たばこの煙を水のフィルターに通して吸い、香りを楽しむ嗜好品・シーシャ。中近東で発明されたとされるシーシャは近年日本での注目度も高まっており、都市を中心に楽しめる場所も増えています。
そして、そんなちょっとオトナなシーシャをテーマにしたゲームも登場します。本記事では、7月11日に発売する新作アドベンチャーゲーム『Hookah Haze』のプレイレポをお届けします。本記事の制作にあたっては、パブリッシャーのアニプレックスより製品版の提供を受けています。
残る時間は14日…主人公が最後に願った「シーシャ屋をやる」という夢
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本作の物語は、主人公・炭木トオルが病床に伏している場面から始まります。トオルはかなり重い病を患っており、代替的な治療も拒んだため、余命はそれほど多く残されていません。
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そんなトオルの元に、病院側が用意した「夢を叶える」制度が伝えられます。これは重い病を患った患者が叶えたい夢を極力叶えるというもので、トオルはそこで「アクアリウムのあるシーシャ屋の店長になる」という夢を選択。鎮痛剤が使用できる14日間という限られた時間の中で、シーシャバー「Hookah Haze」をオープンします。
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シーシャバーではお客さんの好みや要望を聞き、「フルーツ」「ナッツ」「スパイス」など5つの味から3つを選んでMIXし、フレーバーを作っていきます。ある程度経ったらシーシャを燃焼させる炭の交換を行い、煙の具合をちょうどよく調整しなければなりません。
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「Hookah Haze」に訪れるのは、全部で3人のお客さん。おそらくプレイヤーが最初に出会うのは、キュートなコンカフェメイド「愛上あむ」です。息を切らした様子でトオルに助けを求め、逃げ込むような形でHookah Hazeへと入店します。
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シーシャは、落ち着いた空間でリラックスしながら楽しむもの。シーシャに興味を持ち徐々に心がほどけたあむから、さまざまなお話が語られます。あむはどうやら何者かに追われており、帰路で腕を掴まれる……という怖い経験をした模様。今は落ち着いたようですが、心配ですね……。
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お客さんが満足すると帰宅し、一日は終了。このように、簡単に楽しめるシーシャの調合や炭調整を行いながら、キャラと交流して背景を掘り下げていくのが本作の目的となります。
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一日の始まりには、これまで作ったことのあるシーシャをゲーム内SNS「Hookah LINK」に投稿。ここで投稿したフレーバーの種類によって、来店するお客さんが変化。例えば、スイーツ系のフレーバーを投稿すれば、あむがまた来店しやすくなります。
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あむにさらなるお話を聞いてみると、どうやら追ってきていた人物はあむが働くコンカフェのお客さんである模様。なぜお客さんがストーカーになってしまったのか、あむの身に何が起こったのか……といった彼女たちの暗部が語られていきます。
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ショップ店員の「明月院こころ」は店内で起きたとあることがきっかけでトラウマを呼び起こしてしまったり、企業所属の人形作家「古森くるみ」はコミュニケーションが苦手であることが要因で見舞われてきたトラブルなどが語られたりと、登場する3人がそれぞれ何かしらの事情を抱えています。
そのどれもが興味深く、彼女たちの内面を深堀りしていきたくなります。来店すればするほどより関係が深まっていくのですが、3人とも気になるので、誰と話すかは非常に悩ましい……!
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主人公のトオルが思いやりに満ちているのも本作の魅力であると感じます。人の事情にずけずけとあがりこんでくるような人はあまり好ましくありませんが、トオルはあくまで店員という立場から冷静かつやさしく判断してくれます。しっかり段階を踏んで彼女たちの内面に入り込んでいくので、嫌味がなく安心してお話を読み進められます。
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お話の良さはもちろん、本作ならではといえる演出面の良さもアドベンチャーゲームとしては嬉しいポイント。通常画面ではウインドウのネオンの色や明るさを変更したり、BGMを用意されたものから選んで流せるため、自分でお店の雰囲気を彩るような体験ができます。
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シーシャはたばこの一種であるため、たっぷりの煙を吸って吐き出します。本作では煙が細かくアニメーションして、ウィンドウからはみ出るという演出もあるのがとても印象的。吸う時を含め、キャラの表情やアニメーションの細かさもたまりません。
『Hookah Haze』は、PC(Steam)/ニンテンドースイッチ向けに7月11日発売。「シーシャって興味あるな……」という人も、「あむちゃん可愛い」とヒロインに惹かれた人にも、広くオススメできる作品であると感じました。