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舞台は廃墟化したロンドン…!オープンワールドサバイバルホラー『Beyond Hanwell』プレイレポ―早期アクセスながら圧倒的なクオリティで、極上のホラー作品に仕上がっている

広大なロンドン郊外を探索し、生き残れ。

連載・特集 プレイレポート
舞台は廃墟化したロンドン…!オープンワールドサバイバルホラー『Beyond Hanwell』プレイレポ
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今回はSteel Arts Softwareが手掛け、8月26日に早期アクセスを開始した『Beyond Hanwell』のプレイレポートをお届けします。

崩壊した不気味なロンドンを探索

本作は、一人称視点のシングルプレイ専用サバイバルホラーアドベンチャー。プレイヤーは、廃墟に変貌したWestminster(ウェストミンスター)を探索しながら、恐ろしい異形のアノマリーを倒して、奥地に隠された謎を解き明かしていくことになります。

特徴的なのは、オープンワールドでシームレスに繋がった広大な世界。人気のない不気味な雰囲気に包まれた郊外を精緻なグラフィックで再現しつつ、ゲーム画面には最低限のHUD表示しかないため臨場感たっぷりでした。

また地下鉄や廃病院、劇場ホールなどバラエティに富んだロケーションがあり、ひとつひとつのエリアが大きく複雑なマップ構成で探索しがいも十分あります。

戦闘システムは、銃器と近接武器の切り替え、ガード防御、クラフトによる弾薬生成、道中で拾えるわずかな資源、火をつけたり感電死させたり環境を利用したさまざまな倒し方……など、サバイバルホラーゲームとして非常に洗練されている印象です。

そして何よりリアル過ぎる廃墟の世界がめちゃくちゃ怖い。ジャンプスケアは多少ありますが、作り込まれたデティールが醸し出す重苦しい雰囲気、環境音などジワジワと精神的に迫ってくる恐怖感がとても秀逸だと感じました


日本語未対応だがプレイに支障なし

本作は、残念ながら現時点で日本語字幕/インターフェイスには未対応です。しかし、チュートリアルなどのテキストは比較的容易(体感で中学~高校レベル)な英語で書かれているので、実際のゲームプレイにそれほど問題なく、進行に詰まることはありませんでした

もし困った時はGoogle翻訳など、画面翻訳アプリで日本語に変換すれば大体は解決できるので、英語が苦手で取っつきにくいと思っているプレイヤーにも是非遊んでほしいタイトルです。ただし、やはりちゃんとした日本語字幕があれば没入感がさらに増すのは間違いないと思います。

操作はキーボード及びコントローラーに対応し、筆者はXboxコントローラーを使用。操作感はデフォルトでは硬く、左右に振り向くだけでもモッサリしているので調整すれば良い感じなります。一人称視点特有の画面酔いなどもなく快適にプレイできました。

グラフィックスは、解像度や明るさの変更、DLSSなどフレームレートの向上、詳細な品質を設定可能です。没入感がケタ違いなので、ハイエンドPCを持っているなら最高画質でのプレイをオススメします。

難易度は、イージー、ノーマルなどから選択でき、被ダメージの増加や拾える弾薬アイテムが少なくなったり、より過酷になります。面白いのはさらに「Literally Impossible」という最高難易度が用意されていて、どうやら開発者自身もクリア不可能なレベルのようです。

オープンワールドでシームレスな世界

短いオープニングが終わると、わずかな灯りが見える薄暗い洞窟のような場所からスタート。物語が進行するたび現在の状況がメモに記されるのですが、それによると、主人公はHanwellの街を破壊した指導者5人の行方を探すため、テムズ川にある地下壕を発見し調査を始めます。

地下壕は迷路のように複雑で奥深くへと広がっています。環境のひとつひとつが丁寧に作り込まれていて、雰囲気は抜群。雑然と散らばった棚や段ボール、錆びたフェンスや塗装が剥げてひび割れたコンクリートなど、とても荒廃した様子です。

ここで、いくつかの操作説明を学べます。例えば、本作では『Dead Space』のようにオブジェクトを掴んで攻撃することができます。他にもキックで敵を牽制したり、硬い扉を蹴り飛ばして開けることも可能です。

懐中電灯は暗闇の世界を進むために重要なアイテム。充電の消耗が激しくすぐ消えてしまいますが、新しいバッテリーを拾うか時間が経過すると再び使用することができます。本当に何も見えなくなるレベルで暗くなるので、心細さや不安で緊張感が高まります。

探索していくとロックされた部屋があり、ノートの破片などに書かれたヒントを頼りに鍵を見つけ出し次のエリアへ進んでいく、というのが基本的な流れ。謎解きや仕掛けはそこまで難解ではなく、注意深く観察すれば必ず解けるので、良い塩梅だと思いました。

ホラーゲームにおいて、インベントリ」の利便性やデザインはとても重要だと筆者は考えます。というのも、簡素すぎるデザインや使い勝手が悪いものは、ゲームへの没入度を大きく削いでしまうからです

その点、本作のインベントリは、視認性の良い大きなアイテム画面、分かりやすくアクセスしやすい選択画面、クイック装備が出来る機能性、斬新なデザイン、とかなり優れていると感じます。

さて、仄暗い不気味な地下道をくぐり抜けて地上へとたどり着きました。場所はロンドン郊外の閑静な住宅街ウェストミンスターで、ここから本格的な探索とアノマリーたちとの戦闘が始まります。

本作最大の特徴は、一本道になりがちなホラージャンルにとっては珍しいオープンワールド形式を採用していること。マップはドローンから見下ろしたような表示で、それぞれのアイコンが「メインロケーション」「サイドロケーション」に分かれています。

つまり、次に訪れる場所や攻略の仕方もプレイヤー次第で、自分なりにストーリーを追うことができるのです。そして広大でシームレスに繋がるマップは、先に待ち受ける未知の恐怖を感じる反面、探索意欲と冒険心をくすぐられて、とてもワクワクしました

廃墟と化したウェストミンスターには、さまざまなロケーションが存在します。ゲームの保存やクラフトも可能な安らぎの「セーフハウス」があったり……

嫌な予感しかしない廃病院があったり、広大でダイナミックなマップは、早期アクセスながらボリューム充分で大変満足できました

豊富な戦闘システムと異形のクリーチャー

本作は、銃器と近接武器の2種類を切り替えて戦います。特に近接武器は、バールやハンマー、斧などバラエティ豊かで比較的入手しやすく、敵の攻撃をブロックできるので、銃弾がない時は重宝します。

銃器は攻撃力が高く頼りになる武器ですが、道中にはわずかな銃弾しか見つからないので、適切な資源管理が必要です。ザコ敵はなかなかHPが高く、なるべく無駄撃ちを避け、ボス戦や大型の敵と対峙するまで温存しとくべきでしょう。

ワークベンチを使えば、設計図と材料となるスクラップやテープなどの部品を集めて弾薬やアイテムをクラフトできます。しかし、そもそも部品自体が少なく、あまりクラフトできないのも現実。その辺りはもう少し調整して欲しいところです。

各ロケーションには、それぞれ異なるクリーチャーやボスがいるのも特徴的です。どの敵も素早い動きと高い攻撃力でプレイヤーの脅威となります。

何より見た目がグロテスクで気味悪く、出くわすと軽くパニックになるほど。特に探索する際は、高い緊張感と恐怖感がずっと続いているような感覚でした。


本作の良かった点は、丁寧に作り込んだ精緻なグラフィック、不気味な廃墟のロンドンを再現した広大なオープンワールドマップ、緊張感のある豊富な戦闘システム、恐怖心を高める異形のクリーチャーなどサバイバルホラーに欠かせない要素が上手く混ざり合い、インディーながら圧倒的なクオリティの作品に仕上がっていると感じました。

日本語に未対応だったり、場面によってはグラフィックの読み込みが遅かったりと、早期アクセスらしい未完成の部分はありますが、英語が苦手なプレイヤーにもハードなホラーファンにも一度は体験してほしい極上のホラーゲームです。

  • タイトル:『Beyond Hanwell』

  • 対応機種:Windows PC(Steam)

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)

  • 発売日:2024年8月26日

  • 著者プレイ時間:4時間

  • 価格:2,000円
    ※製品情報は記事執筆時点のもの

スパ君のひとこと



リアルな廃墟のロンドンが怖すぎる……!クリーチャーとの戦闘も緊張感MAXだったスパ!




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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《DOOMKID》

心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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