アイテムを生成する装置を動かす装置を動かす装置を効率化する装置を動かす装置を効率化する装置を……と無限に「装置」を作って自動で動かしていく“工場自動化ゲーム”は、ヘビーなゲームユーザーにはかなり人気の高いゲームジャンルのひとつです。
しかし、どこか画面やUIが複雑な印象があり「ちょっと難しそう」というイメージがある人も少なくないのではないでしょうか。そんな方にオススメしたい作品がSteamでリリースされたばかりの『Sixty Four』。このジャンルの魅力がシンプルかつ癒やされながら楽しめる、入りやすい作品となっています。
シンプルでわかりやすい工場自動化シム!
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本作は、クリッカーと工場自動化ゲームを融合させたゲームで、掘削マシンをベースに発展させていくという内容です。基本的には掘削マシンを中心としてラインを築いていくため、わかりやすくシンプルな作りに仕上がっています。
A01と書かれた最初のマシンは、クリックで長押しすることによって黒いキューブが掘削されます。このキューブを何度もクリックすることで破壊し、カロナイトという鉱石を入手します。序盤はこれをひたすら繰り返す内容で、多くのクリックが求められてかなり苦労します。
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ここで大事なのは、施設を拡張してこの作業をラクにしていくこと。掘削したカロナイトは新たなマシンと引き換えることができ、掘削の補助に活用できます。例えば少ないクリック数で破壊できるようになったり、掘削のスピードを上昇させたりと、徐々にクリックが楽になっていきます。
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掘っていくと新たな鉱石や施設が作成できるようになります。ある程度進めた段階でついに「自動化」要素のついたマシンが多数登場し、掘削や破壊を自動でこなしてくれるようになります。マシンの動作には燃料が必要になりますが、アップグレードするごとに補充頻度も減っていきます。
序盤に大変なクリックをこなしたからこそ、自動化システムが築き上げられ、どんどん効率よく鉱石を収集できるようになっていくゲームプレイは、なんとも言えない気持ちよさ。このジャンルならではの快感をシンプルかつ手軽に味わうことができます。
もはや音楽!?ブロックを壊す音が気持ちよすぎる
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そうした自動化の面白さを味わうこともできるのですが、本作の大きな魅力はビジュアルとサウンドにあります。
ビジュアルは斜め見下ろし視点(アイソメトリックビュー)になっていて、ミニチュアのような可愛らしさがあり、キューブの種類が増えるごとにカラフルになっていきます。マシンやブロックの多くは無機物感に溢れていますが、ブロックを破壊する時に全体が不安定に振動する様子は少し不気味さもあります。
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ストアページの画像には結晶や液体のようなものも見られるため、どんどん鉱石やマシンの種類が増えていきそうです。
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可愛いけど、見ているとちょっと不安になる……そんな雰囲気をまとった本作ですが、謎めいたストーリーも画面左下のチャットのような欄を用いて展開されます。本作の自動化世界に対する説明は開始時点では一切行われませんが、それは主人公も同じであるようです。
しかしながら、プレイヤーと同じようにブロックの破壊と自動化作業にどんどんのめり込んでいきます。チャットの相手には「酔ってるのか?」と心配されながらも、不思議なこの世界にのめり込んでいくのです。
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このジャンルとしては珍しく、ストーリーには何か秘密がありそう。チャットをしている相手は誰なのか、主人公はどこにいるのかなどなど、気になる謎が提示されるため、自動化を進めて次のストーリーを読み進めたくなるようになっています。
そして、サウンドはまるでASMR動画のような気持ちよさがあります。こればかりは文章で伝えづらいので、まずは映像をご覧ください。
重く低いくぐもった掘削音に、ブロックを破壊する時のカチカチという音、鉱石を回収したときのコロコロとした音……。自動でブロックを破壊するマシンを作れば勝手に音が鳴るので、まるで即興音楽のようにリズムができあがっていきます。マシンの燃料が切れた後補充すればまた先ほどとは違ったリズムが奏でられるのです。
本作で鳴るすべてのサウンドが耳に心地よく、このサウンドだけでもずーっと聴いていたくなります。YouTubeなどでついついASMR動画を探してしまう……というような、気持ち良い音に目(耳?)がない人はぜひともプレイしてみていただきたい一作です。
『Sixty Four』は、PC(Steam)向けに配信中。3月12日までは10%オフの630円で購入できます。
¥75,062
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)