Unityは「2024 Mobile Growth and Monetization Report(2024年:モバイルの成長と収益化レポート)」を公開しました。
同社はレポートにおいて、モバイルゲーム市場とそのユーザーは成長や変化を続けており、ゲームスタジオは、データに裏打ちされた適切なユーザー獲得(UA/User Acquisition)、アプリ内購入(IAP/In-App Purchas)、アプリ内広告(In-App Advertising/IAA)を行うことでゲームを成長させることができるとしています。
本稿では、レポートに記された5つの項目のうち、アプリ内購入に関する「Engage IAP payers at the right moments」のハイライトをお届けします。レポートの全文はこちらからダウンロードできます。
モバイルゲームに課金するユーザーは1.83%だが、追加購入する割合はより高い
レポートによれば、モバイルゲームに課金するユーザーは全体のわずか1.83%です。しかし、そのうちの28.81%が少なくとも一度の追加購入を行い、さらに追加購入の26.47%は最初の購入から30日以内に行われ、1.37%が60日以内に、0.46%が90日以内に再購入を行います。このことから、レポートは「ユーザーに最初の購入をうながすために投資することは有益である」としています。
購入を促進するには、ゲームプレイを序盤(1週目)、中盤(2週目)、後半(3週目以降)のステージに分け、それぞれのタイミングに適したアプローチをすることが肝要です。
序盤の目標:ユーザーに良い第一印象を与え、ゲームの楽しさを伝える時期。ゲームのシステム、メカニクス、利用可能なツールなど、ゲームの中核をなすループのすべてを学んでもらう。
中盤の目標:ゲームのループに慣れてきたユーザーに、ソーシャルやマルチプレイなどの要素を提供して飽きさせないようにする。
後半の目標:ここまで続けてくれるのはもっとも投資的なグループなので、より複雑なチャレンジとそれに応じた報酬を与えることで飽きさせないようにする。
プロモーション報酬には魅力が必要だが、魅力的すぎてはいけない
ユーザーによく売れる課金アイテムを上記のステージ別に見ていくと、序盤は「広告削除」、「サブスクリプション」、「スターターバンドル」が効果的で、中盤以降は「ゲーム内通貨」、「イベントなどに合わせた期間限定のセール」が売れ筋となります。
また、ユーザーはゲームを通してさまざまな形で得られる報酬に同じ価値を求める傾向が強いとしています。プロモーションとして配布されるゲーム内通貨などが魅力的でなければユーザーは定着しませんが、逆にそれらを魅力的なものにしすぎると、ユーザーはゲームプレイを通して得られる報酬や課金アイテムにも同じくらいの価値を期待するようになってしまうと指摘しています。