5月23日にPS5/PS4/ニンテンドースイッチ向けアクションシューティング『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS(デジボク地球防衛軍2)』が発売予定です。本作は『ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS(デジボク地球防衛軍)』の続編で、『地球防衛軍』の世界観をボクセルで表現した派生作となります。
本記事ではそんな『デジボク地球防衛軍2』のPS5版を先行プレイ! 新たに『地球防衛軍6』の要素が加わっただけでなく、様々な面で前作から進化を遂げた『デジボク地球防衛軍2』のレポをお届けしていきます。
◆『デジボク地球防衛軍2』はメタネタ満載! ポップで濃ゆい仲間たちと“四角い地球”を取り戻せ!
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ゲームを開始すると、OPでは『デジボク地球防衛軍』から『デジボク地球防衛軍2』に至る流れが説明されます。前回ではダークレジオンが宇宙から襲来しましたが、今度は地球の内側から「ガイアーク」が現れたようで……さっそく“四角い地球”が再びバラバラにされたところから、物語が始まります。普通なら地球がばらばらにされた時点でもう人類の負けですが、ボクセル世界のEDFではここからが反撃の時!
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主人公はあくまでEDFのコマンダーとしてチーム編成を行うプレイヤーですが、物語の中心人物となるのは新入隊員「ミナトススム」。彼が入隊した当日に地球はバラバラにされ、EDF内部にもギサンダーが襲来します。新人隊員が戦場で活躍するのはヒーロー物の鉄板ですね! ちなみにミナトススムは「レンジャー6」というユニット名。正式名称は「レンジャー(EDF6)α」で、『地球防衛軍6』のレンジャーということ。つまり『地球防衛軍』シリーズとして見ても新人枠なわけですね。(元シリーズの6のレンジャーは5のレンジャーと同じではありますが)
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この流れでチュートリアルが開始されるのですが、操作感は『地球防衛軍』シリーズを丁寧になぞっていますので迷うことはありません。シューティングとしての感触はもちろん、ギサンダーの挙動や倒した際のふっとび具合などは過去に一度でも『地球防衛軍』シリーズに触れたことがある方なら「これだよこれ!」と思わせてくれるものとなっています。
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『地球防衛軍』シリーズと比べるなら、“巨大エネミーの圧迫感”が少なくなっているのが特徴です。これが良い意味でボクセルらしく遊びやすい!『デジボク地球防衛軍』続編ならではの“ポップな王道少年漫画”風味なストーリーが展開されていくのも魅力のひとつです。
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ベースとなる“世界を救う戦い”は非常にとっつきやすく、本作でシリーズを始めた人間でもすぐ没入することができるでしょう。そしてそれを彩るのはツッコみたくなるほどのユーモア! 序盤で出会う「アネサン」などがこってこての関西弁だったり、世界各地から集まって仲間になる「ブラザー(味方)」たちも良い感じに「世界各地域の特色を反映したキャラ」で、“濃ゆいギャグ”が連発される世界に思わず笑ってしまいます。
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さて、『地球防衛軍』シリーズでは武器などを集めますが、『デジボク地球防衛軍2』では武器のかわりに「ブラザー」という仲間を集めていくことになります。この時に武器も手に入るわけですが、基本的に本作は個性豊かなキャラをコレクション・強化していくゲームでしょう。
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バトルでは計4人のチームを組み、リアルタイムでプレイアブルキャラを切り替えてマップを攻略していきます。各ブラザーには「ムーブアビリティ」「サポートアビリティ」「スペシャル」が用意され、編成を変えて行くことができます。
一番初めに仲間になったのは「ペイルウィング(EDF2)α」……世代にもよりますが、『地球防衛軍』を象徴するキャラ。もちろん飛行で素早く移動できるのが特徴です!
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『THE 地球防衛軍2』からEDFを支えてきたとあって、キャラクター説明には「定期的に侵略されるから、ぜんぜん引退できないじゃない!」とメタなことを言っています。スペシャル(必殺技)は「レイピア突撃」で、レイピアを撃ちながら前進してくれます。これの説明文でも「発売から20余年…ついに編み出したレイピア殺法、見せてあげる!」とのこと……!
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そしてステージを進めていくと、なんと「謎の巨人兵」が登場! さっきまで「ギサンダーが小さく見える!」とか調子に乗っていた筆者の目の前に、ギサンダーをはるかに超えるサイズ感の“陸戦兵”が登場しました。どうやら、彼らはストーリーのキーにもなりそうな謎の存在のようです。
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チュートリアルで巨人兵から逃げ、寡兵で地上に出ると、シリーズファンには見知った印象を受ける地上が広がっていました。ギサンダーと戦っていると、ステージ1にも関わらず『地球防衛軍5』『地球防衛軍6』で登場した「コロニスト」も襲来してきます!
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「頭がひとつ 目がふたつ 手足はふたつずつ 二足歩行で 完全に人間と同じです!」と言われるカエルの巨人……『地球防衛軍5』をやっていないとなんのことだかわからないセリフですね。さっきまで陸戦兵の巨人に戸惑っていた面々も、コロニストが“人間そっくり”なため心に余裕がありそうです。(元ゲームではグレイタイプの敵「コスモノーツ」は人間に見えないという矛盾した発言がありましたが)
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本作ではステージに2名の「ブラザー」が散っていて、彼らを集めて戦術の幅を広げていくことが攻略のカギになります。そしてこのブラザーたちが個性に富んでいて、笑いを通り越して面食らうこともしばしば! 初めに仲間になったのは「フランクフルトシスター」と、ドイツ感がこってこてに溢れるキャラクターです。
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ドイツ感は名前だけにとどまらず、彼女の必殺技は「時計仕掛けのソーセージ」というもの。戦場でおもむろにソーセージを焼き始め、その匂いに釣られてやってきた敵をまとめて爆破するという……要するにデコイ型の爆弾なわけですね! 彼女にとどまらず、仲間になるキャラは軒並み癖が強いので、こういった“濃さ”が好きな人にはたまりませんね。
◆随所に「飽きさせない仕掛け」があり、ファンのみならず新規にもオススメできる一作
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さて、黙々とプレイしていくと『地球防衛軍』お馴染みの押し寄せる大軍を処理していく楽しさに加え、様々な面で飽きが生まれないよう意識されていることにも気づいていきます。まずは2003年から続く『地球防衛軍』に蓄積された敵を相当数実装しているところも注目ポイントです。すこしゲームを進めるだけでも、次々と“新しい敵”が現れ、初見の人間にとっては新しく……ファンにとっては懐かしい侵略者が目白押しです。
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ゲームシステムでいうと前述のブラザーの個性が挙げられます。このブラザーも相当数存在しているため、「新しいキャラを手に入れても、今の編成が崩れるからすぐには使いたくない」と思ってしまうほど。もちろん編成によって「どういう戦い方になるか」が変わっていくため、深みのあるゲームプレイが味わえます。
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筆者が気に入ったのは「テンペストAAA」という、上空から巨大ミサイルを誘導しての大爆発を起こす「オーロラシスター」のスペシャル技です。ミサイルの到着まで時間はかかりますが、敵にビーコンを貼り付ければその敵を狙う形で大爆発を起こせます。敵を誘導して密集さないといけないため、他の仲間で耐久を上げる必要がありますね。ちなみに間違えて味方NPCにビーコンをつけると大誘爆。フレンドリーファイアありなので(難易度により調整できますが)、このミスでかなりの窮地に陥りました。
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また、キャラクターとしては「ヨーデルシスター」も筆者のお気に入り。戦闘中に「ヨ~デル♪」と歌いまくるのがツボにはまってきます。
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もちろん“ボクセル”なキャラ頼りではなく、各ビークルに乗ることも可能です。戦車が設置してあるマップでは、初登場時には、「EDFの戦車が路駐されているので自由に使っていいんじゃないか?」 とのことで自由に使う事ができました。
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ゆるい見た目に反してしっかりと描かれるストーリーも要素の魅力のひとつ。ムービーのないステージでも、ひとつひとつのステージが“ただ消化させるため”に存在しているわけではなく、戦闘中にも結構なボリュームで「ストーリーに沿った掛け合い」をしてくれます。
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このギャグ多めな掛け合いは『地球防衛軍』を知らないプレイヤーでも楽しめますが、知っているとさらに楽しめることでしょう。ブラザーには「レンジャー(EDF4)」なども確認できたので、自分が思い入れの深い『地球防衛軍』キャラで遊ぶこともできるはずです。ちなみに「レンジャー4」はスキルとしてEDFのロゴを飛ばし攻撃します。 “ボクセル”すぎる……!
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このように“飽きない仕掛け”満載でゲームとして十二分に面白いのですが、もうひとつ特筆しておきたいのが『デジボク地球防衛軍2』のグラフィックです。多くの敵味方が戦闘する中でボクセルで構築された広大なマップがしっかりと描かれているのです。筆者はPS5でプレイしたのですが、もちろん処理落ちなどは無く……しっかりと「現在のゲームスペック相当のビジュアル」で“デジボクの世界”が描かれていましたね。
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インセクトヒル戦ではボクセルでありながら蟻塚らしい質感を再現した巨大なインセクトヒルを遠めに観ながらの戦闘が行われ、地下に潜るとそれ相応の“地面の下の美しさ”が現れます。
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全体的なプレイフィールとしては、『デジボク地球防衛軍2』は誰しもがプレイしやすくなった『地球防衛軍』という印象を受けます。これはバランスが取れたゲームシステムのみを言っているというわけではなく「とっつきやすいポップさ」からも感じられます。『デジボク地球防衛軍2』からシリーズに入るのは大いにありだと思います。
もちろんファンにも勧められる一作で、まだ序盤を触っているという段階での感想ですがやり込み要素も存在しています。キャラ強化に武器の変更、チームバランスの考慮など……がっつり遊びたいユーザーも満足できそうです。エネミーだけにとどまらず、随所で挟まれる『地球防衛軍』ネタもファンを飽きさせません。
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ド派手で少年漫画的なEDFに入隊して「四角い地球を守りたい!」と感じた方は、ぜひチェックしてみてはどうでしょうか。
『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS』はPS5/PS4/ニンテンドースイッチ向けに2024年5月23日発売予定です。