アルティは、仮想世界体験シミュレーション『ワールド・ネバーランド2~プルト共和国物語~EXPERIENCE OF FICTION LIFE』をPC(Steam)向けに2024年5月16日リリースしました。
本作は、1999年にプレイステーション向けに発売された『ワールド・ネバーランド』シリーズの第2作(発売元:リバーヒルソフト)。プレイヤーは、架空のファンタジー世界の住人となり、仕事や鍛錬、恋愛など、自分の好きなように日々の生活を送っていきます。
これまでプレイステーションからプレイステーション・ポータブル、スマートフォンなど多くのプラットフォームでリリースされてきた『ワールド・ネバーランド』シリーズ。PCでもパッケージ版やDMM.com向けのダウンロードなどが展開していましたが、Steamでの展開は初となります。
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本稿では、ついにSteamに登場した『ワールド・ネバーランド2~プルト共和国物語~EXPERIENCE OF FICTION LIFE』の先行プレイレポートをお届け。Game*Sparkでは、今回のSteam移植について開発インタビューを実施しているので、こちらもあわせてご覧ください。
なお、本プレイレポ記事中ではほかにも本作Steam版で追加の外部ツールなしにコントローラーを使う方法など、同作をより快適に遊ぶ方法も紹介しています。
あまりにも自由な新生活が始まる
本作の物語は、プレイヤーが舞台となる「プルト共和国」へと移住してくるシーンから始まります。最初に出身地や名前、性格などを決めたほか、プレイヤーが所属することになる武術組織【ショルグ】と仕事組織【ウルグ】を選択、キャラクター作成後に自分の住居が紹介されますが、そこからはプレイヤーの自由な生活がスタートします。
大切なルールとして、このゲームには固有のストーリーや達成すべき目標といったものはありません。それどころかゲームスタート時点から港に放置されてしまいます。初プレイの人は落ち着いてゲームメニューから「生活ガイド」を見るか、Steamストアの右下にある公式マニュアルを読んでおきましょう。
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プルトでの生活は新年から始まります。港から町中に出てみると、そこら中でNPCたちが行動している光景を見ることでしょう。このゲームのNPCたちはイベントに参加したり、買い物したり、デートしていたりと、それぞれが自分の意思で自分なりの生活をしています。
新参者であるプレイヤーは、プルト共和国に1人の知り合いもいないため、まず大切なのは友達作りです。住人たちに話しかけることで知人となり、その中で関係も変化していきます。「おーい!」コマンドで画面内にいる人物の足を止めることができるので、最初はどんどん話しかけていきましょう。生活のアドバイスをもらえることもありますよ。
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そうしている内に時間はあっという間に過ぎ、夜になれば住民たちも帰宅していきます。慣れないうちは町をさまよっているだけで、わけもわからない内に1日が終わっていくでしょう。こうしてあまりにも自由な新生活がスタートしていきます。
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決められた生き方は必要ない
プルト共和国の住民には「仕事」と「試合」という2つの大きな役割があります。これは最初に決定した組織に関わるもの。「仕事」は各ウルグの決められた仕事場で働くことでポイントを稼ぎ、そのランクによって年末に給料をもらえます。また、直接的な稼ぎになるアルバイトも用意されています。
また、ゲーム内で各キャラクターはスピード・スタミナ・スピリットという3つのステータスを持ち、ゲーム内の訓練施設などで鍛えることが可能です。一定以上の能力を持つことで各ショルグのリーグ戦に参加できるようになるほか、さらに力をつければ共和国内で開催される6つの武術大会に参加できるようになります。
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各ウルグとショルグのランク上位になることで、それぞれのトップに立つチャンスも生まれます。プルト共和国は評議会制で、毎年それぞれの組織のトップならびに特別な一族(例外アリ)と議長によって開催される会議へと参加できるようになります。
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仕事や鍛錬に励み、いずれ共和国の中枢を担う役割を目指すのも本作の生き方です。しかし、これはあくまでも可能性の一つにすぎません。なにしろ「仕事」と「試合」どちらもやらなくてもいいのです!『ワールド・ネバーランド』は怠惰でも怒られませんから!
異性に声をかけて手当たり次第にデートしても良し。鍛錬はするけど「試合」には不参加を決め込む孤高の武術家気取りでも良し。ひたすらお金を溜め込んで悦に浸るも良し。あくまでこのゲームは“仮想世界体験シミュレーション”であり、プレイヤーごとのロールプレイを楽しむ作品なのです。
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ちなみに、操作キャラが寿命を迎えるとゲームオーバーですが、結婚して子供を作ればプレイヤーキャラを継承する事もできます。一代記にするのか、一族記にするのか、それもプレイヤーの自由です。
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13歳上の嫁と同い年の子供ができました
筆者はプレイステーション時代から多くの「ワーネバ」シリーズで遊んでいますが、久しぶりにプルト共和国での生活をすることになりました。今回選んだのは釣りを生業とする【リムウルグ】と、格闘主体の【ジマショルグ】です。これたぶん昔やったときも同じだな、とふと思いました。
今プレイではとにかく真面目に生きてみようと昼は仕事、夜はひたすら鍛錬に励み、積極的に多くの人々と交流。そのおかげか初年度から魅力の高いキャラクターに贈られる「ミスタープルト」に選出され、気が付けば多くの知り合いもできました。
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本作は異性が積極的にアプローチをかけてくる事が多く、魅力に溢れた主人公へと多くのキャラクターからデートの誘いを受けます。最初は同い年のセーナと恋仲になり幸せの絶頂へ。しかし、何回目かのデートの際に「あなたといてもつまんない」と言われてしまいました。
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実際のところ、これは複数選択肢の一つなのでそこまで深刻な話ではないのですが、深く傷ついた主人公(と自分)。そんなときにデートに誘ってくれたのが現ショルグ長のひとり、13歳年上のジョディでした。傷ついた心に彼女の存在は大きく、その後もデートを重ねてついに結婚することになったのです。
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ところでジョディには前夫との娘タラータがいます。タラータは主人公と同い年なのですが、ジョディと婚約したことで彼女が血縁上は自分の子供に。タラータとはゲーム初期に挨拶したり、魅力投票で票をくれたり、デートしたりした関係なのですが、ある日突然「君のお母さんと結婚するんだけど」と言われた彼女はどういう思いだったのでしょうか(祝福はしてくれました)。
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主人公はジョディと仲睦まじく暮らしながら真面目に働き、3年目にしてついにショルグでDリーグに選出。仕事にも精を出してウルグ長を目指す日々を暮らしています。結構多くのプレイをしているのですが、同い年の子供ができるのは初経験だったので、なかなか楽しい共和国生活を送っています。
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Steamコントローラー設定で快適プレイ!
さて、Steam初移植となる『ワールド・ネバーランド2~プルト共和国物語~EXPERIENCE OF FICTION LIFE』ですが、発売済みのPC版準拠のためコントローラーには対応していません。元々はプレイステーションのゲームだったのでコントローラーで遊びたい!という人は多いと思います。
そこでオススメしたいのが、Steam入力機能です。これはゲームごとに、キーボードのキーの割り当てなどを含めかなり自由度の高いコントローラー設定ができるスグレモノで、本作でも基本操作の各キーを対応させることでコントローラーで遊ぶことができるようになります。筆者はニンテンドースイッチのプロコントローラーでプレイしてますが、かなり快適な操作が可能です。
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ワーネバはひたすら走り、ひたすら「おーい!」と叫んでキャラクターと会話し、ひたすら自分のやりたいことをやるゲームです。操作量自体は多くないので、デフォルトのキーボード操作でも問題ないのですが、せっかくSteamで遊べるならその機能を活かさない手はないですね!
また、画面解像度も2段階&フルスクリーンだけなので、Steamの『Borderless Gaming』などのソフトウェアを使うことで、自分の環境に合わせることも可能です。
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『ワールド・ネバーランド』シリーズは、ゲームスタート時から“やらなくてはならないこと”は存在しません。それは自由そのものであり、反面、自分なりに生き方を決めなくてはならないということでもあります。
慣れるまでは「何をしていいかわからない!」となるのですが、だんだん生活に慣れてくると自然と行事に参加するなど、国の一員になったなと実感できるようになります。特定の称号や立場になることで読める「図書」などの要素もあり、その内に色々なプレイを試してみたくなるでしょう。
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今回のプレイでは本当に意図していなかったのですが、スクリーンショットを見返すことで主人公とタラータの奇妙な関係が目立っていました。つれない挨拶から仲良くなり、やがてデートもした同い年の彼女は、今では自分の養子として生活しています。
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なるべくリラックスした環境で遊ぶのをオススメしたいゲームなのですが、今回の移植版はUIや操作面で不便に感じることがあります。しかし、説明した通りSteamではそれを補える機能やソフトも多く、遊びやすい環境を作り出すことも可能です。ついにSteamで遊べるようになった「ワーネバ」、今後のシリーズ移植にも期待しながら、ぜひとも楽しみましょう!
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