ドイツで8月21日から24日かけて開催された大型ゲームイベント「gamescom 2024」。本稿では、NEXONとNeopleが手掛けるハードコアアクションRPG『The First Berserker: Khazan』について、開発者であるLee Junho氏とMyeongjin Yun氏へのインタビューをお届けします。
欧州最大のゲームイベント「gamescom 2024」関連記事をチェック!また会場におけるプレイレポも掲載しているのでそちらも是非御覧ください。何度も繰り返してしまいますが、めちゃくちゃ楽しいプレイ体験でした。アクションが気持ち良い。
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――開発経緯についてお聞かせください。本作はいつ頃から開発が始まったのでしょうか?
Lee Junho氏全体的な開発期間は約3年です。まず構想を練り、次に基本となるシステムの研究に1年ほどかかりました。
開発にあたり私たちは、『アラド戦記(Dungeon & Fighter)』というシリーズにおいて、非常に重要なキャラクターであるカザンに焦点を当てることにしました。この人物は『アラド戦記』という物語に大きな影響を与えており、そこでは英雄として描写されています。
本来であれば、彼は裏切られ、追放され、最後には命を落とす、という結末ですが、我々はこう考えたんです……「もし彼が死ななかったらどうなるだろう?」「追放を生き延びたら、どんな物語が展開するだろう?」と。
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――『アラド戦記』でのプレイ体験と比較すると、本作は結構ハードコアなダークファンタジーといえる雰囲気だと思います。そういった方向へ舵を切った理由は何でしょうか?
Myeongjin Yun氏まず、『アラド戦記』をプレイしていただきありがとうございます!ご存知の通り、オリジナル作品はビジュアルをキャッチー路線にすることで、新規プレイヤーへの門戸を広げて遊びやすくしていますが、しかし、そこで展開される物語は非常に重厚ものです。
ダークファンタジーが絡む一連の栄枯盛衰が盛り込まれているため、既に遊ばれているプレイヤーの皆様には楽しんで頂けると同時に深い没入感も提供できたと思いますが……そこから一歩先へ進んで『アラド戦記』が持つストーリーとコンテンツを、より多くの人に知ってもらいたいとも思い始めたのです。
そういった着想からゲームとしてのアプローチの仕方を考えた時、アクションをプレイ体験の中心に据えたゲームを作りたかったこともあり、3Dグラフィックの方が良いという結論になりました。また本作の物語を構成する要素には苦痛および裏切りによる困難、そして闘争といったものが多分に含まれており、それらをビジュアルとして反映させたいと思いました。そういったところから、ダークファンタジーを全面に押し出したグラフィックとアートへと収束したのです。
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――本作ではかなり激しいアクションバトルが展開されますが、戦闘が苦手な初心者にも救済措置などはあるのでしょうか?
Lee Junho氏もちろん用意しています。私たち開発チームは、そもそもが『アラド戦記』シリーズ愛好者の集まりであるため、より多くの人にこのシリーズを愛してもらいたい、という思いが強くあります。そのため、既存のファンと、まだこの世界を体験していないプレイヤーの両方を満足させることを考えました。
アクションRPGのファンだけでなく、アクションが苦手な人や本シリーズ世界が持つ雰囲気に慣れていない人も楽しめるように、チュートリアルやシステムガイドを用意しています。ゲームの進行度に合わせて段階的にアンロックされるように設計されているので、突然ゲーム世界に放り出されて情報の洪水にのまれる……といったことは無いはずです。
例えば、ダメージを受けるなどしてプレイヤーがポーションを飲む必要がある場合、それを促す通知が表示されます。私たちにとって重要なのは、アクションを通じてプレイヤーが苦労しながらも、同時にそれを乗り越えてていく達成感を味わえることです。それに伴う挑戦や冒険さらに感情といった全体的なゲーム体験とも言えましょう。
とはいえ、そういったゲーム体験を得ること自体に苦労してしまうプレイヤーのことも忘れてはいけません。そのため彼らに対しても救済措置を用意するようにしました。その最たるものが難易度調整の選択肢ですが、ゲーム体験が戦闘ばかりに終始してしまわないよう、なるべく様々なコンテンツをマップに配置しました。
例えば、メインルートからあえて脇道に入るなどしてアイテムを収集することで、(その進行時点においては)なかなか強い装備ビルドを作ったりすることができます。ちなみにこういったアイテムや装備は結構いろいろなものを用意したので是非探してみてください。
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――戦闘システムについて質問です。主人公カザンは獲得したスキルポイントを各能力値を使用してレベルアップしていきますが、キャラクターの強さはその能力値にのみ影響されるのでしょうか?
Myeongjin Yun氏本作には大剣、斧、槍といった3タイプの武器が登場します。攻撃力や振りの早さなどそれぞれ特徴づけされた性能なので、武器の組み合わせによるビルドカスタマイズには自由さがあります。1つのビルドにこだわる必要はありません。強さを目指すもよし戦いやすさを目指すもよし、ゲームの最後まで何でも試して良いのです。偶然、相性の良い組み合わせを見つけるのも楽しいことでしょう。
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――先ほどの質問と少し重なってしまうのですが、本作シリーズを世界のさらに多くの人に届けるために何か「次の一手」を計画していますか?
Myeongjin Yun氏そうですね、私たちの大好きなこのシリーズをどうやって多くの人に知ってもらうか……ということを考えた時、オンラインでの小説やマンガシリーズの配信といったものが候補にあがります。現時点においてこれらは計画中の段階ですが、一部のプロジェクトは進行中です。
――物凄く個人的な意見で恐縮なのですが、コミカライズなどは日本でも喜ばれるように感じます。
Myeongjin Yun氏各市場におけるマーケティングやローカライズについては深く検討していますが、とはいえ現在は開発進捗の観点から、もう少し細部を詰めていく段階かなと感じます。何よりもまずは本作のリリースに集中し、リリース日に至るまで品質向上に全力を注いでいますね。
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――最後に、本作のリリースを心待ちにしているプレイヤーの皆様へコメントを頂けないでしょうか?
Myeongjin Yun氏本作には、『アラド戦記』では語られていない設定がたくさん登場します。そのため、既存のファンにとって非常に興味深いものになっていると思います。また様々な仕掛けやフレーバーテキスト(演出)を散りばめたので、ストーリーには奥行きが増し、『アラド戦記』に繋がる何かしらの情報を見つける楽しさもある筈です。
一発の重さが爽快感に繋がっていくアクションがたまらない『The First Berserker: Khazan』は、Windows PC(Steam)/ PS5/ Xbox Series X|S向けに2025年リリース予定です。また、テクニカルクローズドβテストを2024年10月11日から20日まで実施予定です。詳細は公式ウェブサイトを要チェック!
今年も賑わいを見せた「gamescom 2024」、Game*Sparkでは引き続きインタビューやハンズオンプレイレポなど様々な記事を掲載予定です。
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