2023年を振り返ってみれば、多種多様なDRPG(3DダンジョンRPG)が発売されていました。そのすべてについては筆者も網羅しきれていないのですが、本記事ではSteamで配信されたものを中心に、2023年リリースのDRPG26作品+αについて、筆者の短評付きで振り返ってみたいと思います。
ローグライトカードバトラー+DRPGと聞くと面白そうだが……『DungeonLite』
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DRPG+『Slay the Spire』ライクな戦闘+街の発展要素……と聞くと面白そうな感じはするのですが、実態は超地味なカードバトルで、ダンジョンは手抜き感の強い自動生成のダンジョンを潜るだけ、街を発展させるための素材も1回のダンジョン探索で雀の涙ほどしか手に入らない、2023年12月現在に至ってもオートマッピング表示が頻繁にバグるという改善の意思も見られないゲームです。はっきり言いまして、まったくお勧めできないゲームです。
運命を切り開け、降霊灯。『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』
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日本一ソフトウェアの「地下迷宮と魔女ノ旅団」シリーズ第2作で、今年Steam版が配信されしました。本作の作り込まれたシナリオ、そしてボリュームは圧倒的で、前作を遊んでいなくても特に問題なく、本作の世界観に引き込まれることでしょう。過去記事では筆者によるプレイレポートを掲載していますので、そちらも参考にしてください。
墨絵で描かれたシビアな和風DRPG。『残月の鎖宮 -Labyrinth of Zangetsu-』
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かつてガラケーの『ウィザードリィ』シリーズや、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』の一部シナリオなどを手掛けたスタッフが在籍するカエルパンダが開発、アクワイアが販売する和風DRPGで、やはりこちらも今年Steam版が配信されました。ゲームの骨子自体はキャラクターの転職を絡めつつレベルを上げてスキルを集め、ランダムドロップのアイテムでキャラクターを強化していく……という昔ながらのDRPGを踏襲していますが、やはりモノクロで描かれたダンジョンやモンスターが目を引くところでしょう。
但し現行のバージョンはコンシューマー機で配信された初期版から大きく難易度が引き上げられており、この手のゲームの経験が少ないプレイヤーにとってはややつらいところ。本作についても過去記事で筆者のプレイレポートを掲載していますので、興味のある方は参考にしてください。
なお、本作はクリア後DLCも配信予定となっていますが、2023年12月現在、公開時期などは明らかとされていません。こちらも筆者はお待ちしております。
アニメ絵キャラクターでパーティを編成し迷宮に挑め。『Core Crossing』
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海外製DRPGとしては珍しく、アニメ絵のポートレートが用意されたキャラクター5人でパーティを組み、3Dダンジョンを攻略していくというゲームです。戦闘では戦ったことのある敵に対して弱点属性・耐性が表示されるなど、『女神転生』シリーズの影響も感じられるRPGになっています。残念ながら日本語は用意されていませんが、かわいらしいアニメ絵のキャラクターでそこそこ手ごたえのあるダンジョンに潜りたい……という需要には応えられるゲームでしょう。
伝説のDRPG、ここに復活。『世界樹の迷宮 I・II・III HD REMASTER』
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もはや説明不要、ニンテンドーDSで発売され、ハードの2画面を活かした3Dダンジョンのマッピングとシビアなゲームバランスで人気を博し、ひいては「DRPG」というジャンルの人気が盛り上がるきっかけとなった『世界樹の迷宮』シリーズの初期3作が2023年、Steamを含む現行ハードにリマスター移植されました。リマスターに伴い画面は1画面となりましたが、上手く画面を分割することにより方眼紙マッピングの要素を再現しています。難易度もオリジナルのハードな難易度から初心者向けのピクニックまで、リマスターにあたって充実しました。本作も過去記事でプレイレポートを掲載していますので、興味があればこちらもご覧ください。
ユーザーが世界を広げるオープンなDRPG。『アザリスの迷宮』
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本作は個人開発者であるKoniro Dice氏によって制作されているDRPGであり、2023年6月9日よりSteamで早期アクセスが開始されたゲームになります。プレイヤーは5人の冒険者をキャラクターメイキングし、ダンジョンに潜る……というオーソドックスなDRPGを踏襲しているのですが、本作は個人製作のRPGらしく、各種パラメーターなどに独自の概念がかなり多め。そのあたりは本項ではとても伝えきれないので、Steamのコミュニティガイドを熟読することをお勧めします。
また、本作はユーザー作のMODにオープンな設計となっており、フリーゲームの名作『カードワース』を思い起こさせるようなゲームになっています。現在も開発者による精力的なアップデートが続いており、今後の展開にも期待といったところのDRPGです。
Steamで展開されなかったことは残念だが……『ダンジョントラベラーズ2・2-2』
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PSVitaで人気を博した、肌色多めのDRPGとなる本作『ダンジョントラベラーズ2』『ダンジョントラベラーズ2-2』は、2023年6月9日にDMMで配信されました。諸事情によりSteamでは配信されなかったのですが、見た目とは裏腹にかなり骨のあるDRPGです。しかしながらこちらも強力なドロップアイテムや鍛冶屋でのアイテム強化、スキルポイント振りなどでより強力なパーティを目指していくことができます。クリア後要素も含めたボリュームはかなりのものとなるDRPGでして、ダンジョン探索の熟練者にはおススメしたいタイトルです。
なお、本シリーズの1作目となる『ToHeart2 ダンジョントラベラーズ』が2024年2月にSteamを含め配信されることが決定しました。このシリーズをSteamで心待ちにしていた方は、是非ともウィッシュリストに入れておきましょう。
最悪クラスのコンシューマー移植。『サクラ・ダンジョン ~美しき激闘~』
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Steamで人気を博したお色気DRPG『Sakura Dungeon』が、スイッチのダウンロード販売向けに全年齢版の『サクラ・ダンジョン ~美しき激闘~』として今年リリースされました。コンシューマー機向けながら、肌色成分の多い女の子モンスターをはじめとしたお色気成分は随分頑張っています。
が、スイッチ版にだけある操作性の異常な悪さ、頻発するアプリケーションの強制終了!幸いどこでもセーブが可能なので進行不能という訳ではないのですが、スイッチ版で本ゲームをコンプリートしようと思うと、強制終了に挫けない相当の根気が必要とされます。本作も過去にプレイレポートを掲載していますので、詳細はそちらをご確認ください。