頬骨の高さから目尻の皺まで、大作ゲームで細かいキャラクターメイクができるのも当たり前になりつつある昨今……機能はあっても、なかなか上手いこと作れないのが悩ましいですよね。
そこで今回は、筆者の友人である元エステティシャンの星川さん(以下敬称略)をお招きして「イケてるキャラクターの作り方」を伝授してもらいました!
インタビュイー:星川樹里(@HS_Julie)
エステティシャン。かつてカリスマ的人気を誇ったHSbodydesign(通称「白鳥エステ」)でキャリアをスタートし、店長・エリアマネージャー・技術講師を務める。フェイシャルのためにボディから造りこむ施術スタイル老若男女問わず幅広い客層から支持を集め、その施術哲学は見た目を整えるだけの美容の域に留まらない。
第一弾は『サイバーパンク2077』で、クールでパンキッシュな女性キャラクターを作ってみようと思います。果たして、かっこよく見える秘訣はどこにあるんでしょうか?
――それではよろしくお願いいたします。まず髪型なんですが、ここは流石にプリセットから選ぶ形ですね。
星川:ゲームの世界観的に、強そうな感じで行きましょうか。髪が長いと顔がわかりにくいですし、とりあえず短髪にしましょう。
――わかりました。まず、目ですね。目の印象って形や大きさでどう変わるんでしょうか?
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星川:目の形に関しては、平べったくて広い感じだと、柔和で優しい印象を与えますね。逆に凹凸が激しいと、険しい印象を持たれると思います。厳しい局面にいる人は、眉毛の盛り上がり具合が全然違うので、テレビや動画でそういう人が出てきたときはぜひ観察してみてください。
――目の色はどうですか?
星川:目の色は、現代でもカラーコンタクトでいくらでもカラフルにできるので、好みかと思います。ただ、茶色や黒といった彩度の低い色のほうが自然には見えるでしょうね。人間っぽさを残さないのであれば、ギラギラした色でも良いと思います。
――では続いて眉毛を見ましょう。眉毛ってどう弄るものなんですか?
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星川:眉毛の太さは流行に左右されるんですよね。昨今は細すぎるものはヤンキー感があって流行っていない印象があります。ただ、やはり太すぎると男性的すぎるかな……なので、自然な長さでいいんじゃないでしょうか。そして、山がなくストレートな眉毛であればあるほど、相手に鋭い印象を持たせると思います。
――まつ毛も見てみましょう。まつ毛の色も弄れるんですが、実際にお化粧するうえでまつ毛を塗ることってありますか?
星川:いや、流石に髪の毛みたいにしっかりと色を載せることは難しいです。ちょっとブラウンを塗るくらいはすると思いますが。とはいえ、ゲームなのでそこはお好みで……。このゲームではどうやらアイカラーを弄れないようなので(※アイシャドウと一体化している)その分まつ毛の色で遊ぶのも良いんじゃないでしょうか。
――では鼻を弄りましょう。鼻はかなり大事ですよね。
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星川:鼻は大事ですね。やっぱり鼻は高いほうがかっこいいとされていますし、西洋人っぽくなります。もちろん、高くしすぎるとピノキオみたいになっちゃいますが。あと大事なのが、鼻の真ん中の筋を鼻梁と呼ぶんですが、ここが太いほど男性的に見えるので、女性的なキャラクターを作るなら小さくしたほうが良いですね。
――となると、鼻梁を削るという人もいるんですか?
星川:いますけども、化粧で弄れる部分でもあります。鼻梁の横に黒を入れて、影にしちゃってから、鼻梁の尾根の部分を白くしていくと、鼻が細くかつ高く見えるんですよ。
――そんな技があるんですね。では次は口を変えます。
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星川:唇は単純で、分厚ければグラマラス、細ければ貧相に見えるという感じです。あとは、口角を下げるほど冷たく見えて、上げるほど優しく見えるんですが、このあたりは当たり前なところですね。
――では顎はどうでしょうか。
星川:いわゆる逆三角形とか、ホームベース型と呼ばれる、下に行くに連れてシュッとした鋭い輪郭が美しいとされています。また、顎が前に突き出ているいわゆる「しゃくれ」ですが、西洋人には多く見られますね。このゲームでもしゃくれている顎のパターンが多いですね。
――では、ちょっとシャープめにしましょう。続いて耳ですが、こちらはどうでしょうか。
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星川:耳を整形する人はほとんどいないと思います。あんまり美醜には関わってこないパーツではないでしょうか。
――じゃあ、適当で……続いてサイバーウェアですが、これはゲームならではですね(笑)。あと、顔の傷痕もロールプレイの範疇だと思うので、好きなように入れればいいと思います。そうなると次はタトゥーなんですが、あんまり顔に入れる人はいないですよね?
星川:顔にタトゥーを入れる人は少ないですね。
――次はピアスです。ピアスってどうですか? 奥深い世界というイメージがありますが。
星川:もちろん、好みではありますが、私が見てきた中では、着ける人は無限に増やしていきますし、着けない人はほとんど着けない……という感じだと思います。パンク寄りのキャラクターにするなら着けたほうがいいかも。
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――なるほど。ではサイバーウェアもあるので少なめにしますか。色もほとんどはシルバーですか?
星川:シルバーばっかりだと思いますね。
――歯も弄れますけども。
星川:歯は単純に磨いてるかどうかでは……。
――アイメイクがありますね。この顔は今すっぴんですよね?
星川:今の状態はすっぴんだと思います。ただ、このゲームのアイメイクはかなり濃いですね。線の入れ方がかなりフリーダムというか(笑)。現実の化粧はもうちょっと大人しいです。
――アイメイクの色ってどういうものが良いんでしょうか?
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星川:完全にパーソナルカラーだと思います。自分の肌質とも相談して……って感じですね。この人だと、髪色が派手なので、意外とグリーンやピンクで攻めてもいいかもしれない。あ、でもちょっと黒が残っちゃうんですね。
――現実の化粧よりもだいぶ濃いですよね。
星川:でも、載せる範囲はこんなもんだと思います。とはいえ、一般人っぽくするなら、色自体を大人しくしつつ、アイメイクの外側をどんどん肌色っぽくして次第に消えるように描きますね。
――リップ(口紅)とチークはどうしましょう?
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星川:リップに関しては、顔の上部が激しいので、私なら大人しめの色を塗りますね。その、マットの茶色系が良いんじゃないでしょうか。チークも、ようは頬骨の上に赤を入れることなんですが、あんまり明るいとポップになっちゃうんで、ほとんど肌色に溶けるくらいにしましょうか。
――顔はこんな感じでしょうか。実際のゲーム画面で見てみましょう。
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星川:結構良い感じになったんじゃないでしょうか。
星川さんと協力して、意志の強そうなパンキッシュな女性が爆誕しました! きっとナイトシティの伝説に新たな1ページを刻んでくれることでしょう! 次回は『ELDEN RING』を用いて、年寄りの船乗りを作っていきます。お楽しみに!