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最近のアクワイアはインディーイベントで新規タイトルを出展している姿が見受けられるようになりました。
今年3月に吉祥寺で開催されたTOKYO INDIE GAMES SUMMITでは和風3DダンジョンRPG『残月の鎖宮 -Labyrinth of Zangetsu-』を出展。続いて、先日の京都みやこめっせにて行われたBitSummit Let’s Go!! ではツインスティックシューターの『XALADIA: Rise of the Space Pirates X2』』(以下、XALADIA)を出展しています。
いずれも、小~中規模の作品を展開しており、興味深い動きを見せています。今回は新作『XALADIA』のプレイレポートとともに、アクワイアがなぜ小規模タイトルを開発するかのショートインタビューもお送りしましょう。
宇宙からの脅威を銃弾とタレットではねのけろ
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『XALADIA』ではプレイヤーは惑星調査隊の特務ソルジャーです。調査隊として惑星を巡っていたところ、突如としてそれを阻む宇宙海賊のエイリアンに遭遇。エイリアンは巨大な軍勢を率い、惑星を襲撃します。かくて、惑星を守るための、壮絶な戦いの火蓋が切って落とされました。
本作は主にWAVE制で次々と敵が襲い掛かってくるのを撃退していくシューティングです。プレイヤーは左スティックで自キャラ、右スティックで照準を操作し、敵の攻撃を避けつつうまく狙って軍勢を撃破していく戦いがメイン。
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しかし、一人だけで戦っていても次から次へとエイリアンの軍勢は押し寄せてきます。そんなときに役に立つのが「クラフト砲台」です。自動で攻撃を行ってくれるこの砲台はエイリアンを撃破して稼いだ資金を使い戦場に設置できます。
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砲台には様々な種類があります。シンプルに弾丸だけを出すものもあれば、レーザービームで焼き払うものもある。かと思えば、バリアを張ってプレイヤーを守ってくれるものだって用意されています。これらを組み合わせることで、膨大な敵の軍勢やボスのUFOなどを打ち落としていくわけです。特にお金が溜まってからは一斉に砲台を配置できるため、画面もレーザーとバリアが張り巡らされた異常な要塞のようになっていくのが本作の見どころといっていいでしょう。
襲い来る敵の軍勢は綺麗に整列していることもあり、思い出すのはやはり『スペースインベーダー』です。『スペースインベーダー』をWAVE制にして、さまざまな砲台を設置して戦う要素を加えたツインスティックシューター。それが『XALADIA』なのだと感じました。
アクワイア代表・遠藤氏に聞く、小規模タイトルを作る意味
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このように『XALADIA』は『スペースインベーダー』のような伝統的なシューティングに、現代的な要素を加えた小規模のタイトルとして上手く作られています。とはいえ、アクワイアは『侍道』シリーズや『AKIBA'S TRIP』シリーズのほか、今は『オクトパストラベラー』シリーズなど、コンソールにて魅力的なタイトルを開発してきた企業です。なぜ今、インディーゲーム市場に小規模作品を提供しているのでしょうか?
その背景を同社の代表を務める遠藤琢磨氏にお話を伺ってみました。遠藤氏は「パッケージビジネスが厳しくなってきたのがありました」とまず解答。「いままで日本で作って売ったり、大手メーカーにお仕事をいただいて作ったりが多かったんですけど、これからはダウンロード販売であれば全世界に販売できるんじゃないかと」
そうした背景ゆえに、「自社でもワールドワイドにパブリッシュしていくトライをいましているところでございます」と遠藤氏は説明。「いまは開発者が直接販売できる可能性はどんどん膨らんでいるのかな、と思っています。我々も世界に直接発信するコンテンツを増やしていきたいと思っています」
『XALADIA』のディレクターを務める山田真充氏によれば、本作のような作品をリリースすることで「Steam市場でちゃんと戦っていけるかどうかを探っている」とのことです。
現在は『XALADIA』だけではなく、アクワイア内部では他にも小規模タイトルを複数開発しているといいます。「9月には、もう一本発表できるかと」と遠藤氏は語ってくれました。
90年代から現在まで、各時代で印象的なタイトルを生み出すアクワイア。2020年代の新たなる挑戦として、『XALADIA』をはじめ、さまざまな小規模タイトルが期待できそうです。『XALADIA』は2023年秋、Nintendo Switch / PlayStation5 / Steamでの発売を予定しています。