Unity Technologiesが発表した“Unity税”こと「Unity Runtime Fee」ですが、混乱を受けて発表した「見直し」の内容が内部の会議記録から判明したようです。
多くの反発を受け見直しへ
「Unity Runtime Fee」はUnityをゲーム開発などに使用する際のライセンス料に変更をもたらすもので、インストール回数に応じて利用料がかかるというものでした。これまで通り一定までは無料で使えるものの、条件によっては最大1インストールあたり0.20ドルの利用料がかかるものもあり、小・中規模開発者を中心に混乱と反発を巻き起こしました。
この他にも、ダウンロード回数のトラッキング方法への指摘や、Unity TecnologiesのCEOをはじめとする幹部が発表前に株式を売却していたこと、脅迫によりUnityの一部オフィスが閉鎖するなど、様々な問題が取り沙汰されています。
そして日本時間18日、このポリシーの見直しを発表。現時点では変更内容の発表がなく詳細は不明ですが、「混乱を招き、ご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。
暫定的な変更内容が海外報道で明らかに
この「見直し」の内容ですが、海外メディア・BloombergがUnity社内で行われた全社会議の内容を公式発表に先んじて報じています。報道によれば、暫定的な新計画では年商100万ドル以上の顧客に対する手数料をゲーム収益の4%に制限し、この基準に達するまでのインストール回数は遡及されないといいます。
加えて、独自ツールを用いてカウントするとしていたインストール回数のトラッキングについては、Unity利用者の自己申告に頼ることになると述べました。なお、これをまだ発表していない理由は、現在幹部がパートナーに確認中であるとのこと。ポリシー変更発表時のような混乱を繰り返したくないという意図があるようです。
CEOであるジョン・リッチティエロ氏は会議の中で、この方針はUnityの最大の顧客からより多くの収入を得るためのものであり、90%以上のUnityユーザーが影響を受けないことを強調しました。
数人のスタッフから失墜した信頼をどのように取り戻すのか訊かれると、「伝えるのではなく、見せる」必要があり、今後のコミュニケーションをより慎重に扱わなければならないとコメント。どのような事態になったとしてもビジネスモデルを大きく変えることは決まったことだったそうですが、「もっとうまくやれたと思う」と発表時の失敗を認めました。
Bloombergが暫定的と報じている通り、これらの変更内容はまだ確定したものではなく、正式発表の際に変更される可能性があります。とはいえ、インストール回数に応じた利用料がかかるという点は変わらない可能性が高そうです。