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2023年8月3日(木)から8月14日(月)まで西部池袋本店で開催中のイベント「池袋・豊島・西武沿線 レトロ百貨展」では、昭和「レトロ」をテーマに様々なカルチャーを取り扱ったコーナーが出展されています。今回の企画には中古商品を取り扱う「ハードオフ」も参加し、80年代のゲームやCDなどを取り揃えた「ハードオフ~幻の店~西武池袋本店」という店名で期間限定出店を行っています。
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同社がこうしたイベントに出店しているというのはこれまでに例がなく、なにより「幻の店」というのは非常に興味深い響きです。はたして「幻の店」とはどんな店なのでしょうか?
今回は筆者が実際に現地に向かって見てきた「ハードオフ 幻の店」の様子や「レトロ百貨展」の雰囲気をレポートします!
「レトロ百貨展」とは?
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「レトロ百貨展」が催されているのは西武池袋本店7階の催事場。展示内容は西武沿線の鉄道や池袋・豊島の発展史、映画・ゲーム・アニメ・マンガといったカルチャー、昭和レトロな食べ物など複数のジャンルに渡り、来場者の層も老若男女さまざまです。本企画に際し、かき氷やいか焼き、たこ焼きのお店も出店しているため、どことなくお祭りのような雰囲気も漂っています。
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なお、イベントにはゲームソフトや関連商品の販売を手がけるシティコネクションからクラリスショップが出店するほか、ゲーム系Tシャツを販売するアパレルブランド・ハードコアチョコレートなども参加しています。
想像を超える品揃えだった「幻の店」
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「幻の店」があるのは催事場の中央で、そのスペースは決して広くはありません。しかし、驚いたのはその品揃え。通常の店舗をギュッと凝縮したような形で商品が展開され、その体験はまさにハードオフそのもの、いや、もしかするとそれ以上かもしれません。筆者は一日中ここで過ごせると確信しました。
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平積みにされたファミコンはビデオ端子仕様に改造されたものもあり、ボディはオーバーホールされてまっさらな状態です。ファミコンディスクシステムも数台あり、劣化しやすい内部のゴムベルトも交換済みでした。
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任天堂の『ファミリーコンピュータ ロボット』、パックス社の『パワーグローブ』、バンダイの『ファミリートレーナー』といった珍しいファミコンの周辺機器も数多く揃っています。
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この出店のために全国のハードオフから集められたというレアなソフトが、年代ごとに分けられてガラスケース内に陳列されています。ケース内にはその年の出来事を記したカードが置かれ、ソフトと併せて懐かしんでいる来場者の姿も多く見られました。
そんな中で一際目を引いたのがアスク講談社の『ムーンクリスタル』とサンソフトの『ギミック』で、価格はなんと30万円オーバー!こうしたはタイトルはなかなかお目にかかれませんが、それが実際に販売されているシチュエーションに出会う機会も貴重なものです(購入できるかはともかくとして)。
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試遊台コーナーでは『スーパーマリオブラザーズ』をプレイできました。接続されているブラウン管テレビも商品の一部のようで、値札が付けられています。往時を懐かしんでプレイする人の姿も多かったのですが、意外なことに子どもたちが興味深げにプレイしている様子もよく見られました。夏休みシーズンの百貨店でのイベントということもあって、親子連れが多かったのも印象深い光景です。
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ハードオフ名物ともいえる青い箱に入ったジャンク品コーナーは「幻の店」でも健在。こちらはFCからPS2までのゲームソフト・周辺機器が取り揃えられています。百貨店の上階でジャンク品を漁るという行為、なんだか貴重な経験をさせてもらった気がします。
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「幻の店」オープンの経緯とコンセプト
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期間限定で小さいながら「幻の店」は相当気合が入っている…そう感じた筆者がお店の方に企画の経緯を伺ったところ、今回の「レトロ百貨展」の開催に際して、西武側からハードオフに声が掛かり実現した企画とのこと。このような形態の出店は初めての試みで、80年代をコンセプトにゲームはファミコン中心、ゲーム以外にもカセットデッキなどはメタリックカラーの製品を用意してその当時らしさを意識したそうです。また通常店舗と異なり、買い取りはなく販売のみの展開になることもあり、「来てもらって楽しい」というテーマを心がけているということでした。
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「幻」とはいえ、ハードオフ公式アプリのマップのなかにも「幻の店」はハードオフの店舗としてきちんと登録されています。さらに、通常店舗と同様にアプリの来店ポイント「エコポ」を貰うことができたりと、期間限定ながらも確かに実在する店舗だということを実感しました。お店の方曰く、こうした点についても企画段階で気を遣った部分だといいます。
マニアックなレトロゲーム、それも多くのカルチャーのうちのひとつ
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「幻の店」を見ている間、会場内ではおいしそうな匂いが漂っていました。レトロをテーマにしている企画だけあり、昔ながらの喫茶店のナポリタンやメロンクリームソーダといった懐かしい雰囲気の食事が提供されています。
ひとしきり会場を見終えた筆者は「幻の店」でゲームを購入し、食事スペースで休憩。筆者はゲームを目的として来場しましたが、辺りを見渡してみると人々の興味の方向はさまざまで、鉄道に興味を持っている人もいれば映画のファンもおり、ここに食事をしに来ただけというような人もいます。
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レトロゲームに興味を持つというのはマニアックな趣味で、実際「幻の店」はラインナップはなかなかコアなものでした。しかし、これだけマニアックなものが出店しているにもかかわらず、会場の雰囲気はそんなマニアックさとは程遠い、いい意味でゆるい空気感となっていました。もしかしたらそれは、いくつものカルチャーを並べている「レトロ百貨展」ならではなのかもしれません。
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ゲームを題材とした単一のイベントではないからこそ味わえるこの空気感と、「幻の店」のマニアックなゲームの競演がおもしろいイベント・出店となっています。皆様も夏休みに足を運んでみてはいかがでしょうか。
なお、8月13日(日)には本企画展に参加しているセレクトショップ・謎の店プロデュースによるイベント『謎の店 グレートキャラバン'23-西武池袋本店大会-』が開催され、ヒップホップグループ・KICK THE CAN CREWのMCでゲーム愛好家のMCUさんや、ファミコン名人の高橋名人といったゲストが来場。名人監修の新作ゲーム『スターガニアン』のゲーム大会やトークショー、DJプレイ、ミニライブが行われます。こちらもチェックしてみてください。