トレーディングカードゲームというのは、欲しいカードが手に入るとは限りません。ブースターパックを開ける際、欲しいのが入っているかな?というワクワクも、良いカードが出ずに悔しがるのも、どちらも醍醐味です。しかし、ブースターパックの中身をスキャンする技術が登場し、賛否を呼んでいます。
技術は既存のもの、反応は賛否
この話題は、『ポケモンカードゲーム』YouTuberであるokJLUV氏のチャンネルにて公開された動画から火がついたものです。同氏は工業用のCTスキャンを提供するIndustrial Inspection & Consulting(II&C)と協力し、ブースターパックをスキャンする技術を公開しました。
その技術とは、X線スキャンによるスライスから3Dモデルを作成し、そこから未開封ブースターパックの内部を調べるというもの。特に新しい技術を用いているわけではないそうですが、実際にブースターパックの中にあるスリーパーのカードのシルエットが確認できます。
II&CはokJLUV氏の動画をきっかけにサイトのトラフィックや問い合わせが急増し、それをきっかけに1パックあたり75ドル(記事執筆時点の日本円で1万1,170円)でスキャンできるサービスを提供すると発表しました。
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『ポケカ』パックひとつの値段が一般的なもので180円であると考えると、依然としてこのサービスは高くはあります。しかし、未開封のまま中身がわかることで、価値のあるカードだけ残していらないものはすべて売ってしまうということが理論上可能になったことに対する懸念の声も挙がっています。
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一方でII&Cは、「すでに技術ができている今、我々がサービスを提供しなくとも別の会社が提供するだろう」と釈明。あくまで自分たちは善の立場であると述べ、自分たちのサービスを止めると悪質な業者や詐欺師に悪用されると話しました。とはいえ、本来の楽しみ方を壊したり、価値あるブースターの「抜き取り」を加速させるようなサービス内容には、モラルが問われそうです。