WW1舞台の野戦病院運営シム『War Hospital』―押し寄せる負傷兵を前に物資不足の中、最適な選択で友軍諸兵を1人でも多く救え!【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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WW1舞台の野戦病院運営シム『War Hospital』―押し寄せる負傷兵を前に物資不足の中、最適な選択で友軍諸兵を1人でも多く救え!【プレイレポ】

本日ご紹介するのはNaconとBrave Lamb Studio S.A.が手掛ける野戦病院運営シム『War Hospital』。WW1の野戦病院を舞台に奮闘する医師や看護師などの姿を描くゲームです。

連載・特集 プレイレポート
WW1舞台の野戦病院運営シム『War Hospital』―押し寄せる負傷兵を前に物資不足の中、最適な選択で友軍諸兵を1人でも多く救え!【プレイレポ】
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「戦争を終わらせるための戦争」―イギリスの作家で社会評論家でもあったH・G・ウェルズがこう評したWW1は、文字通り世界中を巻き込む大戦争となりました。

当時「欧州の火薬庫」と称されていたバルカン半島。そこで発生したセルビア人青年によるオーストリア大公フランツ・フェルディナントとその妻ゾフィーが暗殺されたいわゆる「サラエヴォ事件」は、帝政ドイツの対仏侵攻計画「シュリーフェン・プラン」の発動とこれに対抗しての関係各国の総動員発動という形で激化し、瞬く間に世界中へと戦火は拡大。

極東アジアの日本さえも日英同盟による要請を受け連合国として参戦、青島の戦いなどを経た後南洋諸島を委任統治領として獲得するなど、少なからずその影響を受けた戦争でした。

特に西部戦線ではドイツ側の開戦劈頭の勢いも補給などの諸問題から徐々に失速し、第一次マルヌ会戦での敗北以降「シュリーフェン・プラン」は完全に破綻、一進一退の塹壕戦へと移行します。

ヴェルダンの戦いやソンムの戦いといった大規模戦闘も戦局の決定打には至らぬまま長期化し、新しく投入された毒ガス・戦車・飛行機などの新兵器の数々もまた趨勢を決するほどのものではありませんでした。

いつ終わるともしれず、いつ死ぬかもわからぬ戦争。不潔な塹壕での感染症の蔓延や絶え間ない砲撃などの長期間にわたるストレスに晒され続けたことによる戦争神経症など、無数の人命がひたすらに失われ続け生き残った者もまた後遺症に苦しむ、地獄のような戦いがここでも行われていました。

こうした最前線で兵たちが命のやり取りをしている間、また別の形をした戦場が存在していました。多くの看護師と医師が昼夜を問わず働き、鉄風雷火の戦場の中を果敢にも担架で負傷兵を後送する衛生兵らの勇姿。そう、野戦病院です。

本日ご紹介する『War Hospital』は、そんなWW1の野戦病院でフランス戦線の多くの自軍兵士を助ける様相を描く野戦病院運営シムです。

平時であれば十分な物資に準備に計画、万全を期した上での手術も野戦病院ではそうもいきません。物資も食料も薬品も、さらには人的資源も足らないなかで1人でも多くの兵を救うのが使命となります。

前線からは戦力不足を理由にいち早い復帰を求められ、同時に兵らのケアも士気に関わる以上重要です。時短のために最低限の治療で済ますか、大事をとって念入りに治療するか。ただ選べるだけでもまだマシで、薬品不足や設備不足でそもそも選択の余地がないことも…。

それに医師や看護師も人間ですから24時間働き詰めとはいきません。彼彼女らの休息や本人の適性や希望に沿った配置など管理者としての手腕が問われることとなります。

1人でも多くの兵を生きて祖国へと帰すべく、野戦病院は今日もフル稼働。その行く末はひとえにプレイヤーに懸かっているのです!

『War Hospital』の実内容に迫る!

まずはオプション画面から。グラフィック設定にオーディオ設定、あと言語設定などですね。嬉しいことに本作は日本語対応ですから、思いっきり楽しむことができます。

ゲームを開始するとまずはムービーシーンから。本作の主人公であるイギリスの退役軍医ヘンリー・ウェルズ少佐が列車に揺られつつの独白となっています。

そうこうしている間に列車は目的地である野戦病院に到着。グリッシング医師長や医師長以上に言葉遣いの頼もしいシスター・ジャネット・オニール、工兵長プラヴィン・クマール中尉ら主要メンバーとの顔見せも終わらせるとさっそく仕事の開始です。

まずは各医師へ患者を割り当てます。
医師の休憩時間もここで決定します。

まずは負傷者救護所で負傷者を医師に割り当てます。最初は外科病棟だけですがそのうち心的外傷病棟と科学病棟の3種類へと拡張され、それぞれ異なる分野の医師が担当することとなります。時として手術中に突発的な事態により院長として選択を問われることもしばしばあるので、それぞれ表示されるメリットデメリットを考慮した上での選択が重要となります。

また、手の施しようがない重傷患者は治療を拒否し緩和処置だけに留めることも可能。この場合死亡した場合の士気への影響を抑える事ができるので、ある意味究極の選択肢として決断を問われることもあります。

手術が完了した患者はリハビリ施設へ移送され、一定のリハビリ期間ののち処遇が決定されます。治療の終えた兵を元の塹壕へと復帰させるか、本部へと配置転換させるか、任務を解除するかの3択。それぞれ自軍の戦力拡充とリソースの発注や施設の改善に必要な軍用手票、また士気向上との引き換えとなるので現状に応じた選択が大切です。

本作は塹壕の戦力不足によるドイツ軍の突破を許すかもしくは士気が0になるかすればゲームオーバーとなります。なので、この三択は画面に表示される指標を目安としつつ、バランスよく振り分けてください。

また、各施設の稼働には負傷者や死体の移動を担当する衛生隊や作業を補助する看護師、生産施設の稼働や施設の拡張などを行う工兵など人員の配置が不可欠です。

さらにこれらの人員は作業を行うたびに体力を消耗し、回復のための休息なども重要となってきます。安定した病院の運営には多めに人員を確保した上でローテーションを組んだり、またある程度人員に余裕が出てくればシフト制を導入するといった工夫も必要となってきます。

また、より効率的な運営のために施設の改善も重要です。ツリー状となっている各種改善は、倉庫の拡張や各施設への配置スロットの拡張、また手術の成功率や選択肢の増加といった様々な効果を発揮するので、必要な物資が揃い次第少しづつ進めていくと後々運営が楽になります。

特に人員不足と食料不足、また物資溢れの防止という点から各種上限解放と倉庫周り、また生産施設を中心としたツリー開放がおすすめです。

時折送られてくるVIP指定の患者の治療や各種イベントの報酬として獲得できる人員要請書、これは職員の採用に必要な貴重なものなので見つけ次第対象者の最優先での治療やイベント進行も重要です。

全体的に選択肢が多く、やや重めの取捨選択が求められることも多い本作。「あの戦場にはもう帰りたくない」と泣き叫ぶ兵の声を聞きつつ無言で元の塹壕へ送り返し、「もう一度戦場で敵に復讐を!」と息巻く兵の四肢を救命のために切断し戦闘不適格として本部に届ける、そして続々と負傷者が送られてくるなかでのトリアージと、何かと気が重くなる場面も存在します。

逆に徴兵時に周辺住民が安堵したとプロフィール欄に書かれるほどの男が3度めの入院に来たときは、ふと良からぬ考えが脳裏をよぎったりとなかなか楽しめる作品です。

11日のリリース当初には特定条件で操作不能となるバグなどが存在していましたが、13日のアップデートで修正されるなど開発の対応も迅速。その他バグも報告さえあれば直に修正されるものと思われます。

戦時下での慢性的な物資不足と様々な取捨選択に悩みつつ、とめどなく押し寄せる負傷兵の治療を繰り返す日々。平時の病院とはまた違った独特な雰囲気が魅力の1作ではないでしょうか?

スパくんのひとこと

野戦病院をテーマとした本作、なかなか重い選択が多くてちょっと疲れるスパ。でも粗めのグラもなかなか味があっていいと思うスパ。

  • タイトル:War Hospital

  • 対応機種:PC(Epic Games Store/GOG.com/Steam)/PS5/Xbox Series X|S

  • 記事におけるプレイ機種:PC

  • 発売日:2024年1月11日

  • 記事執筆時の著者プレイ時間:4時間

  • 価格:Steam版 3,400円(1月19日までリリース記念セールにつき3,060円)/Epic版 3,400円/PS5版 5,830円/Xbox Series X|S版 5,830円


PlayStation 5(CFI-2000A01)
¥66,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
PlayStation 5 デジタル・エディション (CFI-1200B01)
¥49,478
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《K.K.》

SFとオープンワールドとミリタリー系が主食です K.K.

1990年3月の京都府生まれ。ゲーム好きのパソコン好き。ついでに言えば動物も好き。心理学部卒ゆえに人の心がわかると豪語するも、他人の心にはわりと鈍感で、乙女心となるとからっきし。むしろ動物の気持ちのほうがよくわかるが、本人は「尻尾と耳がないからだ」と弁解中。 2022年から「ゲームスパーク」で執筆中。パソコン代の足しにと始めるも、賃金はほとんど課金ガチャに消えている模様。

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