何かとストレスの多いこの世の中。澱んだ心はお気に入りのゲームでリフレッシュ！というのが理想ですが、現実はその気力すらも出ない時がままあるものです。そんなときにおすすめしたいのが今回紹介する『Mining Mechs』。一見どこにでもありそうな採掘ゲーでありながら、そこには心穏やかな時間が流れていました。本稿ではそんな本作の魅力をお伝えします。
丁寧なチュートリアルと効果的なクエスト内容でサクサクプレイ！9種のメカはドット絵ながら拘り感じるアニメーション
本作はハイテクマイニングメカを操縦し、貴重な資源の採掘とメカのアップグレードを繰り返して地中深くへ掘り進むアクションアドベンチャーです。地下から聞こえる奇妙な音を発端に、課せられるクエストの達成を小目標としながら、その音の原因を探る冒険が楽しめます。
ゲームを始めると主人公の父親らしき人物に、地下から発する奇妙な音について聞かされ、チュートリアルが始まります。日本語対応とはいえそのクオリティはあまり高くないですが、操作はかなり簡単、かつ丁寧に説明してくれるので詰まることはありませんでした。随所に登場する海外風ジョークとその拙い和訳も、ある種の和やかさを演出する本作の魅力の一つとも言えます。
チュートリアルで、残土タンクと資源タンクがいっぱいになるまで採掘、残土の処分、資源の売却、メカのアップグレードというゲームサイクルを学んだら、自分の手での採掘が始まります。序盤は採掘速度も遅く、タンクの容量も小さいためサクサクと掘り進むというわけにはいきませんが、掘る土も固くないためさほど気になりません。
また、序盤のクエストは達成難度がそれほど高くない割に報酬が大きく、すぐにメカのアップグレードを行えました。さらにこれらのクエストは、より価値の高い鉱石でタンクを満たしたりなどを意識することで効率よくプレイを進められる部分を、自然に学べるものになっていたように思います。
メカのアップグレードは、所持機体の性能強化と新規機体の購入で構成されています。全9種類が実装されており、基本的には値段が高いものほど性能の上限も高いですが、購入直後は性能強化が一切為されていないため、強化が追い付くまでは既存の機体を使うことになります。
また、個別の能力で見れば下位種が上位種を上回る場合もあるようです。見た目もそれぞれの機体ごとに大きく異なり、様々なアクションとそれに合わせた変形を行う様子は、ドット絵ながらかなりのこだわりを感じられます。実際のところ、初期機体でも強化を十分に行えば意外と快適に採掘できたため、見た目でお気に入りの機体を決めて使い続ける、あるいは目標にするのもいいかもしれません。
ゲームが単調になっても不快感無し！無心で採掘作業に没頭し穏やかに流れる時に身を任せよう
ある程度メカが育てば地上と地下を行き来する回数も減り、ひたすら採掘を行いながら学んだサイクルを繰り返すことになります。一見単調で退屈そうに思え、事実その評価も間違ってはいないのですが、そこが本作のすごいところ。採掘それ自体にストレスを感じることがほとんどないため、多少の倦怠感はあっても不快感がないのです。
採掘作業はほぼ移動操作のみで完結するのでミスや難しい操作を要求されることはなく、飛行と落下は距離が長いほどスピードアップするため地上と地下の行き来も容易です。アップグレードで採掘効率もどんどん上がり、イライラすることはほとんどありません。
意識すれば、クエストの達成や鉱脈の発見、ゴミも含め見た目に楽しいバリエーション豊かな宝物の数々など、頻繁に小さな達成感を感じられるのも単調さが気にならない理由でしょう。
唯一制限されている飛行中や上方向への掘削でさえも、掘り進める際の小さな工夫や段取りを考える余地となり、飽きを遠ざけるよい要素となっています。また、仮にこの点でミスをしてしまったとしても、安く買えるアイテムで簡単にリカバリーできました。
筆者もいつの間にか無心で採掘作業に没頭し、脳に心地よい疲れを感じた頃には約3時間が経過。大きな高揚や感動があるゲームとは言えませんが、この単調さこそが本作のウリと言っても過言ではないかもしれません。
採掘のみをコンテンツとしながら、ストレスを感じ得る部分を効果的に削ぎ落すことで、その楽しさや没頭感を大きく高めることに成功した良作と言えるでしょう。また、筆者はまだ体験できていませんが、本作は最大7人でのマルチプレイにも対応。横方向にはそれほど広くない本作のマップなら、数の暴力で露天掘りプレイ！といった楽しみ方もできそうです。
スパ君の一言
採掘で得る心の平穏…マイニング「禅」をみんなも感じるスパ！
