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昨年、対戦格闘ゲーム界隈において記録的なブームを見せた『ストリートファイター6』。普段はシングルプレイのゲームがメインだけど、VTuberやプロゲーマーに魅せられて2D格ゲーの世界に足を踏み入れたというプレイヤーも多いのではないでしょうか?
そんな『スト6』から7ヶ月のあいだを置き、ついに発売された3D格ゲーの雄『鉄拳8』。ド派手なグラフィックに彩られたシリーズ30年目を祝う大ボリュームのコンテンツ群に、目眩を覚えますね。
しかしながら、2D格ゲーでさえ覚えるのが大変だったのに、3D格ゲーって何をどうしたらいいの? というプレイヤーも多いと思われます。そこで今回は『スト6』と『鉄拳8』を用いて、2D格ゲーと3D格ゲーを比較し、両者を遊ぶ上で意識したいポイントを整理していきたいと思います。
1.守るか、避けるか……間合いの取り方を考え直そう
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2Dと3Dの大きな違いとして「守るor避ける」というポイントがあります。『スト6』を例にとると、ガイルが遅いソニックブームを撃って、弾と一緒に近付いてくる動きがわかりやすいのですが、これをどう受けるかというのが重要になってきます。バックステップやジャンプ入れ替わりもありますが、そればかりやっていても勝てるわけではありません。
また、多くの2D格ゲーは、ガード中に特定のゲージを吐いて強いガードができることも多く、いかに受けるかという考え方がシステムにも現れているのがわかります。
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対して『鉄拳8』ですが、こちらもゼロ距離から出の速い技を打たれたら避けようがありませんが、LKLKといった上段2連続キックは2発目をしゃがんだり、相手の直線的な攻撃を読んで左右に避けたりと、守りよりも避けを意識したほうが効果的な場面が多いです。
『鉄拳』シリーズでは、相手のスカりに合わせて反撃することを「スカ確」と呼び、これは横移動やしゃがみ/ジャンプステータスといったものがない『ストリートファイター』ではあまり見ない概念です(強いて言えば差し返しが近いかも)。
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『スト6』は便利な必殺技を押し付け合って守ったり守らせたりする異能力バトルなのに対し、『鉄拳8』はパンチやキックひとつを紙一重で避けていくリアルな殴り合いって感じスパね!
2.中下段の概念を頭に叩き込め しゃがみと立ちを意識して変えていくガードスタイル
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同じくガードの話ですが、多くの2D格ゲーは常時しゃがみガードを覚えるのが最初の一歩です。多くの上下技のフレームが一瞬なので、入れっぱなしにしておかないといけません。その代わり中段技が数少なく出も遅いので、見てから立ちガードに切り替えようというのが理想です。
しかし『鉄拳』シリーズは逆で、上段技だけが速く、中段技は受けると大ダメージを貰ってしまうので、普段は立ちガードをし続けることになります。
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代わりに、下段技は出が遅いので、要所要所で相手の下段技を読み、その時だけしゃがむことになります。また『鉄拳』シリーズは立ちガードは何も入力していないニュートラル状態でも発生しますし、しゃがみガードも下キーを入れるだけで大丈夫です。このあたりも2D勢からすると不思議なものですが、まずはこの常識を頭に叩き込んでしまいましょう。
『鉄拳8』は相手の下段を読んでビタでしゃがみ、反撃で空中コンボを入れるものと心がけるスパ!
3.起き攻めの複雑な攻防を理解しよう
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コンボを完走してダウンを取ったら、有利を継続するために起き攻めへ……あらゆる格ゲーがそうですね。『スト6』ではダウンした時に攻撃は当たりませんし、起き上がりのタイミングも厳密に決まっています。ストリートファイターを名乗ってる割に意外と紳士です。
よって、相手が起き上がってくるタイミングで綺麗に攻撃を重ねるのが重要なテクになります。それに対し、防御側は昇龍拳やSAや小パン暴れなどといった切り返しの手段があり、それらがジャンケンになっているわけです。
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『鉄拳』のほうがよっぽど街の喧嘩っぽく、寝てたら踏み潰されるので、自分のタイミングで起きねばなりません。自分を見下ろす相手プレイヤーの追撃に対して、横転するか? その場で起き上がって蹴り返すか? 跳ね起きて押し返すか? などの手段があります。昇龍拳のように無敵が付いてる行動はなく、3Dならではの奥行きを利用した起き上がりをしなければならないのです。
起き上がり直後の行動が大事な『ストリートファイター』と、起き上がり方自体に選択肢がある『鉄拳』とでは、ずいぶん考えることや覚えることが違います。地味ですが、早い内に練習しておきましょう。
ここは敢えて前転して距離を詰めて……あ、また浮かされたスパ……
4.ゲージ管理を考える2D格ゲーと、純粋な読み合いに集中する3D格ゲー
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割とシンプルな作りの『スト6』でさえ、体力以外にドライブゲージとSAゲージの2種類のリソースが存在します。これに加えて、たとえばジェイミーは薬湯でマノンはメダルと、確認せねばならない情報がいくつもあるわけです。
それに比べて『鉄拳8』は1ラウンド中に1度だけ使えるヒートシステムがあるだけで、あとは体力しか存在しない非常にストイックな世界です。ラウンドをまたぐ概念は一切なく、ゲージを温存するなどといったことは考えなくていいのです(その分、1ラウンドの制限時間が60秒と短いので、そこを意識することは多いのですが)。
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前者は、ゲーム全体を通して有利や勝負所を作っていくマクロな戦略が求められますが、後者はその瞬間に何があってもパンチを叩き込めばいいというミクロな戦術が求められる……そう考えてもよいでしょう。
最終ラウンドにアドバンテージの有無がある方が好き? それとも、1stラウンドも最終ラウンドも同じ方がいい? 君はどっちスパ?!
ざっくりではありますが『スト6』と『鉄拳』を基に、ふたつの種類の格ゲーについて考えてみました。『スト6』で無双した人も、『鉄拳8』から格ゲーに入る人も、皆で楽しく試合が出来れば嬉しいなと思っております。それでは! ドリャァ!