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ローポリグラフィックのロボット戦術シミュレーション『Kriegsfront Tactics』が教えてくれる「本当に大切なこと」【TGS2024】

インドネシアのToge Productionsが手掛けるメカSLG『Kriegsfront Tactics』のデモ版が、東京ゲームショウ2024で公開されました。

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ローポリグラフィックのロボット戦術シミュレーション『Kriegsfront Tactics』が教えてくれる「本当に大切なこと」【TGS2024】
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インドネシアのToge Productionsが手掛けるメカSLG『Kriegsfront Tactics』のデモ版が、東京ゲームショウ2024で公開されました。

架空の1970年代を舞台にしたノスタルジックな情景が特徴的な作品で、ポリゴンチックなメカ描写も大いに目を引きます。スタンダードなターン制戦術シミュレーションゲームですが、実際にプレイすると単に「懐かしさ」だけで構築されているわけではないことにも気づかされます。そんな『Kriegsfront Tactics』をプレイしましたので、レポートとしてお伝えしていきましょう。

ローポリの中に窺える「最新技術」

インドネシアは、戦後は紆余曲折を経ながらも日本と同じ西側陣営に属しました。従って、冷戦時代に日本で公開されたハリウッド映画や日本発のアニメは、インドネシアにも伝わっています。ゲームも例外ではなく、冷戦終結の前後に数多くの日本製ゲームがインドネシアに流入しました。

特に、インドネシアではPSは初代から現行の5に至るまで大人気のコンソールです。

PS1やPS2は、メーカーによる修理サポートが終了した後も巷の業者が修理代行を何年も続けていたほど。日本で人気の出た作品は、インドネシアでも高確率で人気を博しました。そうしたゲーム文化の中で育った子供たちが、大人になって「かつて熱中した日本製ゲーム」をリスペクトする独自の作品を制作しています。

『フロントミッション』シリーズの影響を多分に受けているという『Kriegsfront Tactics』は、懐かしさと最新技術が融合した作品と言えるかもしれません。

人型戦闘ロボ「クリーガー」のグラフィックは、一見してPS1時代を思わせるローポリゴンです。しかし、その立体感や重厚さ、細かい武装の造形を精巧に再現している点はやはり「最新技術の賜物」。また、舞台となっている東南アジアの情景を緻密に再現している部分にも、技術力が惜しみなく注がれていることが窺えます。

チュートリアルで隊員が戦死!

『Kriegsfront Tactics』は、戦争の非情な一面を容赦なく描きます。

Steamで配信されているデモ版の最初のステージでは、プレイに必要な一通りの操作を学ぶことができます。しかし、このチュートリアルステージでいきなり新人隊員が戦死するという描写が。当然といえば当然ですが、これはやはり戦争です。クリーガーのパイロットは、常に死と隣り合わせの状況下にいます。

また、この作品には様々なタイプのクリーガーが登場しますが、1機だけ特別仕様で無茶苦茶強い……ということはありません、狙撃タイプ、アサルトタイプ、接近タイプのクリーガーを上手く連携させないと、あっという間にやられてしまいます。

戦争は悲惨だ

そんな戦場の中にいる人々は、自然と口も悪くなります。

『Kriegsfront Tactics』がすごいのは、台詞が「汚い日本語」に訳されている点です。ちょっとこの記事では書き起こせないような言葉も出てきます。しかし同時に「よくこんな言葉に訳したよな……」と感心させられる出来栄えです。

ですが、かつての筆者自身を含めて子供はそうした言葉を容赦なく放つ戦争ゲームから、本当に大事なことを教わります。

時として理性を問われる選択肢も登場するという『Kriegsfront Tactics』は、戦争を最初から「辛いもの、悲惨なもの」として描いています。上述の新人隊員の戦死は、決して驚くべき出来事ではありません。なぜなら、これは戦争だからです。

このあたりの精神性は『メタルギアソリッド』にも共通するはず。核兵器やそれを撃ち出す目的で開発された「メタルギア」は、人間の暗黒面の結果作品とも言える代物。このゲームをプレイしていた当時の子供たちは、「なぜ人類は核兵器を手放せないのだろうか?」と疑問に感じていました。『Kriegsfront Tactics』にも、それに類似したメッセージ性が含まれているようです。

デモ版である『Kriegsfront Tactics - Prologue』は、SteamでPC(Windows)向けに配信中です。



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《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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