面白い新作ゲームが溢れ、頻繁にセールも行われる現代はゲーマーにとっては天国のような環境です。しかし、いくらたくさん買ったところで、時間は有限。1日はたったの24時間、1年はたったの365日しかないのです。
Game*Spark所属のフリーライターも、ずっと好きなゲームをしているというわけにはいきません。仕事のためにやらなければならないゲームがあったり、兼業ライターの方は本業が忙しくて遊ぶ暇がない……という場合もあるでしょう。
そこで本記事では、Game*Sparkライターが一度もプレイせず「積みゲー」にしてしまったタイトルをご紹介。年終わりの懺悔としてこの記事をお届けします。
『Unheard -罪の代弁-』ライター:各務都心
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犯罪現場に漂う「声」を基に推理するミステリーアドベンチャーです。
非常に意欲的で、めちゃ面白そうかつ評価も高いのですが、何せ筆者はラジオや音楽やVCをしながらゲームすることが多く、耳をジャックされるタイプのゲームはどうも後回しにしがちということにあとで気付きました……。
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』ライター:葛西祝
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へぇー、スクウェア・エニックスから完全新作ADVとは珍しいじゃん。評判いいじゃん。買っとこう買っとこう。でも『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が来たし仕事もちょっとあるしまた後で……。あれ? 今月『ストリートファイター6』が出るじゃん。ランク上げなきゃじゃん。秘術を巡るADVはまた後で……。
あれ?今月Bitsummitの取材?俺いつ秘術を探しに行けるの? ちょっと待て!『Starfield』がリリースされたからふらっと宇宙を見に行かなきゃ……。ちょ待てよ!宇宙を飛び回る間にTGSの取材仕事が来たじゃねえか!仕事でめいっぱいになったじゃねえか!
え?もう年末?嘘だろ?「Game*Sparkで積みゲーを振り返る企画をやりますよ」だと?そんな馬鹿な、1年が早すぎるだろ?『パラノマサイト』、触りもしない俺を恨んでいるのか?時を飛ばす秘術を俺にかけたのか?「人間は中年になると心拍数が低下するに伴い時間感覚も若い時より早く感じる」という理屈でお前は俺の心拍数を遅らせる秘術をかけ、1年を短く感じさせるようにしたのか?
わかったよ腹決めたよ。待たせたな!さあ始めるぞ『パラノマサイト』!……ん?年末は『バルダーズ・ゲート3』日本語版が発売……?……ごめんまた後で。
『ドラゴンクエストX 眠れる勇者と導きの盟友 オフライン』ライター:ずんこ。
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オンライン版『DQ10』はPC版の開始直後に多少遊んだ程度で、オフライン版が出ると聞き改めてSteam版を購入しました。
Ver1.0にあたる『目覚めし五つの種族』をクリアした後、Ver2.0のDLC『眠れる勇者と導きの盟友』が出るまでしばらく寝かせておき、DLCの配信と同時に復帰したのですが……新大陸の敵が固い!最初に戦うボスすらVer1.0のラスボスの数倍のHPがあり、こりゃたまらん……とレベル解放のクエストを探して挑むものの、そのクエストの敵も超強い。
そうやって固い敵に苦しんでいる間に周りを見渡せば様々な新作ゲームがリリースされており、それらをつまみ食いしているうちにいつしか積みゲーになっておりました。
『くれりっくさんはすぐゴブリンにさらわれる』編集部:根岸智幸
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Meta Quest 3を買って以来、毎日毎日、VRゲームやアプリ関連の面白いネタがないか漁っています。そんなある日、ふと気がついたのは、スタンドアローン型のMeta Questではなく、Meta社によってディスコンにされたOculus独自のPC接続型VRであるOculus Riftシリーズ用のストアがまだ生きているんですね。しかもRift系しかないアプリがある上に、いまだに新作の発売もあるみたい。
2020年にOculus Rift SとOculus Questが発売されたのですが、Questの方にあとからRift Sと同等のPCVR機能が追加され、その後Oculus Rift Sがディスコンになって、Rift Sユーザーは完全に梯子を外された形かと思いましたが、ちゃんと今でも現役で使えるようになっているんですね。Meta社、意外と人間的なとこあったんですね。
で、そのOculus Rift用ストアに日本人が作った新作インディーズゲームがあって、それが『くれりっくさんはすぐゴブリンにさらわれる』です。くれりっくさんは可愛いけど、けっこう血しぶき系RPGみたいです。
面白いのは自分のアバターをVRMフォーマットでアップロードしてゲーム内で使えること。「VRoid Stuio」というピクシブが無料配布しているVRM対応アバター作成アプリがあるので、アバターを自作することもできます。
作者は、Meta Quest 3用の3Dフィギュアを自分の机に置けるMRアプリ『Deskucchi』の作者でもあるカフェマスさん。「へー」とちょっと応援したくなったけど、さすがにOulus Rift用アプリを今から買うのはなーなんて思いましたが、SteamVR版もあったのでそっちで買いました。
でも、今はMeta Quest 3用のやんなきゃいけない話題のVRゲームやアプリが次々と登場するので、なかなか手が付かず、積みゲー状態です。正月にやるかなー(血みどろ系苦手だけど)。
『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』ライター:みお
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トレイラーを観たときは、JRPGはあまり得意ではないし、シリーズも一切プレイしたことがないから、自分には関係のないゲームだと思っていた。
……しかし、なぜだろう。いつの間にか、自分のライブラリに入っている。覚えているのは、外部Steamキー販売サイト(正規)でちょっと割引がされていて、「へー安いじゃん!」と思ったことだけ。
ライブラリに入っちゃったなら仕方ない!と、シリーズについて調べてみると、アクション性のある戦闘や、ファンタジーとSFが融合した世界設定、ドット絵と3Dの背景が融合したグラフィックスタイルや派手なエフェクトなど、本作やシリーズが持つ魅力にどんどん惹かれていき、1作目のリメイク版『STAR OCEAN -First Departure R-』まで買ってしまう始末……。
ということで、来年は本作を含めた『スターオーシャン』シリーズにチャレンジします。
いろんな積みゲー(物理) 編集部:カミヤマ
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春から家族が増え、今年はほぼ子どものお世話に追われていたので積みゲーは少ない年になりました。 バタバタしながらも『ホグワーツ・レガシー』や『FF16』、『超探偵事件簿 レインコード』をクリアするなど、前半戦は快調なペースで進んでいたのです。
しかし、『アサシン クリード ミラージュ』が思いのほかイマイチだったのに、オープンワールドなのでちまちまとやり続けてしまいペースダウン。『バルダーズ・ゲート3』が出てしまったため、今年はこのまま終焉を迎えそうです。
来年も大作が揃っているのですが、とりあえず1月に攻略本を予約した『スーパーマリオRPG』と、サントラが欲しくて買った『Sea of Stars』には手をつけたいです。あ、『LOOP 8』はなぜか2本持っていました。わりとある。
『Tales of ARISE – Beyond the Dawn』ライター:K.K.
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本編は2周ほどして、「『スターオーシャン』に寄せてきたけどけっこう面白いな」という印象だったのを覚えています。 で、今回大型DLCが発売とのことで購入したものの見事に積んでいます。
だってさ、ほぼ1年ぶりの起動だと自分がどこまで進めていたかすら覚えていないんですもの。 「はてさて追加イベントはどこですかいのぉ?」と探しているうちに仕事が溜まって後回しに。…できたら遊ぶヨ!できたらね。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』 ライター:焦生肉
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前作ともどもやらねばなとニンテンドーカタログチケットを利用し購入したはいいものの、どうせなら初代ゼルダからやってみるかとスイッチオンライン特典で手を出したのが運の尽き。現在は『ふしぎの木の実』を攻略中です。
話の繋がりが大きくあるわけではないとは聞いてはいるのですが、難儀なコンプ癖が悪さをしている間は最新作に手を付けられなさそうです……。
『ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット』 ライター:kurokami
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日本語対応のニュースを聞き、言葉遊びやジョークといったユーモアの部分も注釈付きでしっかりと解説されているということで、魅力を感じて今年の頭に購入しましたが……どうにも腰が上がらず。
秋の夜長など、「まとまった時間が取れるタイミングでじっくりやりたいな…」と思っていたらいつの間にか年末になっていました。TRPGらしさのあるゲームシステムや、哲学的な文学作品として高い評価を受けていると聞いているので、来年こそ「まとまった時間が取れるタイミングで」…!
『逆転裁判123 成歩堂セレクション』 ライター:kamenoko
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2023年はこれまで触れてこなかったジャンルである推理/謎解き系のゲームを数多くプレイした年でした。その中で『逆転裁判』シリーズにも手を出さないわけにはいかないだろうと思い購入。しかしいざプレイするとなると3作セットというのはかなりの重圧に感じられます。
ゲームは1作品に集中して遊びたいタイプなのですが、かといって逆転裁判×3の日々に突入する踏ん切りもつかずついつい他のゲームを優先してしまっていました。そうこうしていると6月には『逆転裁判456 王泥喜セレクション』が発表され、今やその発売日も目前という始末。2024年こそ6作に増えた逆転裁判と対峙する年になる......はずです。
『428 ~封鎖された渋谷で~』ライター:SHINJI-coo-K(池田伸次)
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サウンドノベルファンなのでSteam版をプレイしようと意気込んでいたのですが、当環境ではフォアグラウンドからバックグラウンドに移って、もう一度フォアグラウンドに戻すとクラッシュするという状況に……。移り気にいろんなアプリを立ち上げている身としてはプレイ不可という判断になり長年積んでいます。
『Shadowrun: Hong Kong - Extended Edition』 ライター:SHINJI-coo-K(池田伸次)
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『Shadowrun Returns』も『Shadowrun: Dragonfall - Director's Cut』もクリアしたことだし次は『Shadowrun: Hong Kong - Extended Edition』だ!でもちょっと待って、ハードコアな英語読むのさすがに少々疲れたな……。じゃ軽く『Fallout 76』でファーミングするか!
~終了後~
いやー今日はたくさんレジェンダリ引き換えたな!よく眠ろう!
~翌日~
そういえば『Shadowrun: Hong Kong - Extended Edition』やろうと思ってたんだったっけ……。でも英語疲れがひどいよ……。ん、ちょっと待って有志日本語化あるじゃん!でもCRPG自体に疲れてるや!
~今に至る~
『サモンナイト2』 ライター:りおちゃんこ鍋
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おそらく無許可だとは思いますが、ある日、YouTubeのオススメに本作のOP動画が出てきたのがキッカケで購入。大きな目と丸みのあるデザインの女子が映えるアニメーション、笑顔の中に悲しみも垣間見えるような主題歌が完璧な形で組み合わさっていて、続編の『3』と主題歌CDもセット買いしました。
が、プレイ前にウィキペディアでネタバレ予習してしまい、ゲームシステムもちょっと複雑そうということで積み。基本的に、筆者は女性キャラクターの身の上話が好物なので、そこだけ聞ければ満足する傾向があります。
そういうゴシップ好きの詮索癖のせいで彼女に嫌われて別れたりもしましたが、人間味のあるキャラクター作りなど自分の創作活動に繋がっている部分もあるので、これからも精神的パパラッチは決してやめません。ちなみに、筆者はトリス派です。
Epic Gamesストアで無料配布されたゲーム全部 ライター:葛西祝
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人間は無料で手に入れたものを本当に愛せるのか?
今回の積みゲー企画でひとつ問題提起込みで挙げたいのが、Epic Gamesの戦略である傑作タイトルの無料配布施策です。この戦略がスタートしてから数年が経っていますが、少なくとも僕にとっては「無料で手に入れた瞬間が喜びのピークで、遊ぶまでに至っていない。ダウンロードさえしていない」というタイトルが信じられないくらい多いです。どうも、まわりのゲーマーを見ても案外同じような人が少なくないようです。
Epic Gamesストアの施策は一時はゲーマーにとっての夢のようなものだと思っていましたが、その実態は人間の積みゲーを増大させるディストピアではないかと思うことが増えました。本特集では、いろんなライターの皆さんが2023年に積んでしまったゲームについて語っていますけど、そこにはどこか「遊べていない後ろめたさ」も読み取れませんか?
ゲームを積む、というのはそれだけでゲーマーの無意識下に罪を生み出す行為です。そしてEpic Gamesストアの無料配布に手を出し、積みゲーを増やすということは、実はそんなゲーマー無意識化の罪を増幅していく自傷行為にほかならないような気がします。
積みゲーとはゲーマーの罪ゲーなのです。まあ、年末年始にダウンロードして全部遊べば罪を償えるわけですが……。『バルダーズ・ゲート3』を買ってしまったので……ごめん、また後で。
ゲームを仕事にしているとはいえども、好きなゲームを好きなだけ遊べるわけではないという現実が突きつけられました。「これ絶対遊ぶわ!」と思って買ったゲームも、いつの間にかデジタルライブラリの中でデジタル埃を被らせてしまうものです…。
Game*Sparkライターが「積みゲー化」しているタイトルの中に、「おい、これをやらんのはもったいないぞ!」というタイトルがありましたら、ぜひコメント欄で教えてください!