14日から京都府京都市左京区「みやこめっせ」で開催されている「BitSummit Let's Go!!」。本イベントには「インティ・クリエイツ」も出展して『九魂の久遠』『幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE-』を試遊タイトルとして設置していました。
死んでしまった猫「クオン」が現世の飼い主に会うため冥界を旅する横スクロールアクション『九魂の久遠』。本作は、動物好きには少しの葛藤をあえて与えて来るようなゲームとなっています。猫に九つの魂があるという話をベースにしたであろうシステムとなっていて、クオンが一回死んでしまうごとに、他の動物の魂を吸収し“強くなって”生き返ります。ゲーム的には有利になるものの、「猫の死」という心に刺さるハードルが待ち構えています。
本稿では、そんな『九魂の久遠』試遊プレイの感触を「インティ・クリエイツ」ブースのレポとあわせてお伝えしていきます。
◆「インティ・クリエイツ」ブースでは物販も!『幻日のヨハネ』『九魂の久遠』どっちも可愛さ抜群!
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「インティ・クリエイツ」ブースはビジネスデイの段階から沢山の人だかりが。『幻日のヨハネ』『九魂の久遠』どちらかを試遊する流れは途絶えず、物販ブースも展開されていました。
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『幻日のヨハネ』は「ラブライブ!サンシャイン!!」スピンオフ作品だけあって、可愛らしい女の子が沢山登場します。その反対側では(クオンのカッコよさも見逃せませんが)猫としての愛らしさが隠しきれない『九魂の久遠』試遊エリアが広がります。
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物販コーナーでは、ぬいぐるみや缶バッジなどの「インティ・クリエイツ」ファンなら思わず欲しくなってしまうようなグッズがずらり。ちなみに、『九魂の久遠』試遊でクオンの缶バッジがプレゼントされるとのことで、筆者も遠慮なく頂いてしまいました。
次項からはそんな本作のレポをお伝えします!
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◆『九魂の久遠』はテクニックを試される一作! “生き返り”は救済か、失態か……。
冒頭でもお伝えした通り、本作は猫の「クオン」が飼い主と再会するために冥界の門を開こうと駆け回るゲームです。オープニングからクオンの死が描かれてしまいます。もうこの時点で切ない感情に襲われてしまいますね。
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しかしこれはあくまで導入。冥界から戻らせ、飼い主に引き合わせるのがプレイヤーの使命です。クオンは初期状態ではほぼ力を持たないものの、猫としてのスペックを遺憾なく発揮。凹凸のある壁を登れたり、猫だからこそ入れる隙間に潜り込んで進んでいきます。
「一つ目の魂」では、クオンの攻撃手段は非常に少なく、まさに普通の猫といった感じ。クオンは死ぬことで発動できる「アニマリヴァイヴ」により、周りの生き物の魂を吸収して九魂まで強化されていきます。もちろんそれ以降の蘇生はなし。ギリギリまで強化した/されてしまった場合は緊張感漂う戦いになるでしょう。
実は筆者は、レポとか関係なくノーミス狙い。猫としてのクオンを殺さずプレイしようと意気込んだのですが、意気込み虚しくあえなくダウンしてしまいました……。クオンはカッコいいといってもやはり“ただの猫”なので、一発食らうだけで死んでしまうのです。ここで「アニマリヴァイヴ」によって虎の魂が宿り、連続攻撃が可能となりました。
その後も死なないようを心がけたものの、筆者の腕はポンコツ。ライオンなどの魂が宿って、強化されてしまいました。強化されたことそのものを「やってしまった!」と思うのが本作の肝でしょう。
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ちなみに、ふと気になってスタッフの方に「やっぱりネコ科動物の魂を吸うのですか?」と聞いたところ、その割合が多いだけで全てではないとのことです。それを証明するようにシャコの魂まで吸って強化されていきます。
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ボス戦では、クオンの「シャドウスルー」を使ってゲージを貯め、「フェイタルスタンプ」によってボスを撃破していきます。この演出がカッコよくて、同時に可愛らしい!
しかしこの時点でもうかなりの死亡数。この後もステージが進んでいくとなると、残りの蘇生回数から考えてかなり厳しいことになるはず、と考えているうちにまたダウン! すると今度はクオンの形そのものが変わり、ヒト型に変化しました。
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これは「業魔形態」というもの。ついにクオンは動物だけでなく、人間の魂を吸収してしまったようです。禍々しい名前と「境界線を踏み越えてしまったようだ」との一文が不穏ですね……。
しかしこれが強い! ヒト型のおかげか、ゲージも変化して一発で死ぬことはなくなりました。
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こうなるともう易々とダウンしてしまうことはなさそうで、サクサクと敵を倒すことが可能です。全く別のゲームに変わったかのような印象すらありました。
しかし問題は「猫だからこそできること」が無くなってしまっていること。垂直の壁を上ることが出来なくなっていますし、猫のサイズでは入れていた隙間にはもう入れません。また、猫状態で倒した敵は消えていたのですが、今度は奇妙な物体になって残ってしまいます。ステージの移動などで敵が復活するサインとのこと。
「クリアのみ」で考えていくと、さくさく死んで業魔形態に変わったほうが便利なことは確かです。しかし猫状態だからこそ入れるエリアや、ストーリーとしての疑念……。動物好きのジレンマももちろんありますが、『九魂の久遠』は様々な意味で一筋縄では行かないゲームなのではないでしょうか?
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『九魂の久遠』は発売日未定。PC(Steam)/ニンテンドースイッチ向けにリリース予定です。ただ可愛いだけではなくゲーマーの腕が試される本作……気になった方は続報に注目してみてはどうでしょう。