インターネット上で行なわれる共同創作作品「SCP財団」。これを基にしたゲームなども多数存在しますが、SCP財団日本支部が7月末に発表した方針の変更が波紋を呼んでいるようです。
SCP財団サイト外での創作に変化?
そもそも、ネット発であるSCP財団はクリエイティブ・コモンズ(CC)というライセンスを付与しています。これは作品を公開する作者が条件を守れば自由に作品を使っていいという意思を表示するもので、SCP財団には「CC BY-SA 3.0」または「4.0」が付与。これは原作者のクレジットを明記すること(表示)と、利用した上で改変した作品は同様にCC BY-SAライセンスを付与しなければならない(継承)というものです。
日本支部ではこれまで、リーガルコードに則って「SCP関連コンテンツとそうでないものを組み合わせた作品は編集物にあたり、したがってSCP関連コンテンツの含まれる部分のみをCCライセンスで提供すれば、それ以外の部分はCCライセンスを付与しない/できないコンテンツでも問題ない」とみなしていました。
しかし、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン担当者の見解は少し解釈が違っていたようです。CCライセンスが付与されたイラストの上に関連する文章や音楽などを組み合わせていた場合「翻案物」としてみなされ、作品を構成するすべての要素に対してCCライセンスまたはそれに類するライセンスの付与が必要になるというのが担当者の回答です。
あくまで担当者の回答であり、公式や専門家の見解ではないことに注意が必要ですが、日本支部はこれに伴いライセンスガイドを更新。SCP財団サイト内で行なわれる創作についてはあまり影響がないとしつつ、サイト外のものには影響があるかもしれないことを述べています。
実際に動画が非公開となった例も。動画上で使用している素材にCCが不適合である(継承のルールを守れない)ためにライセンスが競合してしまうため、これまで公開できていたものが公開できなくなってしまったということです。
あくまで日本支部が発信で起こったことであるため、全世界的な影響は不明。ゲーム作品に影響があるかもわかっていません。