アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回は、2024年3月20日にSteam/Xbox Series X|S/Xbox One向けの早期アクセスを開始した、惑星開拓ロボット農場シミュレーション『Lightyear Frontier』を紹介していきます。
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銀河の果ての惑星でメカを使ってのんびり農業!
『Lightyear Frontier』は、スウェーデンの開発スタジオFRAME BREAKが開発を手がける作品。同スタジオは2021年にEmbracer Group傘下のAmplifier Studiosに買収され、共同開発およびパブリッシングで名を連ねています。2021年の「ID@Xbox Showcase」にて発表され、2024年2月の体験版配信を経て同年3月20日に早期アクセスでリリースされました(Game Passは初日から対応)。
物語は、多くの人々が希望が残されていない地球を飛び出して「ライトイヤーフロンティア」を目指している時代。プレイヤーははるか銀河の果ての惑星を舞台に、相棒のロボットと共に惑星の探検や開拓、栽培などを行いながら、自分だけの新しい故郷を作り出すために生活していきます。本作は最大4人までのマルチプレイにも対応しています。
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“オープンワールドのほのぼの系農業アドベンチャー”と公式が紹介している本作は、激しい戦闘や厳しいサバイバルが待ち受けているゲームではありません。ロボットをカスタマイズしたり、農業や建築を楽しんだり、世界を探索したりと、ゆったりと自分のペースで世界を広げながら遊ぶことができます。
2024年3月の早期アクセスリリースからおよそ3ヶ月でプレイヤー数100万人を達成。記事を執筆した2024年10月時点のビルドでは、基本的な農場や探検に関するゲームプレイやストーリーの一部を体験できます。また、さまざまなコンテンツ追加やバランス調整を含む大小さまざまなアップデートも行われています。
直近では2024年9月30日に、これまでの最大規模となるアップデート「Animals & Neighbors」が登場し、ゲーム内の拠点に2人のNPCを呼べるようになります。このNPCの追加によって新たに突然変異種の植物を栽培と、拾った卵から動物を孵して農場で育てることができるようになりました。
未知の惑星で新たな農場生活が始まる!
本作の物語は、主人公が新たな惑星へ辿り着いたシーンからスタート。しかし、惑星突入時にロケットが故障したことで主人公はロボットに乗り込み空中から緊急離脱、なんとか着陸に成功しますがロボットが破損してしまいます。まずはロボットを修理することになりますが、ここで本作のガイド役となるAI搭載の人工衛星「PIP-3R」から連絡が入ります。
機体修理後はチュートリアルとして、最初のバイオーム「草原」に散らばっている農業用ツールを見つけ出し、栽培用の農地やアイテムのクラフト施設など最低限の拠点を建設します。ゲームは「PIP-3R」からの指示を受けながら表示されるクエストを達成しながら進行していく形式で、基本的に“何をすればいいのか”を悩むことはないと思います。
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ロボットの持つ装備は植物や岩を壊す「ドリル」、水や落ちているアイテムを吸い込む「バキューム」、植物の種を発射する「シューター」「キャノン」、液体を発射する「灌漑用ホース」の5種類があり、使い分けながら素材の収集や農業用の作業を行います。建築は専用メニューで、ブループリント設置後に素材を入れて完成させる方式です。
栽培は非常にシンプルで、農地用のプロットを建設し、種を蒔いて毎日水を与えるだけ。収穫した植物は専用施設でさまざまなアイテムに加工可能です。当然ながら農業には大量の水が必要になるので、なるべく水場に近い場所を拠点にすることが重要です。なお、素材を範囲内のチェストに収納しておけば、クラフト時にインベントリに入れなくても利用できます。
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ロボをカスタマイズして惑星探検!
『Lightyear Frontier』には“惑星内を探索してバイオームを浄化する”という大きな目的があります。ゲーム内には複数のバイオームが存在していますが、初期に主人公が降り立つ草原以外は汚染された植物や粘液によって荒れ果てています。生身では太刀打ちできないような汚染に対処するためにもロボットの持つツールが活躍してくれます。
バイオーム内の汚染をすべて除去することで、その土地固有の植物や鉱石といった素材が再び採れるようになります。また、餌を一定量与えることで翌日の資源を回復してくれる野生生物も現れるようになり、プレイヤーの探索エリアはどんどん充実していきます。ただし、バイオームによっては汚染除去のためにロボットのツールをアップグレードしなくてはなりません。
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ツールのアップグレードは拠点に建設した「アップグレード倉庫」で解放していきます。ここで大切なのが、ほとんどのアップグレードが新たなバイオームで入手できる素材および関連生産施設が必要という部分。『Lightyear Frontier』では“バイオームを浄化すること”と“拠点を発展させること”が密接にリンクしていて、それが大きくゲームとしての探検やクラフトの面白さにもなっています。
そのほか「アップグレード倉庫」では、ロボットの見た目をカスタマイズできます。パーツは商人から購入したり、開発チームからのプレゼント、開発支援DLCなどから入手可能。また、染料を作ればロボットの色も変更できるため、自分だけの特別な見た目を作り上げることもできます。なお、ロボット搭乗時は一人称と三人称をいつでも変更可能です。
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ちなみに本作では戦闘は発生しませんが、定期的に農場に向かってくる汚染を処理するイベントが用意されています。その際もカスタマイズしたツールがあれば処理が簡単になります。このイベント時の汚染からは貴重な素材も入手可能なので、しっかりと備えましょう。農場を護るためにも、家に帰って寝ることは大切ですよ。(ゲーム内で影響はないですが)ロボットにもパイロットにも休息が必要です。
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頼れる相棒ロボットと共に生きる
ロボットの強化や世界の冒険、拠点の強化とやることが多い本作ですが、基本的にはクエストを含め制限時間はありません。まずはのんびりと新天地での生活を楽しみましょう。周囲を見れば美しい風景が広がり、愛嬌のある野生生物が思い思いの生活をしています。『Lightyear Frontier』はゲームの中に環境の浄化や野生生物への餌やりなど、自然と触れ合う工程があり、その中にロボットも調和しているのです。
最初はテント生活だった拠点も、ゲームが進めば次第に大きな家を作れるようになっていきます。家の周囲に装飾品を置くことで快適度が上がれば、木や鉱石の収穫量が上がるなどの効果もあるため、効率の良い採取生活を行うために生活の充実を考える必要もあります。ちなみに「井戸」を建設しても水を汲むなどはできないので、その辺はあくまで装飾と考えましょう。農場シムなら井戸は欲しいですよね。
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未知の惑星での生活にはロボットの存在は欠かせません。ただし、このロボットも意外とポンコツなところがあり、ジャンプして足元に石があったらすぐに転んでしまうような安定性です。幸い転んだロボットから降りて体勢を立て直すことはできますが、この仕様は“ちゃんと強化しなければ難しい場所には行けない”というゲーム性にもある程度繋がっています。あと、転がるロボットはどこか可愛い。
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激しいアクションがあるわけでもなく、戦闘もなく、BGMも含めた牧歌的な雰囲気でのんびり生活する『Lightyear Frontier』。しかし、この新天地で生きるためには頼れる相棒のロボットがなくてはなりません。そういう意味でも、本作はやはり、やや異色ながらしっかりと「ロボゲー」なのでしょう。
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『Lightyear Frontier』は、探検要素と農業要素を充実させるためにロボットをカスタマイズする必要があります。生きるためのすべての要素が密接にリンクしている中で、やることは多いものの制限時間で急がされこともなく、あくまで自分のペースで生活できるのが大きな魅力です。農場シミュレーションに2足歩行ロボを導入したその発想はユニークだと思います。
現在はまだ早期アクセスなのでやれることは決して多くありませんが、段階を踏んだ強化とエリア解放というゲームの基本的な部分はしっかりと楽しめます。製品版に向けて動物や環境、さらなる危険などのコンテンツが追加されるほか、ストーリー部分も完成に向かっていく予定です。
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この惑星には謎の遺跡があり、ナビゲーターの「PIP-3R」からも興味深い話を聞くことができるので、ストーリー部分が拡がっていくのも楽しみです。
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