超高評価の新作『ASTRO BOT』開発者にインタビュー!飽きのこない体験はどのように作った?あのカメオはどうやって実現した?ゲームへのこだわりが溢れた回答が | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

超高評価の新作『ASTRO BOT』開発者にインタビュー!飽きのこない体験はどのように作った?あのカメオはどうやって実現した?ゲームへのこだわりが溢れた回答が

メタスコア94点の高評価を受けた待望の新作!

連載・特集 インタビュー
超高評価の新作『ASTRO BOT』開発者にインタビュー!飽きのこない体験はどのように作った?あのカメオはどうやって実現した?ゲームへのこだわりが溢れた回答が
  • 超高評価の新作『ASTRO BOT』開発者にインタビュー!飽きのこない体験はどのように作った?あのカメオはどうやって実現した?ゲームへのこだわりが溢れた回答が
  • 超高評価の新作『ASTRO BOT』開発者にインタビュー!飽きのこない体験はどのように作った?あのカメオはどうやって実現した?ゲームへのこだわりが溢れた回答が
  • 超高評価の新作『ASTRO BOT』開発者にインタビュー!飽きのこない体験はどのように作った?あのカメオはどうやって実現した?ゲームへのこだわりが溢れた回答が
  • 超高評価の新作『ASTRO BOT』開発者にインタビュー!飽きのこない体験はどのように作った?あのカメオはどうやって実現した?ゲームへのこだわりが溢れた回答が

2024年9月6日に発売されたTeamASOBIの最新作『ASTRO BOT』。仕掛けいっぱいの3Dアクションにコラボキャラ満載のボットたちなど、見どころがたくさんある誰でも楽しいアクションゲームです。

本記事では、TeamASOBIのリードゲームデザイナー矢徳浩章(以下、矢徳)氏に本作にまつわるさまざまなお話をお訊きします。

初のフルゲーム制作で意識したこと

――自己紹介をお願いします。

矢徳TeamASOBIリードゲームデザイナーの矢徳浩章です。本作では、ゲームデザインの取りまとめを担当しました。

――『ASTRO BOT』というシンプルなタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか。

矢徳TeamASOBIとして初めてのフルゲームであるからです。開発時にはたくさんの副題やタイトルの候補があがったのですが、どれもしっくりこなかったんです。そこで改めて検討しなおして、スタジオが新たに始動することも考えた結果、このシンプルなタイトルに決定しました。

――『RESCUE MISSION』はPlayStation VR、『ASTRO's PLAYROOM』はPlayStation 5など、TeamASOBIさんの過去作はどれもハードウェアの楽しさを伝えるような役割を持っていました。一方本作はそれに限らない独立的なタイトルですが、何を意識して制作されましたか。

矢徳おっしゃるとおり、これまでの作品はデバイスの機能をユーザーさんに体験していただく“技術デモ”的な側面がありました。一方本作は『ASTRO's PLAYROOM』と同じPS5を活用している作品なので、技術デモ的にはならないように気をつけました。機能を知ってもらうためではなく、1本のゲーム体験として新鮮で快適になるようにしたんです。

前作ではDualSenseのタッチパッドを活用した場面が多かったと思うんですが、それを強制するとテンポが悪くなってしまいます。そこで本作ではアダプティブトリガーとハプティックフィードバックを中心にゲーム体験を構築しました。

ただ、フルゲームとはいってもコンテンツが多くて味が薄いゲームにはならないように気をつけました。例えるなら日本の懐石料理のように、1つ1つの料理(アイデア)は小さくても、それぞれ強い個性を持っているような感じです。結果的に、ユーザーさんの時間を無駄に奪うことがないような、飽きのこないゲームにしたいと思って作りました。

――本作の開発はどのタイミングでスタートしたのでしょうか。

矢徳TeamASOBIがスタジオとしてスタートした2021年4月ころからスタートしました。

――楽しい仕掛けやステージがギュッと凝縮されていて、3Dプラットフォームとして素晴らしい作品だと思います。こうしたアイデアはどのように発想して、どのように実現していますか。

矢徳まず、DualSenseの機能をどのように活かせるかというところから考えています。水を含んだスポンジを絞るというアイデアで流れを説明すると、まずアダプティブトリガーの重みで絞ることを体感させるプロトタイプを作り、その後どう3Dアクションに落とし込むかを考えます。そこでアストロ自身がスポンジになるというアイデアを思いつき、水を含んで大きくなった身体で高いところにジャンプしたり、水を運んでなにかにかけたりといった感じで落とし込んでいます。

ジャンプアクションのパワーアップとして面白いものができたと思ったら、このパワーアップが活かせるステージギミックや敵キャラクターを考えていき、ステージを充実させていきます。このように、プレイするユーザーさんの気持ちを想像しながら、同じことを何度もさせないよう新しい組み合わせでびっくりさせられるようなものを作っています。

――新規アクションはどれくらいの物量を用意しているのでしょうか。

矢徳アストロのベースのアクションはあえて前作と変わらないシンプルさを貫いています。これは小さいお子さんから、昔から遊んでいるゲーマーさんまで幅広い人に楽しんでほしいためです。それ以外にロープにぶら下がってスイングしたり、ジャンプ台が伸び縮みしたり、ジャイロ操作で狙いをつけて射出したりといったギミックや、R2トリガーのアクションが増える15種類以上のパワーアップもあります。

場面によってはこれらが組み合わさるところもあり、シンプルな操作でもゲーマーさんが満足できるような奥深い体験を楽しんでいただけると思います。

ゲーマーはニヤリとできる……豪華なカメオボット

――現行PlayStation Studiosタイトルの中でも、『ASTRO』シリーズは貴重なCERO: Aタイトルです。全年齢向け作品だからこそできたことはありますか。

矢徳本作には「カメオボット」として、CERO: B以上のタイトルのキャラクターの格好をしたボットが登場しています。例えばシリアスなキャラクターが原作では絶対に考えられないようなギャグを演じさせることができるのは本作ならではだと思いますね。小さなお子さんに楽しんでいただけるように作ったのはもちろんなのですが、お子さんだけではなくゲーマーの皆様もクスッとできるような要素をたくさん入れています。

――カメオボットでコラボレーションするキャラクターはどのような基準で決めているのでしょうか。

矢徳選定時のカテゴリーはざっくり分けて3つありまして、ひとつは最近PlayStationで発売されている作品の有名キャラクターです。これは『ゴッド・オブ・ウォー』のクレイトスなどが当てはまります。

2つ目はこれまでのPlayStationの歴史でよく知られているキャラクターです。これには『パラッパラッパー』のパラッパなどが入ります。そして3つ目はk,特定の地域だけで発売されたようなレアなキャラクターです。これは『どこでもいっしょ』のトロやクロが入ります。

あまりネタバレはしたくないのでこれ以上は控えますが、日本のゲーマーさんに喜んでいただけるようなキャラはたくさん入れているので、ぜひご自身の目で確かめていただきたいです。

――カメオボットではサードパーティタイトルのキャラクターともコラボしていますよね。これはどのように実現したのでしょうか。

矢徳サードパーティさんだからといって対応が変わるわけではないのですが、今年PlayStationが30周年を迎えるにあたって、みんなで楽しくお祝いしませんか?とさまざまなパートナーさんに相談してきました。

――PS.Blogの記事で、クラッシュ・バンディクーにも触れられていました。かつては確かにPlayStationのキャラクターでしたが、今は競合ともいえるXbox(マイクロソフト)のIPです。ある意味ライバルと言えるプラットフォームのキャラだと思うのですが、こちらはどのように実現したのでしょうか。

矢徳クラッシュ・バンディクーは先ほど説明したうち2番目の「PlayStationの歴史でよく知られているキャラ」に当てはまるキャラですが、こちらも、他のサードパーティさんと同じように相談させていただきました。どのパートナーさんも非常に優しく、お祝いのためのコラボレーションを快く承諾してくださいました。本作はとても楽しいお祭りタイトルにもなったと思うので、皆様のポジティブな対応に感謝しています。

――その他、どのようなニヤリとできるネタを仕込んでいますか。言える範囲で教えてください!

矢徳ゲームを進めていただくと、いろいろな作品とコラボしたアストロのコスチュームやデュアルスピーダーというコントローラー型の乗り物の見た目を変更できるようになります。

カメオボットについては、作中に出てくるガチャマシンを回すことで道具が入手できるのですが、専用の説明テキストをたくさん用意しています。また、その道具をつかった生き生きとしたカメオボットたちのアニメーションがみられるようになります。カメオボットをパンチすれば、元のゲームに関連したジョークも見ることができます。

原作のファンは世界中にいらっしゃると思いますが、その方々がプレイしたときのことを思い出してニヤリとできるはずです。また、カメオボットたちを通じて友達や家族と懐かしいゲームの話でつながって、「これまでゲームを遊んできてよかった」「これからもいろんなゲームにワクワクしたい」と思ってくれるようなものになっていたら嬉しいですね。

――初のフルゲームとなる本作は、『ASTRO』シリーズにおいてどのような立ち位置の作品になっていくと思いますか。

矢徳TeamASOBIの新たな始まりになる作品だと思っています。東京のオフィスの1フロアで頑張って作っているのですが、そこで作ったものが日本のユーザーさんはもちろん、世界中の皆様に楽しんでいただけることにすごくワクワクしています。

本作は特にキャラ操作のレスポンスの良さやステージに入ったときの誘導の丁寧さなど、スムーズかつテンポのよい日本のスタジオらしいおもてなしが行き届いたゲームにできました。本作を遊んだユーザーさんが笑って楽しんでくれて、明日への元気や活力になれたら、TeamASOBI一同とても嬉しいです。

――TeamASOBIとしての今後の展望があれば教えてください。

矢徳まず、『ASTRO BOT』には無料で遊べる追加コンテンツが予定されています。本作を買って遊んでくださった方に、もっと満足していただきたいと思っています。

加えて、TeamASOBIには大事にしている5つのことがあります。1つ目は「Magical(魔法のような体験)」、2つ目は「Innovative(革新的)」、3つ目は「Playful(遊び心)」、4つ目は「Universal(誰でも遊べる)」、5つ目は「Polish(品質が高いもの)」です。これからもこの5つに剃ったゲーム体験を手掛けて、皆さんに楽しんでいただけることを目指します。

――最後に、本作をプレイするゲーマーに向けてコメントをお願いします。

矢徳ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーなどにまつわるアイデアがぎっしり詰まったゲームになっています。ぜひDualSenseを手にとっていただき、我々が作った魔法のような体験を味わってください。

――ありがとうございました!

『ASTRO BOT』は、PS5向けに発売中です。


【PS5】アストロボット(ASTRO BOT)
¥6,527
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top