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巨大建造物クライミングACT『Lorn's Lure』プレイレポ―どこまでも自由に壁を登り、謎めいた深淵へと進んでゆく“ハードコア3D迷路”を体験

奇妙で寂れた雰囲気とアンビエント音楽がとにかく心地良い。

連載・特集 プレイレポート

今回は、Rubeki Gamesが開発し2024年9月20日より発売された『Lorn's Lure』のプレイレポートをお届けします。

主人公は孤立したアンドロイド…『Lorn's Lure』とは

本作は、一人称視点の3Dアクションプラットフォーム。プレイヤーは、故郷のコロニーから逸れてしまったアンドロイドを操作して、危険で巨大な建造物に登ったり、ジャンプして向こう側へ渡りながら、不可思議で広大な世界を冒険して真相を突き止めます。

特徴的なのは、「走る・滑る・登る・ジャンプする」というシンプル操作のパルクールアクションと、頭をフル回転しないといけない奥深くハードな探索要素

先が見えないほど巨大な壁をピックでどこまでも登ったり、小さく不安定な足場に飛び移ったり、奈落の底に落ちそうな急斜面を滑ってみたり……縦横に広がる世界は複雑怪奇で、まるで「ハードコアな巨大迷路」を体験したような感覚を味わいました。

ちなみに、本作のすべての壁に登れるワケではなく、金属や傾斜のある壁はクライミングできません。公式Steamストアの紹介文では「どんな壁でもピックで登れる!」という謳い文句ですが、実際にはそうではないのでちょっと大袈裟ですね。

本作のもう一つの魅力は、PS1時代のローポリグラフィックで描写された物寂しく奇妙な雰囲気と、哀愁漂うアンビエント音楽で構成された世界観。この2つの個性的な要素が上手くマッチしていて、驚くほど心地良い気分に浸ることができます。


日本語に対応。操作はコントローラー推奨

操作はキーボードマウス及びコントローラーに対応し、筆者はXboxコントローラーでプレイしました。細い鉄筋の上を走ったり、狭い足場への着地など繊細な入力が求められる場面が多く、個人的にはコントローラーでのプレイをお奨めします

言語は日本語字幕に対応。翻訳精度はあまり良くないですが、特に問題なく遊べました。この項目では、他にも画面揺れのオンオフやチュートリアル表示の有無といった、ゲームプレイに関する設定を行えます。

グラフィックは、画面モードや画質、フレームレートなど、サウンドは全体音量、音楽、効果音など、どちらもオーソドックスなものでした。

そして、最後にチャプターを選択してゲームスタート。クリアタイム、収集アイテム、シークレット空間といったさまざまなチャレンジ要素が備わっているのでリプレイ性にも期待できます。

「巨大迷路」のような深淵を進め

主人公は正体不明の「バグ」に誘われ、故郷のコロニーから見知らぬ場所へと迷い込んだアンドロイド。以来253年も暗闇を彷徨っている彼は、自らのエネルギーコアが尽きる前に、なんとしてもこの深淵から抜け出すことを決意します。

開始直後は、操作説明も兼ねたチュートリアル的なステージになっており、ジャンプしたり走ったりしながら進んでいきます。操作感は良くも悪くも普通で、他の作品と比較しても特に爽快感はなく、地味な印象でした。

少し進んでいくと、早くも複雑で奥深い迷路のような構造になってきます。もちろん奈落に落ちれば即死なので、周りを見渡しながら、着地できそうな足場を探して降りていきます。

至るポイントに小屋のような「安全シェルター」があり、この世界の背景や建造物の歴史など、物語の断片を読み取ることができます。けれども、フォントが小さ過ぎて読みにくい!これは本当に修正して欲しいところです。

閉鎖的な空間を抜け、辺り一面巨大な壁だらけの圧倒的なスケールの場所へと来ました。こんなところ、いったいどうやって進んでいけばいいのか。

そんな時は、「目印(ヒント)」機能を活用しましょう。ピンク色のガイドが次の目的地を示してくれるので、かなり助けになります。

ヒントを頼りに進んでいくと、落下して死んだオブザーバーと呼ばれる研究員と、登山用の「ピック」が落ちています。

ピックを使えば直線の壁ならばだいたいどこでも登れます。これで非常に行動範囲が広がりましたが、スタミナには制限があるので良く考えてから登らないといけません。

本作は、ソウルライク作品かと思うくらい道中で頻繁に死にます。敵との戦闘要素はない代わりに、高所から落下死したり、着地に失敗したり……難易度も高く「死にゲー」と呼んでいいかも知れません。

ですがチェックポイントが細かく設定してあるので、何度死んでも直前からすぐにやり直せるストレスフリーな仕様となっているのが嬉しいところでした。

行く手を阻んでいた強烈なファンの風を止めるべく、装置のある場所へ。ただクライミングするだけでなく、こうしたギミックも用意されていて、探索を飽きさせない工夫が随所に見られるのも本作の魅力です。

攻略するのに特定のルートはなく、自分で道を探して複数のルートを開拓していくのも醍醐味のひとつ。例えば、壁を登って迂回していくのか、目の前の足場へジャンプするのか、斜面を滑るのか…すべてプレイヤーの判断に委ねられています。

本当にあそこまで行けるのか?と不安になる場面が多々ありましたが、試行錯誤してたどり着いた時の達成感はかなり気持ち良く、つい夢中で何度も挑戦してしまいました。

そして、何よりこの世界の規模のデカさに驚かされっぱなし。最新のグラフィックスとは違い、ローポリゴンゆえに箱庭のような見た目ですが、新たなエリアに到達すると視界が開けて、360度全方位に構造物が広がっている様子はまさに迷宮のようで、さらに深淵へと続いていました。


本作はシンプルなアクション操作で、巨大な構造物を思う存分探索できるのが魅力。退廃的で奇妙な雰囲気と、チルなアンビエントミュージックが流れる唯一無二の世界観は一見の価値ありです。一方、死にゲーと言っても過言ではない難易度の高さは万人にオススメ出来ませんが、自信のあるコアゲーマーは是非挑戦してみてはいかがでしょうか。

  • タイトル:『Lorn's Lure』

  • 対応機種:Windows PC(Steam)

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)

  • 発売日:2024年9月20日

  • 著者プレイ時間:4時間

  • 価格:1,700円
    ※製品情報は記事執筆時点のもの

スパ君のひとこと



迷路のような巨大空間を探索してルートを発見するのが楽しかった!退廃的な世界観や音楽も良かったスパ!




《DOOMKID》

心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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