今回は、ハッピーミールとプリオシーヌ、TAKAYA IMAMURAが開発を手掛け、シティコネクションが発売したニンテンドースイッチ向けタイトル『OMEGA 6 THE TRIANGLE STARS』をプレイ!本作は『スターフォックス』や『F-ZERO』シリーズなどを手掛けた今村孝矢氏による漫画「OMEGA6」を原作とするレトロフューチャーアドベンチャーです。
当時から今村孝矢氏の手掛ける作品の世界観が大好きで、本作も発売前から大注目しており、個人的に発表会のイベントにも参加していました。
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一般ユーザーも参加できるイベントではあったものの、参加者はメディアやゲーム関係者が多く、僕のように個人で参加している人は少なかったんじゃないかと思います。取材でもなんでもなく、普通にいちファンとして楽しんでいました。
◆地球人の新たな新天地を求めて
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未来の人類は長寿の技術を手に入れ、高齢化にともなう社会問題を抱えながらも悠々自適な生活を送っていた。ある時から、多くの宇宙移民が地球に来訪し、みるみるうちに地球はエイリアンたちで溢れてしまった。現状を危惧したヴィクター・フランクリン博士は、人類の新天地である第二の地球を探し出すため、二人の人造人間を創造するのであった。
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その二人の人造人間こそ本作の主人公であるサンダーとカイラだ。
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新天地探しというと、人類が未踏の宇宙の果てへの冒険……なんてイメージがあったけど、普通に不動産会社から条件に合う分譲惑星を購入したらしい。ちなみにこの二人はサンダーたちの仲間で、昆虫型エイリアンのフラボーと、ロボットのプロップだ。
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もしかしてこれで博士からの使命完了?と思ったが、不動産屋で購入するってことは当然お金が必要で、現在は宇宙を旅しながらローン返済の真っ最中のようだ。
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そんな折、宇宙に漂う一枚のチラシを発見する。チラシには、惑星に眠るお宝を見つけるトレジャーハンターを募集すると書かれていた。お宝を見つけてローンを一括返済したいカイラに対し、あまり乗り気ではないサンダー。意見が割れた時はバトルの勝敗で決めるのだ!
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グー・チョキ・パーが描かれたカードを用いるじゃんけんバトルが始まった。どの手でも自由に出せるわけではなく、キャラクターごとに出せる手札の数が決められている。サンダーはパーが多くてチョキが少ないな。
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相手のカードは、こちらの得意な手で勝てるカードのみが表示される。このターンの相手の手札にチョキのカードが1枚、その他のカードが3枚ある。つまり4枚の手札の中にはチョキが1枚しかないのは確定しているので、こちらはグー以外のカードを出した方が勝率が高そうだな。といったように勝てる確率の高い手を考え出す。
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といっても運次第で、負ける時は結構負ける……!
◆多種多様な異星人の中にあの人っぽいキャラも……!
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サンダーとのバトルの結果、カイラが勝利し、チラシに書かれていた惑星インポスターへと向かう。
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アドベンチャーパートは、移動、聞く、調べる、呼ぶなどのコマンドを選択して進めていく。町の人の話しを聞く時は、呼ぶ→キャラクター選択→聞く→キャラクター選択といった、現代の親切設計なゲームからすると少々面倒くさい工程があるんだけど、そういうところもスーパーファミコン時代のゲームっぽくてグッと来るんだよな!
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町にはお店や酒場などがあり、住民からのお願いを聞きつつゲームを進めていく。
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エリア移動の際にランダムで発生するザコバトルや、ストーリー進行におけるイベントバトルがあるけど、バトルの内容はじゃんけんカードバトルだ。
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バトル前にサンダーとカイラのどちらが戦うか選ぶ。一人が負けてももう一人が続けて戦ってくれるので実質残機アリみたいなものなんだけど、運が悪いと二人揃って負けてしまうこともしばしば……。序盤のうちはなんとかなるんだけど、中盤からは運頼りでは厳しくなってくる。
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そんな時に役立つのが各種アイテムだ。
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相手の隠れている手札を表示させたり、自分の手札にないカードを出せたりする、チートじみたアイテムが存在する。ただ、相手の手札が全て見えるといっても出す順番はわからないので、やられることもそれなりにある。
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そして、マジックフルーツと呼ばれる真のチートアイテムも存在し、使用すると鬼神の如きパワーで相手を叩きのめしてくれるのだ。ただ、使用するごとにがっつり年を取る副作用があるので多用は出来なさそうだ。一度使うと10年老けてしまった。
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キャラクター図鑑の年齢もしっかり加算されている。芸が細かいぜ。
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各種アイテムは、町のお店などで購入するほか、サンダーの趣味である盆栽からも手に入れられる。
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盆栽に栄養剤を投与することで、それに応じたアイテムの実を収穫できるぞ。また、見た目や植木鉢の変更も可能なので、芸術的な盆栽を作り上げよう。
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複数の惑星を股にかけて冒険するので、そこで出会う異星人も多種多様だ。過剰なまでに「お」をつけてお上品に振る舞うキャラクターは、擬音にまで「お」をつけていて、なんかもう全部がおかしくてお笑える。
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他にも、いかにも異星人といった風貌のキャラクターや
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どこかのゲームクリエイターとそっくりなイマムーも登場する。バトルに勝利するとOMEGA6の漫画をくれるぞ。
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イマムーは例外として、登場するほとんどの異星人たちは、現代の地球人とはかけ離れた姿をしている。その中でも、主人公たちのライバル的存在として立ちふさがるラムダは、地球人に近い姿でとても可愛らしい。好き!
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ただ、僕はもうマジックフルーツの多用ですっかりおじいちゃんになって枯れちゃったけど……。
10時間ほどでクリア出来ました。キャラクター図鑑に取り逃しがあるので、まだもうちょっと楽しめそうです。
惑星を股にかける様々な異星人との交流は、藤子・F・不二雄の「モジャ公」や「21エモン」のテイストがあり、同作のファンならこの世界観が気に入ると思います。
じゃんけんのバトルは、アイテムを使いこなすことで戦略性が増しますが、やっぱり運要素が強めなので、理不尽に負けた時はちょっとゲンナリしてしまいました。
レトロフューチャーアドベンチャーのジャンルに偽りはなく、ビジュアルはもちろん、ゲームシステムや天宅しのぶ氏によるサウンドまで16bitゲームをしっかり再現しており、スーパーファミコン世代の僕にはたまりませんでした。
スーパーファミコン世代や、今村氏による個性豊かなキャラクターにビビッときた方は是非プレイしてみてください!
『OMEGA 6 THE TRIANGLE STARS』はニンテンドースイッチ向けに発売中です。