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突然ですが、読者のみなさんは遊園地は好きですか? 好きですよね? 楽しく遊ぶ場所だし、苦手なわけってないですよね? ぼくも遊園地が大好きです。さすがに大人になってからは体力的にも時間的にも余裕がなく、あんまり行くこともなくなってしまいましたが……。
そんな自分にとって、いや、おれたちにとって、バンダイナムコエンターテインメントから発売された『Park Beyond(パークビヨンド)』はまさにうってつけのシミュレーションゲームです。自分好みのアトラクションやデコレーションを作ったり遊園地のマネジメント要素を体験したりと「遊園地シミュレーション」がお好きなゲーマーであれば、きっと興味を持つでしょう。
『Park Beyond』公式サイト
突然ですが、読者のみなさんは「浅草花やしき」のことはご存知でしょうか? 1853年に開園した「浅草花やしき」は東京都台東区浅草にある日本最古の遊園地で、現在ではバンダイナムコアミューズメントの子会社である株式会社花やしきが経営しています。ここに『Park Beyond』と「浅草花やしき」の間に奇妙な繋がりが生まれましたね。こうして二度も「突然ですが」構文で読者のみなさんに質問を投げかけてみたわけですが、本記事では『Park Beyond』で日本最古の遊園地「浅草花やしき」の再現を目指します!
しかし『Park Beyond』は“リアル志向の硬派なシミュレーション”というよりかは、ぶっ飛んだアトラクションを建設・運営したり、とんでもないジェットコースターで阿鼻叫喚な体験をしている客を眺めて楽しんだりする、正直言ってちょっとクレイジーな遊園地シミュレーションゲーム。そのため、今回は本格的な完全再現ではなく“浅草ハイパー花やしき”を建築していきます!
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まずは園内マップを確認し、「浅草花やしき」の全貌を確認していきましょう。「浅草花やしき」は浅草のど真ん中にあるという関係上、とてもコンパクトで、アトラクションがぎゅうぎゅうに密集しています。この詰め込み感も「浅草花やしき」の魅力のひとつなのです。
ざっとマップ確認が終わったら、まずは入り口である右下の「浅草門」のあたりから作っていきたいところです。入り口は遊園地のまさに「顔」。顔がよければ多少のことは許せるというのは、人間も遊園地も同じなのです。
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『Park Beyond』には「施設モジュール」という、パーツを組み合わせて建物を作る機能が備わっています。今回は公式サイトや「花やしき 浅草門」で検索して出てきた写真(みんなも検索してみてください)を参考に作っていきます!
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なんとか浅草門のように見えなくもない、日本風な入り口が完成しました。まだまだ地味ではありますが、「浅草花やしき」風テーマパーク建設の第一歩を踏み出しました。
『Park Beyond』のエディット要素はマジでやりごたえがあるので、みんなもぜひやってみてほしい。本作内に実装されているショップ系の建造物も分解するとこういうパーツからできてるようなので、細かなエディットを好むゲーマーなら数時間ぶっ続けでのめり込めると思います。
続いて「浅草花やしき」の入口近辺、メリーゴーランドや黄色い塔をやっていきましょう。
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特徴的なタワーなので、これも「浅草花やしき」の「顔」であると言えそうです。顔が良ければ(中略)。メリーゴーランドも黄色い塔も『Park Beyond』にそのものがあるので、ここはベタに設置していきます。
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地面の色を変えてみたり、地形編集を用いて池を再現してみたり、二層になってるっぽいコースターを作るなどして、形を整えていきます。まだアトラクションを並べていっただけですが、マップと照らし合わせても「浅草花やしき」の“輪郭”が姿を表してきたように思えます。
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おおまかに遊園地全体の形状が定まったら、ディテールアップに取り掛かります。入り口も都会っぽく、にぎやかに装飾。飲食店を設置したり、プロップ(小物)の西部劇風な建造物を置くことで、遊園地らしいにぎやかさになっていきます。全然「花やしき」でないような気もしますが……。
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ちなみに、今回は再現企画ということで「キャンペーンモード」ではなく、資金無限でやりたい放題に遊べる「サンドボックスモード」を用いています。そのため最初から資金を気にすることなくいろいろなものを作ることができます。
ともあれ今回は、ゲーム内で自由自在にアトラクション建設にのめり込めるわけです。せっかくなので、本作のキーポイントである「自由なジェットコースター作り」に挑戦してみましょう!
『Park Beyond』のジェットコースター建設はとにかく自由度が高く、レールをひねったり地面にもぐったり、現実世界であれば「こうはならんだろ」というコースを簡単に制作できます。今回はいたずらに激しい構造にして、この「浅草ハイパー花やしき」に来た老若男女の度肝を抜いてやりたいと思います。
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このジェットコースターは仮に「いたずらコースター」と命名しました。気が向くまま、いたずらにデザインしたせいで「浅草花やしき」完全再現からはかなり逸脱したバランスになりましたが、これが本企画で作る遊園地が“ハイパー”たるゆえんです。きっと来場者もハイパー三半規管をお持ちでないと大変なことになるでしょう。
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まだまだ土地が余りまくってるのでいたずらコースターの知見を生かし、「いたずらコースター2」に着工します。
コースターを走らせるためには「動力つきのレール」が必要となります。いざ稼働開始してコースターが登り始めたあとは、追加で動力を与えず、その推進力のみで最後まで走りきれるのが理想です。コストマネジメントとしても正しいですし、“ジェットコースター”としてそのほうが美しいですよね。
そんなわけで、最初にめっちゃ高い位置までジェットコースターを持っていくことで推進力を稼ぎます。実はこのデザインにもそこそこお金かかってるので、本末転倒してますが気にしないでください。
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せっかくなので、コースの途中に大砲をつけてみる(コースターが大砲で射出される)ことにします。こういう非現実的なモジュールを置いて非現実的なジェットコースターを作れるのも、本作の大きな魅力ですからね!
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大砲はジェットコースターに推進力を与えるためジェットコースターが鬼のように長大になってしまいました。このコースターだけで花やしきのメインである地域の三倍ぐらいの面積があります。なんでこうなってしまったんだ……?
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と、いうことでだいぶできてきました。なかなか「ハイパー花やしき」と言うにふさわしい設備と外観になってきたと言えるのではないでしょうか? 言えないか? ちょっと自然が雄大すぎるか……?
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石の不自然さを少しでもなんとかするために、人工的でビルっぽい建造物をとりあえず作ってみることにしたものの……
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最終的に豆腐ビルは撤去し、商店街風に彩ってみました。
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さて、ここまでくれば、あとは細かい作業です。池に水草をうかべるなどして更にディテールを詰めていきます。そして、手すりを赤くしてマップ上の池を再現。池としてのリアリティは増してきました。
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街路樹や草花もそこら中に設置していきます。実際の「浅草花やしき」とは異なるにぎやかさではありますが、楽しげな雰囲気は出てきました!
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しかし充分な従業員を雇っていなかったため、道がゴミにあふれる結果となりました。資金無限のサンドボックスモードなので、従業員の必要性に最後まで気づかなかったのが仇となりましたね。
ちなみに、キャンペーンモードでは序盤のチュートリアルのみでなく、課題やチャレンジ要素なども登場。これまた楽しげなやりとりを見せてくれるキャラクターと共に、遊園地運営のキモを学べます。チュートリアル後にいきなりサンドボックスで自由かつ豪快に遊ぶのもよいですが、じっくり楽しむシミュレーションゲームらしさも身に着けたい方はキャンペーンモードもオススメです。
『Park Beyond』公式サイト
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ここからは、この「浅草ハイパー花やしき」のアトラクションについて説明していきます。「浅草花やしき」でおそらく幾多のキッズたちをビビらせてきたであろう「スリラーカー」は、『Park Beyond』で設置できるアトラクション「ゾンビ・アポカリプス」にしました。クルマ×ホラーという強引な繋げ方ですが、激しく火花が散る様子はなかなかハイパーです。
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「浅草花やしき」の中で、特に個人的に印象に残っているのは「ビックリハウス」というアトラクションです。今回は「ホーンテッド・マンション」に置き換えました。“ハウス”も“マンション”も同じ住居なわけですし、ホーンティングはだいたい「ビックリ」という意味なのでハイパー的には正解です。
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『Park Beyond』では、来客者から得る“ビックリ”というパラメーターを溜めることでアトラクションや施設をレベルアップすることも可能。上図は「ホーンテッドマンション」を「ドリームチェンジ」したもので、おおよそ現実では稼働できないデザインに変貌しています。
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写真だけでもめっちゃ怖そうな「ディスク・オー(写真1枚目・右手)」は、パックマンの乗り物である「パック・マックスペリエンス」に置き換え。U字型のレールが特徴的で、こちらは見た目の印象もだいぶ共通しています。
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「ディスク・オー」は「シャイニング・ペンデュラム」ともつくりがちょっと似てるので、こちら“どうしても『Park Beyond』で再現できないアトラクション”があるあたりに配置します。
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前述した入り口近辺のアトラクションは、それぞれ「バウンスタワー」「マスターワーク・メリーゴーランド」と置き換えてあります。このあたりは普通に『Park Beyond』収録アトラクションできっちり対応できたので、屁理屈をこねてめちゃくちゃなことを言ったりはしません。
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地図右上にあるらしい「にんにんパーク」は「いらいらクラーケン」にしました。「にんにん」と「いらいら」が、繰り返しであるという点が似ています。また、パンダカー広場のかわりに大量のユニコーンを配置しました。
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なんか兵馬俑みたいですが、ゆめかわ要素でもあります。
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ということで、完成です。これがハチャメチャなジェットコースターを2機も設置し、雄大な自然に囲まれつつも賑やかで、ひっそりとユニコーンの群れが佇む「浅草ハイパー花やしき」です。
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ビル風の建造物も追加してみると、なかなか賑やかな光景に! 奥にそびえるコースターがいたずらにスリルを演出してくれています。
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「浅草花やしき」と言えば……! ということで、室内に潜り込むコースターも制作。上部からヒネって建物内に入ると、『パックマン』を遊ぶ人型ロボットやパックマンの巨大マスコットを目撃できるようにしました。『パックマン』系の装飾やアトラクションが非常に豊富なので、ゲーマーならついつい置きたくなることうけあいです。
各アトラクションやパークの様子はこのようなもの。今回は資金無限の状態で様々なエディット用パーツ(プレハブ等)を使ってみましたが、大まかな配置を決めてからの細々とした装飾作りもなかなか面白く、小物ひとつをとっても賑やかな雰囲気で楽しげです。
そして、建造した異常ジェットコースターのうちのひとつの“試乗動画”はこんな感じ。観客を吹っ飛ばす大砲やひねりにひねるレールなども簡単に建設できるので、シミュレーション大好きゲーマーでなく「ムチャクチャなジェットコースターを作ってみたい!」という方にもきっと刺さると思います。
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今回の再現企画のために建設したテーマパークではありますが、『Park Beyond』は今後もアップデートやダウンロードコンテンツを配信予定。このテーマパークをゆっくり愛でるように建設・運営を進め、これからも育てていこうと思います!
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ゲーム内でハチャメチャなアトラクションを自らの手で建設して、派手な試乗体験を楽しみたい方はもちろん、古くから「テーマパークシミュ」を遊んできたシミュレーションゲームファンも満足できるであろう『Park Beyond』は、PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに配信中。ダウンロード版(通常価格8,100円+税)に加え、シーズンパス(年間パス)を収録した豪華版『Park Beyond ヴィジョネア・エディション』も発売中です(10,500円+税)。こちらには「年間パス特典セット ジェットコースターカート」「デジタルデラックスエディション特典 ドリームチェンジセット“ゾンビヨンド”」も収録されます。
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また、今回の企画で協力いただいた「浅草花やしき」はなんと今年で開園170周年! 7月20日から、プロジェクションマッピングが楽しめる「NAKED花景色」や江戸から伝わる4つの怪談をモチーフにした「お化け屋敷~江戸の肝試し~」、歴史を辿る映像型アトラクション「パノラマ時間旅行」、ARで楽しめる周遊型アトラクション「摩訶不思議!?君もスクープカメラマン」といった新施設がオープンしています。
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『Park Beyond』を遊んでから“日本最古の遊園地”を体験するも良し、事前調査として「浅草花やしき」の魅力を現地で掴んでから『Park Beyond』に活かすも良し。より本格的に遊園地運営を体験してみたい方は、「浅草花やしき」にも足を運んでみてはいかがでしょうか!
「浅草花やしき」公式サイト