ダークアクションRPG『Deathbound』は爽快なバトルと独自の「バインドシステム」が融合した“新鮮なソウルライク”。パーティーを切り替える多彩な戦闘が魅力!【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ダークアクションRPG『Deathbound』は爽快なバトルと独自の「バインドシステム」が融合した“新鮮なソウルライク”。パーティーを切り替える多彩な戦闘が魅力!【プレイレポ】

信仰と科学技術が対立する過酷な世界を戦い抜け。

連載・特集 プレイレポート
パーティーを切り替える多彩な戦闘が楽しい!ダークアクションRPG『Deathbound』
  • パーティーを切り替える多彩な戦闘が楽しい!ダークアクションRPG『Deathbound』
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今回は、Trialforge Studioが手掛け2024年8月9日に発売された『Deathbound』Steam版のプレイレポートをお届けします。なお、記事執筆にあたってアクティブゲーミングメディアより提供されたSteamキーを利用しています。

新作アクション『Deathbound』とは?

本作は、ダークな雰囲気を持つソウルライクアクションRPG。プレイヤーは信仰と異端科学が対立する中世を舞台に、無慈悲な聖戦に立ち上がったひとりの兵士となって過酷な世界を戦い抜きます。

最大の特徴は、さまざま理由で道半ばで倒れた戦士たちの亡骸(エッセンス)を吸収し、スキル、記憶、アイデンティティなど個別の能力を継承して、最大4人のパーティーを編成できる「バインドシステム」です。また、良くも悪くも丁寧に再現されたソウルライクな戦闘やゲームシステムはとても快適で楽しく、バインドシステムとの融合によってプレイフィールは新鮮で満足度の高い作品に仕上がっていると感じました。

とはいえ、グラフィックがあまり精細でなかったり、カメラワークが悪く3D酔いしてしまったり、文字が小さすぎて読みづらかったりと不満な点はありましたが、後述する「モーフストライク」などの戦闘システムはプレイヤーをサポートし爽快なバトルが展開するので、ソウルライクやアクションが苦手なビギナーから熟練のコアゲーマーまで幅広くオススメできる作品です。

操作、言語、オプションなど

操作方法は、キーボード&マウス、コントローラーのどちらにも対応。筆者はXboxコントローラーを使用しています。キーバインドはタイプ別に選べますが、自分好みに細かく変えることが出来ないのが残念。

操作感は『DARK SOULS』など本家に比べると挙動は軽く、モッサリともたつく感じはありません。強いて言うならば『SEKIRO』と『エルデンリング』の中間といったところでしょうか。ただし『SEKIRO』のようにジャンプや立体的なアクションはできませんが……。

言語は日本語字幕に対応しています。テキストやメッセージなど表現に違和感は特になく、『Deathbound』の世界に自然と没入できると思います。

グラフィックスは、明るさや解像度、フレームレート設定などオーソドックスなものです。個人的に最も不満だったのは、テキストの文字が小さく読みにくかったこと。しかもサイズ変更ができないので、目を凝らしながらプレイしました。

本編開始

まず紙芝居風のオープニングが流れます。「Ziêminal(ジーミナル)」と呼ばれるこの世界は、科学技術と信仰が混在する多様な文化が存在していますが、崩壊し滅びゆく運命にあります。主人公のひとり「セローン」は「Church of Death(死の教団)の一員で、狂信的ともいえるほど女神「デス」を信奉しています。その態度は、自分が信じる教義以外は一切受け付けず、異なる考えの人間はみな「異教徒」であるとみなす苛烈なもの。

一方で、「Cult of Life(生のカルト教団)」という教団を排除するため、リーダーであるソウロン・レジョネスを探しに禁断の都市Akratya(アラクティヤ)へと向かうことになります。

エッセンス研究所は信者たちが異形の生物をつくるための実験施設で、すでに荒廃とした雰囲気です。ここからチュートリアルを兼ねて、移動や攻撃方法、ブロックや受け流し(パリィ)など基本的なアクションを学ぶことができます。

迷路のような研究所を進んでいくと、不気味な姿のボス「迫りくる真実」との突然の戦闘に。始まったばかりでロクに回復アイテムも装備もない状態ですが、やるしかありません。ある程度ダメージを与えトドメを刺すため身体に飛び移ったところ、セローンはボスもろとも崩れた床から落下してしまいます。

落下により死亡してしまったセローン。彼の残された「エッセンス」を吸収し獲得することで、物語の幕が上がります。

基本的な戦闘システム

死せる戦士となったセローンを操作し、まずは腐敗した地下ダンジョンを進みます。UIはシンプルですっきりとして見やすいんですが、アイテムの切り替えにややクセがあり、焦った場面でキャラの切り替えと間違えてしまい敵にボコられてしまうことも多々ありました。

戦士たちにはそれぞれ戦闘やスキルの個性があり、それがさまざまなバトルスタイルを生み出します。セローンは剣士なので装備も盾と近接武器を持ち、発動の早い高速攻撃と重攻撃を繰り出し、ブロッキングで防御し、さらにジャストタイミングでパーフェクトブロッキングが成立します。

またソウルライクに欠かせない要素の受け流し(パリィ)も可能で、成功すれば大ダメージを与え一定時間無敵状態になります。パリィのタイミングは甘めで、攻撃直前よりやや早めにボタンを押してもほぼ成功した印象でした。序盤の雑魚戦は火力の高さもあって苦戦することはないでしょう。

ドッジ(回避行動)を使えば敵の攻撃を避けることができますが、スタミナを消費します。本家『DARK SOULS』のローリングに比べると、かなり軽快なアクション感で前後左右と避けてくれるので使い勝手が非常に良い。攻撃直前にドッジが決まるとパーフェクトドッジが成立し、「シンクゲージ」が蓄積され有利になるシステムも、戦闘が楽しくなるとても良い工夫だと思いました。

しかし簡単にクリアできるかといったらそうではありません。本作は、“HP(体力)とスタミナが連動”する独自のメカニクスがあり、これが難易度と緊張感を劇的に引き上げています。つまり、攻撃を受けHPが減ると当然スタミナも減り行動が制限されてしまいます。この過酷なシステムを頭に置いて立ち回る必要があります。

パーティーを編成しキャラを切り替え戦う「バインドシステム」

探索している途中で、次なる戦士のエッセンスを発見したので吸収します。彼女の名は「アンナ」といい、聖なる母ライフを崇拝する俊敏な殺し屋です。アンナは万能型の戦士で、近接攻撃とクロスボウによる遠距離攻撃で相手を翻弄します。暗殺者らしく「バックスタブ」が可能で、凍結状態の敵にも有効です。

アンナが仲間になったことで、独自の「モーフィング」が行えるようになります。モーフィングは、旅の途中で出会う個性的な戦士のエッセンスを取り込んでユニークスキルや能力を継承し、最大4人のパーティーを編成して戦闘中にリアルタイムで切り替え戦うことが可能になる「バインドシステム」の一部です。なお、キャラクターのうち一体でも死んだらゲームオーバーになるので、HPが低いときはキャラチェンジしてその場を凌いだりして戦略的に対処します。

さらに戦闘において重要な「モーフストライク」は、「シンクゲージ」を溜めて攻撃中にモーフィングすると発動する大技で、敵に大ダメージを与えて一気に形成逆転するチャンスを生み出す本作独自の素晴らしいシステム。シンクゲージは攻撃やパーフェクト回避によって蓄積され、4つあるスロットを満タンにすれば「ウルトラモーフストライク」を繰り出すことが出来ます。

しかし、モーフストライクは「シナジー」……つまり各キャラクター同士の相性によっては衝突してしまい、バフやデバフがかかってしまうという、面白くも一筋縄ではいかない仕様。共通の理念を持つキャラ同士は相性が良く、青い線で結ばれます。逆に良くないとオレンジ色で結ばれ威力が発揮できません。

パーティーの編成は任意に変更可能でキャラの位置によってプレイヤーのステータスに影響を与えます。例えばアンナとハオダイ(呪文攻撃を行う遠距離型)はシナジーは良好で最大HPが+20%付与されますが、セローンとハオダイのシナジーは最悪で移動速度がマイナスになってしまいます。

さらにこんな感じにすると、すべての相性が悪くなりクリティカルダメージや耐性値が増える一方、スタミナなどが減ってしまい一長一短のステータス効果になります。ですが、あれこれ模索しながらキャラ同士を組み合わせて戦うのは、自分だけのプレイスタイルを構築できる楽しみがあり、とても奥深いシステムだと感じました。

一発逆転の“モーフストライク”で巨大ボスを倒せ

呪文を使う青年戦士「ハオダイ」がパーティーに加わった後、序盤で戦った「迫りくる真実」との再戦になります。レベルを上げまくり、スキルも覚え、頼もしい仲間も増えた今、数時間前の貧弱な自分とは違います。ですが、それは敵も同じで、素早いジャンプ攻撃や魔法攻撃など明らかにパワーアップしています。

基本的には、セローンでヒット&アウェイで殴りつつ、シンクゲージが満タンになったところでアンナに切り替え、モーフストライクでダメージを与えていく作戦。アンナとセローンはシナジーが悪いのが気になるところですが、使いやすいキャラ同士で回していくほうが戦闘もやりやすいのです。

一定のHPまで削っていくと、「迫りくる真実」は第2第3形態へと変化し、さらに手強くなります。セローンは一旦温存し、アンナに切り替えクロスボウで距離を取り攻撃しますが、火力が低いので中々ダメージを与えれません。そこで仕方がないので、使いにくいが相性の良いハオダイとアンナのコンビでモーフストライクを狙うことにします。

アンナとハオダイの遠距離チクチク攻撃でシンクゲージを溜め、モーフストライクで大きなダメージを与える。このやり方が奏功し、どんどん体力を削ることに成功します。残りはあとわずか、最後は我らが大将セローンに切り替え、トドメの一振りでフィニッシュ。筆者としては珍しく一発で倒せたのは、おそらくモーフストライクのおかげだと思います。


本作の良かったところは、従来のソウルライクを丁寧に踏襲したゲームシステムと、個性的なキャラクターのエッセンスを吸収してスキルや能力を使う「バインドシステム」は非常にユニークで、それらの要素が融合していて新鮮なプレイフィールを感じました。特に、モーフィングやモーフストライクといったシステムは戦闘を有利にしてくれるので、ビギナーにも取っつきやすくオススメできる作品です。是非一度プレイしてみてはいかがでしょうか。

  • タイトル:『Deathbound』

  • 対応機種:PC (Steam、GOG、Epic GamesStore)/PS5/Xbox Series X|S

  • 記事におけるプレイ機種:PC(Steam)

  • 発売日:2024年8月9日

  • 著者プレイ時間:5時間

  • 価格:3,060円(2024年8月23日まで10%オフ)
    ※製品情報は記事執筆時点のもの



独自の戦闘システムとソウルライクアクションが爽快だったスパ!




《DOOMKID》

心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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