子供からお年寄りまで楽しめるパズルゲーム『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!』開発者インタビュー【BitSummit Drift】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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子供からお年寄りまで楽しめるパズルゲーム『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!』開発者インタビュー【BitSummit Drift】

2024年7月19日に開催した「BitSummit」からアドベンチャー『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!』の開発者インタビューをお届け。

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子供からお年寄りまで楽しめるパズルゲーム『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!』開発者インタビュー【BitSummit Drift】
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2024年7月19日から21日にかけて「BitSummit Drift」が開催されました。本記事では、独特の可愛らしい雰囲気のあるブースと、目を引くリアルなガチャがビジネスデイでも耳目を集めていた『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!』の開発者インタビューをお届け。BitSummitの創設者かつ主催者でもあるQ-Gamesに所属するクリエイティブ・ディレクター 木村直博氏に詳しく話を伺いました。

Q-Gamesのクリエイティブディレクターの木村 直博氏。

子供からお年寄りまでプレイできるそんなパズルゲームを作りたい

――自己紹介と、今回出展したタイトルについてお聞かせください。

木村 直博氏(以下、木村氏)Q-Gamesのクリエイティブディレクターの木村です。今回出展したのは『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!』というタイトルで、協力を前提とした4人で遊ぶパズルアクションゲームになっています。

「BitSummit Drift」Q-Gamesブースの様子

小さいお子様からお年寄りまで楽しめるすごいシンプルな入り口かつ、 協力が必要な楽しいゲームになっていると思うので、幅広い人に楽しんでいただけるんじゃないかなと考えています。

――システム的な特徴などを教えていただけますか?

木村氏4人協力がそもそも大前提にあるゲームであるというのと、間口を広げるために4人全員でパズルを解くというシステムにしているのもポイントです。

コアの部分には、シンプルな操作のアクション性と難しさを取り入れることになりました。プレイヤーは移動自体はできるんですけど、回転をすることができません。回転をするためには互いのキャラに体(ブロック)を押し付け合いながら動く必要があります。これによって、自然に協力プレイが作り上げられるようになっているのが大きな特徴です。

また、4人でプレイするというところはちょっと敷居が高いところもあるので、オンラインプレイにも対応しています。例えばローカル2人、オンライン2人みたいな、ローカルとオンラインでの混合プレイも可能になっています。

オンラインでプレイするという作品ゆえの特性上、「答えを知っている人」が指示しながら攻略してしまうと楽しさがなくなってしまう可能性があるので、ゲーム内ボイスチャット機能はあえて実装していません。

その代わり、自分が困ったときに助けを呼ぶためのボイスを出す「ヘルプボタン」だったりとか、他のプレイヤーにリアクションするようなボイスボタンがついていて、ある程度のコミュニケーションは取れるように作っています。

――元々はゲームジャムでの作成がきっかけで開発が始まったとのことですが、そこからどれくらい内容が変化したのでしょうか?

木村氏ゲームジャムの時にはコアの部分がほぼほぼできていた状態でした。今の見た目の編み物風のグラフィックであったりとか、キャラクターの見た目、あとはブロックで作られているところや、「自分では回転できない」という部分まで、基本ロジックは既に入っていました。

――そこから肉付けされて、今の状態になったという感じでしょうか?

木村氏そうですね。そこからブラッシュアップして先ほどのボイスボタンの話が出て、「それなら動物のキャラクター性が出たほうがいい」と練り上がっていって、自発的に表情を変えたりできるようにしていきました。

――パズルゲームはステージの構成や内容を考えるのが重要だと思いますが、開発においてはどのようなポイントを大切にしていますか?

木村氏ステージの構成は……難しいです(笑)。ゲームのコアになるゴール部分のパズルに関してはバリエーションが作りやすいんですが、トライ&エラーを行っているうちに、難易度設定のノウハウが溜まってきて、徐々に「どの程度なら難しい」「どの程度だと易しい」という考え方も固まりました。

また、どうしても「パズルだけがメイン」になってしまうと、繰り返し遊んでると飽きが来てしまいます。そこで、森や雪山、岩山のステージといったギミック付きのものも取り入れるようにしました。

ギミックは「パズル寄りのもの」もあれば「アクション寄りのもの」もあるんですけど、そういったところをブラッシュアップし、パズルだけじゃなくてアクション部分でも楽しめるバランスを目指して作っていました。

――「全年齢」をターゲットにしたゲーム開発で、困難に感じたポイントはありましたか。

PixelJunk™ Monsters Ultimate(Steamストアページより)

木村氏難しいですね。例えば『PixelJunk Monsters Ultimate』は比較的全年齢向けとはいえ、ゲーム内容は複雑かもしれません、他にも『PixelJunk Shooter』も大人向けというよりは、幅広い年齢向けには作られているかなとは思います。『PixelJunk Eden』は違うかもしれないですけど。

今回は全年齢のユーザー向けではあるんですけど、よりカジュアルなユーザーにシフトしています。やはり「4人で集まって遊ぶ」というゲームですから、ゲームが得意な人と苦手な人の双方に楽しんでもらいたいと思ったのです。

私にも子供が2人と妻がいるのですが、ゲームが苦手な人が難しくて投げ出さないよう意識していて、今の形の「パズルとアクションのちょうど良いバランス感」を模索していました。

――ご家族がいらっしゃるから、ゲーム部分の考えやアイディアも実際に反映されているんですね。

木村氏そうですね。うちの子供はゲームが好きで遊んでるんですけど、「うちの子供とおじいちゃん、おばあちゃんができるようなゲームにしたい」と考えてました。

――実際、全年齢に対応できるゲームはそう多くありませんよね。

木村氏海外のXboxコンソールとかPSコンソールのゲームは戦争を題材にしたり、ジャンルとしてもシューターであったり、どうしても大人向けのものが多い印象です。そこで、「逆にこちらのような世界観を求めている人もいるんじゃないか?」というのは、作りながら考えていました。

――ゲーム内のボイスチャットを使わずにアクションなどで完結させたいとおっしゃっていましたが、ゲーム外のボイスチャットをあえて使用させないような演出として『Among Us』のようなジェスチャーなどがありますが、そういった演出などは加えることは考えていますか?

木村氏今は考えてなかったですけど、確かにそれは面白そうですね。一部の場面では、喋ってほしくないときもあったりしますし。

――「BitSummit Drift」ステージイベントで発表されていた際もボイスチャットについて触れられていたので、対策などを考えているのだろうかと考えていました。

木村氏(プレイヤーが)自発的に自分で喋るっていうのは難しいところがあったので、今回の試遊ステージには入れませんでしたが、「大玉を一緒に運ぶ」というギミックも用意しています。その大玉には顔がついていて、その顔が喋ってくれるんです。ゲーム内のビジュアルでも「喋っていいよ」という雰囲気を出すためにそうした工夫を取り入れました。

高橋 明人氏(Q-Games COO)チームでも結構テストプレイしているのですが、いつもすごく楽しそうにプレイされていますよ。

木村氏そうですね。開発当初から週1回はみんなで集まってステージの確認会をして、そこの中で出たフィードバックを出してというのをやっていました。しかも僕らはリモートワークのチームだったんですよ。だから離れたところだけど(オンラインで)集まって、みんなで確認しながら進めていました。

――確かにリモートでプレイするにはちょうどいいタイトルですね。

木村氏僕自身もしばらくずっとリモートワークで、その時にちょうどゲームジャムが始まったんです。メンバーも含めて集めないといけないっていう状況で、 リモートでメンバー集めるってどうしようってずっと思ってたんですけど……。

その時に同じような環境でリモートでやってた人にはなかなか声をかけにくいのかなと思ったから、それこそ最初から「助け合いをテーマにしようと思っていて……「みんなで助け合うゲームを作ろうぜ」っていう気持ちで立ち上げたのが今回のゲームだったんです。

――家族のエピソードを含め、何から何まで綺麗に開発まで繋がっていた感じですね。

木村氏そうですね(笑)。細かくやればやるほどどんどんその人の仕事のアイデンティティとかも失っちゃうし、だからそれこそ仕事だって「助け合い」だなと思っていたんです。

だから直接細かい指示を出すよりも大きな指示を出して、それぞれが考えてそれぞれが進めていくっていう進め方を選びました。僕はディレクターなので、そういった意識でこのプロジェクトを動かしていました。

――最後に、本作に興味を持っているGame*Spark読者にメッセージなどいただけたらと思います。

木村氏手に取ってもらって遊んでもらったら、すぐにこのゲームのコアの楽しさが分かるゲームだと思うので、まずは、4人集めるのが難しいかもしれないですけど(笑)。それでも遊んでもらって配信もしているんだったら、どんどん動画も上げてもらったらいいなと思っています。

――配信の規約も考えていらっしゃると、ステージ発表でおっしゃられていましたね。

木村氏そうですね。すごい賑やかなゲームではあるので、配信者が食いついてくれたらいいなとは常日頃思います(笑)。

――本日はありがとうございました!


筆者はパズルが苦手なジャンルではあるのですが、実際の試遊ではそのことを忘れるくらいには非常に楽しくプレイすることができました。初日のビジネスデイだけでなく、実は友人を誘ってブースに訪れるほどには筆者も世界観の魅力にやられてしまっていたと言えます。

そんな本作品のプレイレポは別で公開されていますので、そちらもご覧ください。


ローカルかつオンラインでも、クラスプラットフォームでもプレイできる本作品。PC(Steam/PC Game Pass)とPS5に向けて2024年秋より配信予定なので、興味が沸いたら是非チェックしてみてください。

《rate-dat》

面白そうなことに頭を突っ込んで火傷してます rate-dat

本業はデザイナー。 印刷物やWeb、写真加工など色々とやっています。

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