カリプソ・メディアは、2024年2月8日に、新作アドベンチャー『ジ・インクイジター』を発売します。本稿では、発売に先立って行われたメディア向けプレビューイベントが開催されましたので、そこからわかった本作ならではのユニークな内容をお届けします。
キリストが十字架をぶち壊した世界線!?現実と異なるキリスト教の異端審問官になれ
本作は、ポーランドの開発スタジオ・The Dustが開発する異端者断罪アドベンチャーです。ポーランドの小説家であるヤチェク・ピエカラ氏の書籍「I, the Inquisitor」をベースにした世界でオリジナルの物語が描かれます。The Dustは小さなチームですが、ゲーム作りが好きで経験もある人が集まっているチームで、本作が最初に手掛けるタイトルとなります。
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時は1533年。架空の都市・ケーニヒシュタインに遣わされたキリスト教の審問官(インクイジター)である主人公、モーディマー・マダーディンは、この街にひそむ不信仰者やヴァンパイアを調査し、断罪します。
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本作におけるキリスト教は現実とは異なり、キリストが磔にされた十字架をぶっ壊して迫害した人に復讐した世界線です。いわば「慈悲はダサい」といわんばかりの暴力宗教となっており、モーディマーが歩く都市では歪んだ十字架がキリスト教を表すシンボルになっているなど現実とは異なる風景が広がります。街中には本作ならではの世界を感じさせるオブジェクトやイベントが多数用意されており、探索のしがいがありそうです。
戦闘も用意されており、裏通りで遭遇するチンピラや奇妙なボスまでさまざまな敵と剣で戦います。回避・ブロック・パリィがあり、しっかりこなさないと敵をなかなか倒せない歯ごたえのあるバランスになっています。ボスによってはかくれんぼが始まるなどの仕掛けもあり、本作ならではのユニークさがプレイヤーの心を掴みます。
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キャラクターも一癖も二癖もある者ばかりが集っており、今回のプレビューイベントでは、仮面に魅入られてしまった狂った殺人ピエロとのかくれんぼのような戦闘がお披露目されました。
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モーディマーは物語の中で、人間の罪を糧とする<非=世界(アンワールド)>というもうひとつの世界に飛び込みます。この世界は非常に危険な場所で、モーディマーだけが入ることができます。突然足場が現れたり、徘徊する小さな敵が存在します。
小さな敵は戦闘やステルスでの暗殺で対処できますが、見つかってしまうと空中の「穢れ」という巨大な敵に居場所を知らされてしまいます。モーディマーは穢れには対抗できず、逃げ隠れるしかありません。不気味な世界での戦闘や緊張感の高いステルスが楽しめる形となっています。
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残酷な世界というだけあって、人体欠損など残酷な表現も備わっている模様。気になる日本版の規制ですが、PS5版はCEROレーティングZ区分を取得しているため、人体の分離欠損表現や性的表現の一部変更や削除などが行われています。他プラットフォームはIARC 18+レーティングとなるため、海外版と同等の表現で楽しめます。
キリスト教というテーマを取り扱うにあたってのリスクや議論の可能性はもちろん考えていますが、バランスを取ることが重要だと考えているそう。そのため、テーマとしてifの宗教史を描くこと自体はあまり課題には感じていないといいます。
現実とは別の道を辿ったキリスト教の世界を描く『ジ・インクイジター』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに2月8日発売予定です。