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ハードコアゲーマーのたしなみとして「短歌」が根付いて久しい昨今、とうとうGame*Sparkも新たに詩歌の世界へ挑みます。
新コーナー「Game*Spark短歌」では相方のスパ公と共に、日本文化とビデオゲームの橋渡しをするという大義を果たすため、毎週日曜日に“本格派教養コンテンツ”として連載していきます。
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今週は、Game*Spark編集部の周辺を徘徊していたゲーミング歌人が社内の自販機の下を漁っていたところをお声がけ。キャッシュレス化の流れで小銭が落ちていないと世を嘆く歌人に、まず一首披露していただきました。
うさぎ追い 庭につどう日 恋いこがれ
花はうつれど 桜あいして
こちらは4月19日、事前予告なしに行われたSteam版『バニーガーデン』リリースに絡め詠まれた一句ですね。本作は2009年に発売され人気を博した恋愛シミュレーション『ドリームクラブ』ファンにも期待を寄せられているとあって、郷愁を感じさせてくれます。ゲーミング歌人も昔は『ドリームクラブ』に通い詰めていた様子で、懐かしそうに当時を振り返っていたのが印象的です。
春にあわせて桜を用いたこと、ヒロインたちと相対する感情と愛情を「桜あいして」とかけている点がポイントとのこと。もちろん『バニーガーデン』と『ドリームクラブ』は別作品ではあるため、桜という、散りゆくもまた新しい花を咲かせる存在に想いを委ねたのも「なゐすぱ」な点でしょう。
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「なゐすぱ」が出たところで、ゲーミング歌人がもうひとつ今週話題のゲームトピックを詠んでいきます。
まちこいし 核戦争で ファン揺るる
久しあの日の Vault-boy
待ち焦がれたドラマ版「フォールアウト」公開への期待、そして「『Fallout』ゲーム版と矛盾している」といったファンコミュニティの騒動を表した一首とのこと。ファン心理としてはドラマなどの別コンテンツには厳しい視点を向けてしまいがちで、やはり整合性などが気になって仕方ないものです。
また、にわかに吹き始めた『Fallout』再プレイの流れにも関心があるようで、今週はテーマに『Fallout』を選出された様子。
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歌人曰く、開発者サイドには心労になろうが、議論を起こせるのは熱心なゲームファンしかいない。もちろん行き過ぎた揶揄や悪評を広げる「集団心理」には注意すべきだが、理知に富んだ議論はある意味でハードコアゲーマーの本領発揮であり、ゲームや他のエンターテインメント業界にも良い影響を与えるはず……「火事と喧嘩は江戸の花」と似たゲーマー精神だと述べられました。
Game*Spark編集部が道で拾ってきたゲーミング歌人が、この一週間で話題になったトピックで一首詠む“短歌企画”は連載企画ですので、普通に来週も開催されちゃいます。
公開するもしないも歌人次第ではありますが、読者の皆様もぜひコメント欄にて今週のゲームトピックに関する思いのたけ、叫び、ラウドなパッションを短歌としてしたため、ぶつけてみてください。