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Embark Studiosが手掛けるチームFPS『THE FINALS』ですが、ゲーム内アナウンスなどでAI音声が用いられていることに対し海外声優から批判の声が上がっています。
ベータテスト好調のチームFPSにAI音声使用に対する批判の声が上がる
本作は周囲のあらゆるものを破壊可能できることが特徴のチーム対戦FPSで現在オープンベータが進行中。非公式データベースSteamDBによると、オープンベータの最大同時接続数は26万人越えと注目を集めている作品です。
そんな本作ですが、ゲーム内で用いられている音声についても注目が高まっています。『ULTRAKILL』『Evil West』『原神』などに声優として関わった経歴を持つというGianni Matragrano氏は、自身のXアカウントで『THE FINALS』は製品版でもAI音声を使用するつもりではないかと指摘しました。
Matragrano氏は過去のテストではプレースホルダか何かだと捉えていたが、ポッドキャストでの開発者の発言と今回のような大規模なテストを経て確信したと説明。嫌がらせをけしかけたいわけではなく本作をプレイする人を嫌ったりもしないとしつつ、自分たちは期限が1,2日後といった急な仕事にも応じており、AIに頼らなくても簡単かつ大金をかけずにより良い音声を手に入れることは可能だと主張しています。
開発者はAI音声は洗練されていると7月のポッドキャストで発言
Matragrano氏が引用した『THE FINALS』開発者のポッドキャストは7月4日に公開されたもの。その中で、声をあてているのはだれかという質問に対して、オーディオデザイナーを務めるAndreas Almström氏は技術的に困難な呼吸音やうめき声などの一部を除いてAIを用いていると回答。AIを採用した理由については、実用に耐えうるレベルにAI音声が洗練されたことに加え、ゲームに新しい要素を追加したいときに素早く対応できるからだと説明していました。
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この決定に対して批判の声を上げている声優はMatragrano氏以外にも存在します。『Hunt: Showdown』や『SMITE』に参加したというKit Harrison氏は、私が椅子から立ち上がる時に発する声を再現できないようなものが仕事を奪うなんて笑わせるなとポスト。また、『きみのまち ポルティア』『バルダーズ・ゲート3』などに参加したというElsie Lovelock氏は、開発者らがAI音声をどれだけリアルだと思っているかに関係なく、未だに酷いものにしか聞こえないと発言しています。
様々な形で注目を集める『THE FINALS』オープンベータはPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに10月26日から11月5日まで開催される予定です。