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京都で恒例のゲーム展示会となった「BitSummit」。2024年7月19日からビジネスデイと一般開放日の3日間にわたって行われた「BitSummit Drift」から気になった作品をピックアップしてお届け。本記事では、集英社ゲームズブースにて展示されていた『シュレディンガーズ・コール』をご紹介します。開発者インタビューも後ほど公開予定です。
今、話しているのは誰?
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本作品は記憶を失った少女「メアリ」を主軸に話が進んでいきます。メアリは記憶を失っており、気づいた時には謎の黒猫「ハムレット」と電話の前に佇んでいました。電話をかけることで何者かと繋がることができ、悲しみを共有した誰かと電話で繋がっていきます。
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今回の試遊の導入では推定でしかない声の主を確定させていく流れから始まりました。捻くれた選択肢を取った筆者の確定した声の主は、後悔し続けている出来事があるルーシーというシカっぽい見た目の女性。
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ハムレットがいうには誰もが死にきれない思いを抱えているのだと言います。メアリは目の前の電話を通じて、その魂を救う必要があります。
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話から、自身の行為のせいで息子と離れ離れになってしまい、二度と会えなくなった息子との最後の会話が途中で終わってしまったことがルーシーの最大の後悔だとわかりました。
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その出来事をある程度知った時に彼女の最後の通話を再現する場面に移るのですが…会話の最中に月が地球に落ちたことで人類の歴史は終わってしまいました。全ては21ナノ秒前に起きたことなのだと。本作品ではこの流れを通じて、メアリが何者であるのか、何故死にきれない思いを抱える魂を救済しなければならないのか…月の落下で何故人類は滅びたのかといった部分に迫っていきます。
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今回試遊させていただいた中で筆者はルーシーという女性の人生に共感を重ねて話を進めることになりましたが、本当は選択肢によっては全く違う誰かの人生に共感することになったのでしょうか?プレイ完了後に最初からひねくれた選択肢を選んでしまったのは、私も「抱えきれない思いを抱えた魂」の一部になってしまったからなのでは?
本作品は来年以降発売予定を目指しているとのことなので、続報を待ちつつ私も抱えきれない期待感と今回の思いを持って待つことに致します。
「BitSummit Drift」は本日2024年7月19日から21日まで開催予定。Game*Sparkでは多数の現地取材記事を掲載していくので、今後もお楽しみに!
インディーゲームの祭典「BitSummit Drift」特集記事はこちら!