーションエラーでゲームが強制終了します。筆者はスイッチ版をゲームクリアまで遊びましたが、何回ゲームが強制終了したかもはや数えていられないほどでした。本作はどこでもセーブできるので数分おきにセーブをすることでこの被害を最小限に抑えられるのですが、この強制終了の頻発具合にはもはや呆れるしかなかったです。
先述の操作性の悪さと合わせ、少しくらいテストプレイすればこのくらいの問題はわかりそうなものなのに、これらの問題が放置され台無しとなったのをただただ悲しく思います。本作はそこまで大々的に宣伝を行っていなかったタイトルだったので、出来ればこれらの問題が解消されるまで発売延期をしてほしかったし、もし今後可能ならば、改善パッチを出して頂きたいと思っています。
そんな状態なので、本作『サクラ・ダンジョン』を遊ぶのなら、スイッチ版ではなくPC(Steam)版の方が良い……と言いたいところなのですが、こちらには日本語訳がないのが悩ましいところです。Gamuzumiがパブリッシャーとなっている他のコンシューマー版「サクラシリーズ」の日本語翻訳がPC(Steam)版にフィードバックされたことはないので、おそらく本作もスイッチ版の翻訳がPC(Steam)版に乗ることはないでしょう。
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何はともあれ、ゲーム自体は良くまとまった、ちょっと肌色多めのDRPGです。
それがこのスイッチ版でボロボロと言っていいほどの移植になってしまったことに、繰り返しになりますが筆者はただただ悲しさを感じています。
スパくんのひとこと
どうしてこうなったスパ……!
タイトル:サクラ・ダンジョン ~美しき激闘~
対応機種:ニンテンドースイッチ(英語のみ対応のSteam版あり)
記事におけるプレイ機種:ニンテンドースイッチ
発売日:2023年6月8日
著者プレイ時間:20時間(ED到達済み)
サブスク配信有無:無
価格:2,499円(2023年6月28日まで1,999円)
※製品情報は記事執筆時点のもの
※UPDATE(2023/6/20 12:20):本文中誤字を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。