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9月26日から29日にかけて開催される東京ゲームショウ2024。さまざまなパブリッシャーがプロデュースするタイトルを見せる中で、Beep Japanはなかなかのオリジナリティを見せるタイトルを揃えていました。そんな個々のタイトルの独自性について見てみましょう。
『inKONBINI: One Store. Many Stories』このコンビニは音で溢れていない。
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“コンビニエンスストアは、音で満ちている。客が入って来るチャイムの音に、店内を流れる有線放送で新商品を宣伝するアイドルの声。”こうした冒頭で始まる、芥川賞を受賞した村田沙耶香の小説「コンビニ人間」は、その場所の無機質さとその場所に適応してしまう主人公を描写することで、日本のコンビニという場所の不気味さを描いていたと思います。
ただそれは日本人だからこそ見えているものであって、他の国から「日本のコンビニ」はどう映っているのでしょうか?
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今回のBEEP Japanブースで試遊した中で「静かな衝撃がプレイヤーを襲うタイトル」がコンビニを題材とした本作。このタイトル、実は開発者がロシアの方なんですよ。しかも、『シェンムー』を遊んだ影響で日本に独特の憧憬を持っている。その感覚が『inKONBINI: One Store. Many Stories』に出ているのです。
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プレイヤーはバックヤードから商品を店内に補充し、しっかりとパッケージが見えるように陳列したり、会計をしたりと、コンビニ店員のお仕事をひと通り体験できます。商品ひとつひとつに『DARK SOULS』ばりに解説があるのも面白いところでしょう。
ただ、異様なくらいに温かみがあるんですよ。アイロニーでもなんでもない、温かみです。お客さんとしっかり会話して、問題を解決しながら交流したりするシーンがあるゆえかもしれません。
これは、日本でいうところの“地域に根付いた個人商店の物語”のような印象でした。ロシアからは、コンビニというものがそうした感覚として捉えられるのでしょうか。それとも、『シェンムー』のコンビニであるトマトマートで、店員とやけに話したりするゲームプレイの記憶がこの「温かみ」に繋がったのでしょうか。いや、『シェンムー』で主人公があれだけ話しかけるのはゲームだから! あれだけ店員に語りかける客がいたら怖いから! などと考えるのは、野暮かもしれません。
難しいアクションとは過酷な世界を示すもの。『Mandragora』と『NanoApostle(ナノアポスル)』
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“ソウルライク”がビデオゲームの歴史を変えてどのくらい経つのでしょうか? いまや難しいゲームとは、暗黒に満ちた世界をプレイヤーの力で切り開くことと同義になりました。「難しい」ということは過酷な世界を生き抜くことなのです。
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『Mandragora』は2Dプラットフォーマーながら中世の退廃した世界で、主人公が使命を果たすために厳しい戦いへ足を踏み出していきます。ソウルライクに必要な要素がひと通り揃っており、不気味な敵が常に命を狙ってくることに対抗し続ける様も上手く作り上げています。
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一方、『ナノアポスル』はアニメ風な絵柄で2頭身のキャラデザインですから、おとなしいゲームプレイなのかなあと思いきや、ここでも世界はプレイヤーに対して残酷で、厳しい。
得体の知れない研究所で生まれた謎の実験体の少女として、まるで自らを試すかのように襲い掛かるロボットとの戦いが繰り広げられます。モノトーンの研究所内ということもあり、まるで少女の戦いはモルモットが命に関わる実験を受けるかのようにすら映ります。
ソウルライクといえば敵の攻撃をタイミングに合わせて弾く「パリィ」というアクションを広めたわけですが、『ナノアポスル』でも戦闘で重要になるのはこの「パリィ」です。実験体の命を奪おうとする攻撃を上手く弾くプレイが重要となります。
気がつけば定番ホラーとして隣にいる『Five Nights at Freddy's: Help Wanted 2』
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そんなBeep Japanブースにて、一番飾り付けに力が入っていたのが『Five Nights at Freddy's: Help Wanted 2』。
すでに昨年リリースされているタイトルでありながら、いまやゲーム実況で定番となったホラーシリーズの最新作ということで、まだまだ日本でアピールしていきたいということでしょうか? キャラの頭部のオブジェクトの作りこみが、そのことを証明しているようにも感じられます。ちなみに試遊してみたら3分で死にました。
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