2024年4月25日、Digital Eclipseは現在PC(Steam)にて早期アクセス中のリメイク版『ウィザードリィ:狂王の試練場』を正式版としてPS5・PS4/Xbox Series X|S・Xbox One/スイッチの各コンソールにも2024年5月23日に配信することを明らかにしました。
現行機種で蘇る伝説のDRPG
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オリジナル版『ウィザードリィ:狂王の試練場』は1981年にSir-TechよりApple II向けに発売され、『アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ(AD&D)』や教育用コンピューターネットワーク「PLATO」で稼働していたさまざまなオンライン迷宮探索RPGを元に制作されました。魔術師ワードナに奪われた魔除けの奪還を目指して、狂王トレボーの命で全10階層の地下迷宮を探索する冒険に当時のApple IIユーザーは夢中になり、その評判が日本にも届いて堀井雄二氏、鳥嶋和彦氏、坂口博信氏といった「JRPG」の生みの親たちも同作にのめり込んだことを明かしています。
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『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』で日本にコンピューターRPGが根付いた1987年にはファミコンにも移植されました。ファミコン版は当時としては美麗なグラフィックと音楽、そして快適な操作性を実現し、さらに「ファミコン必勝本」での熱烈的なバックアップによってヒット作となりました。「ファミコン必勝本」ではベニー松山氏によるノベライズ作品も掲載され、ゲームの小説化の先駆としてこちらも有名です。
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そして発売から42年を経た2023年、PC(Steam)でリメイク版が早期アクセスが開始されました。このリメイク版は「Apple II版をベースにしつつ、グラフィックや演出を現代にふさわしいものにする」ということがコンセプトで、配信当初は工事中の部分や一部不具合が目立ったものの、現在では複数のアップデートにより多種多様なオプション機能(ファミコン版のマップを再現するオプションなど)が搭載され、不具合も修正されています。
ベニー松山氏の対談記事で、リメイク版『ウィザードリィ:狂王の試練場』に氏の書いたモンスター解説が搭載されることが明かされましたが、それに続いて、同リメイクのコンソール向け配信がアナウンスされました。ベニー松山氏のモンスター解説は日本語で書かれているので、現在は英語のみ対応のPC(Steam)版にも、同日に正式版として日本語が実装されます。かつて地下迷宮の探索に夢中になった冒険者、またはさまざまなJRPGに影響を与えた原点に触れてみたいという新たな冒険者は、5月23日の配信を楽しみに待ちましょう。
リメイク版『ウィザードリィ:狂王の試練場』のPC(Steam)版は、現在早期アクセス中です。なお、Steamストアページでは早期アクセス終了後の値上げについて触れられていますが、具体的な値上げ額は明らかとされていません。
※UPDATE(2024/04/25 10:11): 公式プレスリリースの配信に伴い、記事画像の差し替えおよび配信プラットフォームの追記を行いました。