【注意】
本記事の内容には『シカトリス』のネタバレが含まれます。
ストーリーの展開をご自分で楽しみたい方は、
記事後半の閲覧にご注意ください。
日本一ソフトウェアが6月29日に発売を予定しているニンテンドースイッチ/PS5/PS4向け異能×学園RPG『シカトリス』。本記事ではその先行プレイレポをお届けします。
本作は、「異能」という超能力が発現した少年少女たちを先生として導いていくRPGです。暴走の危険があるということで隔離された、思春期の多感な子どもたちにまつわる問題と立ち向かっていきます。
学生を導いてトラウマを解消するというと、なんだか青春モノでスタイリッシュなゲームであるようなイメージを抱いてしまいますが、本作はかなり「ステータス育成」に重きを置いたシステム。青春の甘酸っぱさを教師の立ち位置から眺めて……ひたすら惨劇を意識させられるヘビーな内容になっています。
賑やかな青春モノというより“追い詰められた思春期”を語る本作は、ストーリーも要注目ポイント。ネタバレには超絶注意なゲームであるため、本記事では後半から物語の根幹について触れていきます。
◆“ステータス管理”に重きを置いたシステムが中毒性あり!
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『シカトリス』のバトルシステムは、日本一ソフトウェアの『クリミナルガールズ』とやや似ていて、“生徒が提案するスキルを採用”する仕組みです。『クリミナルガールズ』と異なるのはマップという概念がないこと。育成カリキュラムとシナリオ・バトルを繰り返して物語を進めていきます。
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一見単調に感じられるかもしれませんが、『シカトリス』はステータス管理に楽しみを見出すゲーマーならかなりツボに刺さるかもしれません。バトルにて提案されるコマンドと、生徒自身が覚える膨大なスキルの取捨選択がかみ合って育成ゲームのような感覚を覚えさせられるシステムになっています。
スキルの豊富さで言えば、ゲーム開始早々の段階で選択に悩むほどのスキルが習得可能です。生徒たちには得意不得意こそあれど、「専攻」システムによって生徒の育成方針を決められます。
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ゲーム全体の難易度は、デフォルト設定では結構高め。筆者は初めノーマルでプレイしていたのですが、ボス戦はかなりてこずりました。イージーでは気楽にプレイできたものの、油断は禁物です。本作で特に重要なのは「パッシブスキルの設定」。これによって生徒が自発的に追撃をしてくれて、手数を増やしていくことが出来ます。
正直、筆者は初め「ステータス管理は苦手だし、ちょっと単調かも……」とも思ってしまいましたが、周回で解放されるシステムも含め、噛めば噛むほどじわじわと味が出る良質なゲームシステムと感じられました。
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◆青春モノ……というか、思春期モノ? 明るく振る舞うも、闇を抱える生徒たち。
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『シカトリス』におけるストーリーをざっくり言うと、「異能」という無意識化に眠る超能力が発現したことで日常生活が壊れ、さらには暴走の危険性があるとされてしまった子どもたちの教師として触れあっていく……というものです。
トラウマを抱えた青少年たちが、一か所に急に集められて「先生(主人公)」の下で異能事件の解決に当たらされたりするものですから、最初は気まずいことこの上なし! 土日に外出に連れて行っても「まじで意味わかんねー」とか「すみません、もう帰っていいでしょうか?」と言われるので結構心にグサッと来ます。
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メタ的な話ですが、この「外出」で筆者が気になったのは、「外出」というコマンドを使うと1回だけで25,000円もかかるということ……! ステータス向上に役立つので必須なのですが、「いささかお金がかかりすぎじゃないか?」と感じてしまいます。山や寺でも一律25,000円! 主人公は「外出」のたび登山用の靴や装備だったりを貢いでいるのでしょうか……? その挙句に言われるセリフが「まぁ、ありがとうございました?」だったりするので、キッツい!
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本作には、そんな険しい“信頼獲得”の道のりをお金で解決できちゃうアイテム「赤黒いジェム」というものが登場。フレーバーテキストで「何と禍々しい代物なのか……」と書かれてしまっているアイテムです。逆に、信頼度を1万円に変えるモノまでも……。
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ストーリーでは生徒自らが集合的無意識に入り込んで、自分たちの無意識化の分身である「ドッペルゲンガー」とも対峙。心の奥底で何を考えているのかを突きつけられていくという、思春期の子どもには残酷な治療法までとられます。
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(外出時にはキツいことを言うけど……)日常パートでは皆で料理を作ったりと割とほんわかしているので、表の顔と本当の心のギャップが良さを醸しだしています。
続いてはネタバレに踏み込んで、本作の魅力を語っていきたいと思います。あらためて、『シカトリス』は超絶ネタバレ注意なゲームです。プレイレポート後半ではかなり深く触れているので、ネタバレ防止のために簡単なクイズを用意しました。なんとなくスクロールしながらボタンを押して、間違ってネタバレに辿り着かないための“入場ゲート”と思いながら、チャレンジください。
Q. この記事の中で“『シカトリス』とシステムが似ている”と説明した日本一ソフトウェアの作品は?