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15分でサクッと遊べるRPG『Wizlite』はなぜ『ウィザードリィ』のライセンスを取得したのか?スタッフに訊いてみた【TOKYO SANDBOX 2024】

簡単手軽に遊べるハードコア、一見矛盾しているそこが魅力のRPG!

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15分でサクッと遊べるRPG『Wizlite』はなぜ『ウィザードリィ』のライセンスを取得したのか?スタッフに訊いてみた【TOKYO SANDBOX 2024】
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2024年6月22日、ベルサール秋葉原にてインディーゲームイベント「TOKYO SANDBOX 2024」が開催されました。

本記事では、ローグライトRPG『Wizlite: Everybody loved RPGs』のブースレポートとインタビューをお届けします。

クラシカルなのにお手軽!?

本作は、1周が15分で遊べるお手軽さが特徴のクラシカルRPGです。昔ながらのコマンドバトルとダンジョン探索にローグライトを組み合わせており、シビアでありながらもお手軽に遊べるのが特徴です。

基本の流れは、さまざまのフロアで構成されたダンジョンを探索し、戦闘を繰り返して最下層のラスボス撃破を目指すというもの。探索パートはカードで構成されたシンプルな画面になっており、3つの選択肢から選ぶことが可能です。

戦闘に挑むか、キャラバンを訪れるか、ランダムイベントに突撃するか……さまざまな選択肢がありますが、必ずしも思い通りにいくとは限りません。残りの体力や呪文をいかに管理するかなど、DRPG特有のハプニング感やリソース管理的な楽しさはしっかり備わっているようです。

キャラメイクでは人間やエルフなどの種族や職業、性格や名前、パラメーターなどを設定できます。これは一般的なRPGと同じですが、面倒な人のためにデフォルトキャラも用意されているとのこと。筆者はあまりキャラメイクが得意ではないため、嬉しいポイントです。

ローグライト要素としては、死ぬ度に全員がレベル1に戻り、装備品もロストしてしまいます。しかし、全滅する度にポイントが獲得でき、それを使って恒久的なアップグレードが行えるそう。最初は6人パーティすら編成できないほどですが、何度も挑戦する度に遊びの幅が広がっていきそうです。

今回の出展では試遊はありませんでしたが、担当者によるデモプレイがお披露目。一回のゲームプレイがヘヴィになりがちなRPG、ひいてはDRPGと比べてかなりとっつきやすそうな印象を受けました。イラストも非常にキュートです。

なぜ『ウィザードリィ』の名前を使ったのか?

ここからは、本作の開発・販売を担当する株式会社5次元の代表取締役である岩濱正人氏に本作にまつわるお話を伺います。

――よろしくお願いします。15分で遊べるローグライトRPGというコンセプトがすごく素敵だなと思ったのですが、これはどういったきっかけで思いついたのでしょうか。

岩濱正人氏(以下、岩濱)やっぱり、現代人は多忙ですよね。”タイパ”(※タイムパフォーマンスの略。費やした時間あたりに得られる効果の割合)という言葉があるくらいですから。私自身時間を無駄にすることがすごく嫌で、1分でも時間があればKindleを開いて本を読むくらいなんです。

ただその一方で、ヘヴィな『ウィザードリィ』のようなさまざまな決断を迫られるシビアなRPGも好きなんです。そこで、そのシビアさをもっとカジュアルに楽しめないかと考えたとき、私の好きなローグライトと組み合わせてみようと考えたんです。

なので、実は『ウィザードリィ』関連作品となったのは後からで、企画自体はサクサク遊べるイマドキのゲームを作ろうというところからスタートしました。

――だから、『ウィザードリィ』をはじめとしたクラシカルなRPGに不慣れな人でも遊びやすいんですね。

岩濱そうですね、そこは意識しています。『ドラクエ』や『ポケモン』でコマンドバトルのRPGはプレイしたことがあるくらいの人でも遊べるローグライトゲームにしていて、『ウィザードリィ』を知っていればニヤッとできる要素もあるという感じです。ちなみに、グループSNEさんに許諾を得て『ソード・ワールド』や『ロードス島戦記』に出てくる「グラスランナー」という種族も導入しています。

――『ウィザードリィ』ライクでも『ウィザードリィ』と関係ないゲームは世の中にたくさんありますが、一見違うゲームの本作がライセンスを取得した理由は何でしょう。

岩濱 私はかつて出版社のASCIIに所属していまして、そのなかの「LOGiN」という雑誌の編集部にいた時に『ウィザードリィ』を担当していました。また、GMOゲームポットが『ウィザードリィ』関連版権(商標と6~8著作権)を持っていた時期には私も関わり『ウィザードリィ』関連作品を作りたいという会社さんへの審査や版権管理をしていたんです。

ドリコムが配信を予定している『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ』

そんな縁もあって2024年現在、GMOゲームポットから引き継いだ『ウィザードリィ』関連版権を持っているドリコムさんの『ウィザードリィ』シリーズ関連プロモーションのお手伝いをさせていただいていて、その一環としてうちもゲームを作らせてほしいとお願いしました。今は『ウィザードリィ』がまた盛り上がってきていますし、自分としても大好きな作品ですから。 

――2024年夏に早期アクセスを開始する予定とお聞きしましたが、現在の開発進捗はどれくらいでしょうか。

岩濱 ゲームの機能としては、ほぼほぼ完成しています。ただ、バランスが命のゲームだと思っているので、そこは最低限のレベルまで到達しないとまだ出せないですね。早期アクセスでリリースするのはユーザーさんからのフィードバックを得て改善するためなのですが、それでもユーザーさんにゲームを提供する前に、もう少しバランス調整に時間を掛けたいと思います。

クリエイターとしてはもう1年作り続けたいくらいなのですが、いち社長としては一回早期アクセスで出したほうがいいのではないかという判断も込みです。

――ありがとうございました!

『Wizlite: Everybody loved RPGs』は、PC(Steam)向けに2024年内早期アクセスで配信予定です。

※UPDATE(2024/7/22 19:25):本文の内容を一部正しく変更しました。

《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

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