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7月19日から21日にかけて、京都・みやこめっせで「BitSummit Drift」が開催されています。平安神宮の近くで開催される本イベントにはインディーゲームを中心としたゲームがずらり! こちらではその中の一本をピックアップし、プレイレポをお伝えします。
本稿では、“キミ”を探して“地下100万階に潜っていく”少女を描いたローグライク×探索ACT『Million Depth』をご紹介していきます。
◆一風変わったアクションやクラフトに彩られた「謎に満ちた世界」に落ちていく…少女の探す“キミ”って誰!?
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『Million Depth』では地球で人が生存できる世界が地下「奈落虚空」のみとなってしまった近未来を舞台に、宇宙で育った主人公「モマ」が“キミ”を探して地下に降りていくストーリー。とはいっても、どうやら地下に移り住んだ人類は絶滅してしまったのですが、そうすると“なぜ滅んだのか”が気になります。そしてそもそもモマが探している“キミ”とは誰か……。
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プレイヤーに語りかけているような口調でいて、そうではなさそう。モマの探す“キミ”の正体はもちろん、そして地下人類が滅んだ世界の謎までも解き明かしていくことになります。
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さて、『Million Depth』は「地下100万階に潜っていくローグライク」といっても、1階ずつ踏破していく果てなき作業があるわけではありません。モマは宇宙で作られたであろう近未来的なデバイスを持っており、それによって周囲の物体を浮かすことができます。ですので奈落虚空の階層移動で取る手段は“自由落下”! 「不思議の国のアリス」さながら、重力にその身を任せて落下していきます。一気に数千階降りるなんてザラです!……それでも、“100万階”は遠く深いですが。
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ここで重要になってくるのは、酸素量というパラメータ。降りる距離によって減る酸素量が大きくなるため、区分された深度のうちどこに着陸するかが重要になってきます。エネミー討伐などでもドロップする「酸素」はもちろん廃棄されたキャンプに着地して回復するなど、その場の状況に応じた深度に進みます。
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もちろん、手近な深度に良いエリアがなかったとしても降りる方向を変更することである程度の融通は効きます。もしそれでも良い出目がなかったら、後は保有酸素でリスクのある選択をするしかなさそうです!
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さて、エネミーと接敵するとバトルが始まるのですが、これも特徴的。アクションではあるのですが、モマの持つデバイスによって「自分が動かない限り相手も動かない」特殊なゾーンが生成されます。
相手の放つ攻撃のダメージなどが数値化もされ、「攻撃をジャンプで避ける」「ジャンプ中は敵が動く」という思考になります。モマの体当たりでもダメージは入りますが、重要なのは浮遊させた自分の武器です。
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これらを敵に投擲させることによってダメージを与えるのですが、この武器は同時に盾ともなります(試遊ではふたつ浮遊させられました)。離れすぎれば敵の弾幕の中でダメージを負うため、ポジション取りや武器の役割分担が必要になります。そして筆者を驚かせてくれたのは、武器を手元に戻す際に“デバイスが一時的に機能停止して、時間が正常に動き出す”ということ。
筆者ははじめ「ターン制でゆっくり考えられるアクション」と考えていたのですが、あくまで“お互いが一時的に止まるエリア”を展開しているだけで、この範囲から離れても敵は活発に動き出します。時間が止まっていても処理に忙しい弾幕が動き出すのですから、アクションが苦手な人にとっては最終手段でしょう。
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さらにこの浮遊武器はプレイヤーによるカスタマイズが可能です。部品を集めて「盾なら盾らしき形」を、武器なら「武器として強い形」を自ら作り上げていきます。自分の作った武器で戦えるのは、それだけでテンションが上がりますね。
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そして自作の武器と宇宙産のオーバーテクノロジーなデバイスで地下を降りていくと、人類の痕跡を次々と発見していくことになります。地下人類に何があったのか、そしてモマはなぜ“キミ”を探すのか。筆者が試遊した感想としては“崩壊した世界を落ちていく冒険”の先も気になりますし、バトルシステムも尖っていて面白く感じました! 物資を集めて「なんか強くてカッコいい武器」も作りたくなります。
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謎に満ちた大穴を落ちていくローグライクACT『Million Depth』は、ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに2025年発売予定(Steamページでは2024年と記載)リリース予定です。気になった方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。