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7月19日から21日にかけて、インディーゲームの祭典「BitSummit Drift」が開催されました。こちらではそんな本イベントに出展された作品を遊び、そのプレイフィールをお伝えしていきます。本記事では『深 四のの目-陰陽の巫女-』のプレイレポをお届け!
◆目に見えない“幽かな情報”でモノノケを探せ!推察がカギになる思考型ローグライクACT
『深 四のの目』はWODANが開発をし、KADOKAWA Game LinkageとABCアニメーションがパブリッシングを行うタイトルで、『四のの目』の続編タイトルです。巫女の「よの」が行方不明の兄を探すため、日本家屋を探索しモノノケたちと対峙していく思考型ローグライクホラーACTです。筆者は『深 四のの目』が本シリーズ初体験。プレイを開始すると、まさしくこれは「思考型」のゲームであると驚かされました。
「よの」はモノノケに対する対抗手段は持っているものの、基本的には“か弱い巫女”です。自動生成されるエリアを進んでいきモノノケと戦う……という流れのみ書くと普通のローグライクACTに見えますが、攻撃のみで乗り切る強さは持っていません。基本的な攻撃手段は単筒(銃)となりますが、弾数制限があるため「いかにしてモノノケを処理していくか」を考えることになります。
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屋敷に入るとさっそくチュートリアル。ここでは妖怪「ぬっぺっぽう」が襖の向こうに3匹いるという状況に出くわしました。襖越しに銃を3発撃てば退治できるという状況です。……しかし、筆者はここに至るまでにすでに操作ミスで銃弾を一発使っていたために残り2発。さっそく予定外の事態に直面しました。しかしあまり考えず「まぁ行けるだろ!」の精神で襖に向かって銃を2発撃つと、やはり残った一匹が襖をバーンと開きこちらに突撃!
初期アイテム「胴乱」で弾をリロードできたので事なきを得ましたが、主人公がか弱い巫女だということを痛感しました。ちなみに、今回のダメージでは発動しませんでしたが、『深 四のの目』では「よの」が危機に陥ると「四目ヨノ」に変化し能力が大幅に強化されるようで、期待が膨らみます。
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そしてなぜ襖の向こうにぬっぺっぽうが居たかわかったかというと、ゲーム中に鳴っている「彼らの足音」です。フロアをひとつひとつ進んでいく中で、怪しげな物音が発生していると近くにモノノケがいるということ。音の鳴っている方向で敵がわかるというのもあり、ヘッドホン推奨です! 時にはお経が聞こえてくることも……(内容は経文ではなく呪言のようですが)。
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同時に、敵の倒し方は多岐にわたります。トラバサミを設置して足止めする、大穴のエリア越しに敵に声をかけ落下させる……限りあるリソースで、モノノケを倒すために創意工夫していくことになります。時には「逃げまどっているうちに敵が暖炉で燃え死んだ!」という想定外な事態でわかる「倒し方」も知ることができました。
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目に見える情報のみではなく画面外の推察を含めて遊んでいく『深 四のの目』は、ゲームとしての完成度が抜群に高いと感じさせてくれる一作です。
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そしてなんと、今回はブースにいらした開発者の岩尾賢一氏にもお話を聞くことができました!
――思考型ローグライクホラーACTである『深 四のの目』(『四のの目』シリーズ)開発のきっかけについて教えてください。
岩尾賢一氏(以下、岩尾):アクションゲームが好きなのですが、自分自身へたくそでして……そういう人に向けて制作したいという思いがまずありましたね。「アクションの面白さを“指の操作が苦手なだけ”で味わえず、ストレスになってしまうのはもったいない」その想いが設計の最初にありました。「アクションが苦手な人でも、パズル的な解き方をすることで何度でも楽しめる作品」を目指して作ったのです。
――『深 四のの目』は妖怪などの文化を深く探求していると感じました。なぜモノノケや巫女などをモチーフに作られたのでしょうか?
岩尾:私自身、妖怪などを始めとした和風なものが大好きなので、せっかくやるなら和の物を追求したいところがありました。私の田舎が大きな日本家屋だったので「あの部屋怖いな」「この風習なんだろう!」という当時の“不思議”を思い出してゲームに取り入れていきましたね。
――私自身覚えがあるのですが、確かに日本家屋は家中の音がよく聞こえてきて恐ろしく感じますね。
岩尾:そうなんですよ! そういう音を再現したくて入れました。誰もいないはずなのに物音が聞こえたりね! それを推理して妄想を膨らませるのゲームに落とし込んで、記憶や推理でゲームを進めていく。アクションではなく、そういう方向でプレイヤースキルを上げていくという作品として、本作を制作しました。
――今回は、ありがとうございました。
『深 四のの目-陰陽の巫女-』は2024年秋発売予定です。
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