Sucker Punch Productionsが開発した『Ghost of Tsushima』は、PS4世代後期の作品としてもかなり人気の高い作品です。鎌倉時代の対馬における元寇という、ややマニアックなテーマを海外のスタジオが描くという点は発売当初より注目されましたが、批評家・ユーザーから強い支持を得ました。そしてPS4版の発売からおよそ4年経った2024年5月、ついにPC向けの移植が実現。PSコンソール向けにリリースされてきた作品の移植が相次ぐ中、本作もいよいよPC版デビューを果たしました。
本記事では、そんなPC版『Ghost of Tsushima Director's Cut』のインプレッションをお届け。今回はポータブルゲーミングPC「ROG Ally」でどのように動作するかもチェックします。なお、記事制作にあたってはソニー・インタラクティブエンタテインメントより提供された製品を使用しています。
144fpsで遊べるんだ……!
本作は、PS5で発売された『Ghost of Tsushima Director's Cut』をベースとした移植版です。ゲーム本編はもちろん、DC版に際して追加されたさまざまなアップデートに加え、壱岐島を舞台としたDLC「壹岐之譚」とマルチプレイモード「Legends/冥人奇譚」も収録されており、クロスプレイにも対応します。
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PC版に移植されることでの最大のメリットは、コンソール版より詳細にオプションを調整できるというものでしょう。グラフィックスやディスプレイの設定を細かく設定することができるため、PC環境に合わせたビジュアルで楽しめます。4K解像度やウルトラワイドディスプレイにも対応するため、環境を持っている方はより高画質で、よりダイナミックな体験も味わえます。
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高品質な設定にすれば、本作が描く美麗な日本の風景をより美しく楽しめます。改めて高い設定でプレイしてみると、本作が「魅せる画」を非常に強く意識していることに気付かされます。人物のリアルさなどはもちろん、楓の落ち葉の上で志村と稽古をするシーンやたくさんのすすきが揺れるエリアなど、ダイナミックで美しいシーンは目を奪われます。
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PCゲームの醍醐味は、60fpsを越えたハイフレームレートで楽しめること。コアなPCゲーマーには「もう144fpsじゃないと満足できねぇよ……!」という人も少なくないかと思いますが(筆者もそのひとりです)、本作もバッチリ対応しています。
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筆者にとって、本作の戦闘は難しく感じます。複数の敵に囲まれることも少なくありませんし、敵の攻撃も素早いため、回避やパリィがあまり得意でない筆者は通常難易度でも頻繁に死にながら冒険することになります。
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しかし、高fpsで遊べるPC版は、その悩みも解消してくれるかも。敵の動きや警告が見切りやすいため、対応したボタンを押すまでのラグを極力少なくできます。本作のアクションが得意でなくても、時代劇のようにカッコいい殺陣をするのは夢じゃない……!?
アップスケーリングには、NVIDIA DLSS 3とAMD FSR 3.0、そしてXeSSの3つに対応。どれを使えるかはGPUの種類によりますが、うまく活用すればプレイ中のビジュアルを美しく保ちつつパフォーマンスの向上が見込めます。
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DualSenseコントローラーを有線接続すれば、ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーといった機能をPS5と同様に使えることも大きな魅力。Xboxコントローラーなど他機種のものやキーボード&マウスもサポートしているので、持っていなくても十分に楽しめます。
キーボード操作では、左クリックが速打(弱攻撃)、右クリックが強打(強攻撃)、左Altが回避、Qキーが防御というキーバインドになっています。元がコントローラー向けゲームなのでどうしても快適性は負けますが、キーボード&マウス派のニーズも考慮されているため、楽しめるはずです。もちろん割り当ても変更できるので、自分が最も遊びやすい設定で遊びましょう。
ROG Allyでの動作はいかに?
ここからは、ポータブルゲーミングPC「ROG Ally」でどの程度快適に動作するかをチェックしていきます。なお、検証に用いたモデルは下位バージョンの「AMD Ryzen Z1」であり、「AMD RyzenZ1 Extreme」モデルではさらに良いパフォーマンスが見込める可能性もあります。
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まずは、AMD FSR 3.0を有効にしつつプリセットの「高い」設定で村での戦闘を試してみます。こちらは残念ながら15fpsに満たないほどになってしまうため、アクションゲームを楽しむには心もとないパフォーマンスに……! 無理をしているためか、ジャギーも多く発熱もすさまじいので、まず下げたほうが良いでしょう。次に「中間」も試してみましたが、fpsはそれほど上がりませんでした。
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プリセット「低い」ではどうでしょうか。こちらは比較的パフォーマンスが良好で、ビジュアル品質も小さい携帯機のディスプレイで見るものとしては十分です。28~32fpsほどと、本機で重いゲームを動かす際のパフォーマンスとしてはまずまずなfpsです。ただ、少しだけ不安定なため、アクションの難易度を下げるなどある程度の妥協は必要かもしれません。
「非常に低い」でも悪くないのですが、それほどfpsに変化がないわりにビジュアルの品質が落ちてしまうため、「低い」にまで下げていれば十分でしょう。
海外ユーザーのサイトによれば、設定次第では平均60fps以上でプレイすることができるとの報告もあります。筆者の環境ではこの設定にしてもそれほど高いパフォーマンスが得られませんでしたが、試してみる価値はありそうです。
PC版『Ghost of Tsushima Director's Cut』は、Steam/Epic Gamesストア向けに配信中。PS4/PS5を持ってなかったから遊べなかった……という方は、ぜひこの機会に遊んでみてはいかがでしょうか。