我々は日々、多くのゲームを遊び、その感想を話し合ったり、ネットにつらつらと書いてみたりするものですが、ときに、頭の片隅にいつまでも残り続けるタイトルがあります……。
それは、一度挫折してしまったゲームです。難しすぎた、時間がなかった、何となく自分には合わなかったけれどどうしても先が気になる……そんな思いを抱えながら今日まで来てしまったという経験、一度や二度はあるはずです。
そこで、今回は重い腰を上げて、あの頃の苦い思い出を乗り越えようと奮起いたしました! そんな我々の(小さな)再チャレンジを是非とも見守ってください!
『Timberborn』(各務都心)
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とってもkawaiiビーバーたちを操る街作りシムが本作『Timberborn』。この世で一番美しいかもしれないロード画面が忘れられません。キュートな設定と灌漑が重要というシステムが気になって購入しましたが、実際はビーバーの前歯のように硬派なゲームでした。
チュートリアルの指示通りに遊んでいきましたが、ダム建設が上手くいかず、そうこうしているうちに長い干ばつに見舞われ、水不足でビーバーたちがどんどん死んでいきます。終いには誰もいない農地で水車だけがカラカラと回る寂しい風景が残り、筆者はそっとゲームを閉じました……。
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今回は難易度をイージーにして、攻略Wikiの助けも借りつつ進めていくことにしました。すると、そもそも干ばつがすぐに終わるので、ちょっとした貯水で乗り越えることができました。
ダムと洪水のメカニズムもなんとなく理解し、それっぽい多層建築もできるようになってきました。トレイラーのような住居兼工場兼ダムのような多機能施設や、だだっ広い水耕栽培までは進みませんでしたが、ちょっとずつ理解は進んでいき、自分なりに素敵な建築が出来るようにはなってきましたね。ビーバーたちの世界がどんどん文明的になっていく様を見るのは、思っている以上に愉快でしたよ!
『リングフィット アドベンチャー』(FUN)
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リング状のコントローラーを握り、冒険しながらフィットネスができる本作。一時は品薄が起きるほどのヒットとなったので、挑戦された方も多いのではないでしょうか。
筆者も日頃の運動不足を解消しようと購入しましたが、アイデアのユニークさにもかかわらず、長続きせずに挫折してしまいました。振り返ると、運動のキツさに比べて効果がなかなか実感できなかったのが原因だったように思います。
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ネットでは本作を投げ出さずに続けるための“攻略法”がいくつも紹介されています。どうやら、筆者の他にも途中で挫折する人は少なくないようですね。
さまざまなアドバイスの中でも筆者の心に響いたのは、「プレイ中に消費カロリーを表示しておく」という単純明快な方法でした。ZRボタンで画面左下に消費カロリーを表示できるのですが、これなら運動の効果を実感しやすいかもしれません。
実際にその状態でプレイすると、ゲームの印象がガラッと変わりました。走る速度を上げると消費カロリーの数字が勢いよく増加しますし、敵の攻撃を防御するだけでも運動になっているのがひと目でわかります。
この攻略法を毎日欠かさず続ければ、リベンジ成功間違いなしです。今度こそ、きっと……。
『Sifu』(澤田真一)
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「中国拳法版ダクソ」として知られている『Sifu』。しかし、これはもしかしたら『DARK SOULS』シリーズよりさらに難しいゲームかもしれません。リアルで詠春拳を修行している筆者は、2面のクラブで挫折して長らく放置していました。
「どうして本当に中国拳法やってる奴が2面で挫折するんだ?」と突っ込まれてしまうかもしれません。いや、本当に難しいんですよ。
詠春拳を始めとする中国南派拳法は、「人間のHPはあまり高くない」という前提の武術です。読者の皆さんは、誰かに突然顔を軽く小突かれただけで怯むはず。それを連続で何度もやられたら、最悪その場にうずくまるでしょう。人間の鼻も口も、ちょっとした衝撃で出血するほど脆弱です。従って、中国拳法のパンチは力をあまり込めません(ボクシングとは違い、中国拳法のパンチは縦拳です)。
ところが、『Sifu』に出てくる連中はやたらと頑丈! バットで1発殴られたぐらいじゃ戦意喪失しません。とにかく硬い硬い!
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にもかかわらず、「その時の体調やメンタルがパフォーマンスに反映される」という点では『Sifu』はリアルの中国拳法をよく表現しています。昨日は割と難なく倒せた中ボスに、今日はボコボコにされた……ということもよくあります。『DARK SOULS』シリーズのような「いやらしい設計のステージで落下死」という現象がない代わりに、自分でも思いもしなかったザコ敵に苦戦する場合も。
長くプレイしないと腕が錆びつくのは当然ですが、たくさんの仕事を抱えていろいろと悩んでいる状態でプレイすると、それがキャラクターの動きに反映されてしまうようです。「ボスの強さ」云々というよりも、結局は「自分との闘い」「コンディション調整が勝利への鍵」になっていきます。
というわけで、筆者は今回も2面を攻略できませんでした!!!
『ファークライ4』(みお)
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ゲームの悪役は誰が好き?ゲーマーには定番の質問ですが、筆者は迷わず『ファークライ3』のバース・モンテネグロと答えます。バースは舞台となる島を仕切っている残忍な犯罪者です。「異常の定義を知ってるか?」「自分が世界の頂点に立ってるような気分だったんだろ?」といった印象深いセリフが多く、ハスキーボイスが特徴のマイケル・マンドによる怪演はもちろん、原語版の雰囲気を殺さずに演じた鶴岡聡さんの吹き替えも素晴らしいものでした。
続けて『ファークライ4』もプレイしたのですが、当時はバースに熱狂した状態にあったため、悪役であるパガン・ミンは同じくらい人気が高いにもかかわらず、初プレイ時はあまり好きになれなかったのです。ゲームシステムが似通っていることもあり、すぐにプレイを諦めてしまいました。
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パガンは内戦の絶えない小国・キラットの独裁的な国王。ギラついたピンク色のスーツにやや濃い目のアイラインなど強烈ながら上品さのある見た目をしています。
プレイヤーが最初に目にするパガンは、しくじった部下を何度も刺して殺す……という残忍な行動を取る姿。悪政を敷く独裁者であることを瞬時に理解させる綺麗なキャラ説明の流れに、心を奪われ見入ってしまいました。
本シリーズは序盤で放置すると突入できる隠しエンドが有名ですが、その始まりは本作から。捕らえられた主人公は、パガンが席を外した隙に逃げるというのが本来の流れですが、15分ほど逃げずに放置しているとパガンが帰ってきて、本編の物語よりも平和な形で終焉を迎えます。
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ゲームにおける“プレイヤーの存在”をテーマとした物語を描き続ける『ファークライ』シリーズですが、一種の答えを出したこの隠しエンドはとても美しいものであると改めて感じました(ただ、これを以降の作品で擦り続けているのはちょっと複雑)。
改めて『ファークライ4』の序盤を触ってみると、残忍で魅力的な悪役パガン・ミン、ひいては『ファークライ4』自体が抱える作品としての良さにも気付かされます。最後に『3』をプレイしてからずいぶん時間が経ったので、そろそろ久しぶりに拠点潰しつぶしを楽しもうかな……?と思える良い機会となりました。
以上「一度挫折したゲームに再挑戦するゲームライターたち!」でした。皆さんの心に圧し掛かっていたものが取れたようです(もしくは、さらに重くなった人もいるみたいですが……)。皆さんも、絶対にこれはクリアするぞ、という一本がありましたら、その決意をコメント欄に叩き込んでください!
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