今回は、Balas Gamesが手掛け2024年10月2日にリリースされた『Recycling Center Simulator』のプレイレポートをお届けいたします。
身近なゴミがお金に変わる!
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本作は、一人称視点で体験するシミュレーションゲーム。『Crime Scene Cleaner』や『Thief Simulator 2』など、数多くの良質なシミュレーター作品を世に送り出しているPlayWay S.A.がパブリッシングを担当しています。
プレイヤーはリサイクル業を営み、顧客から原材料となる「廃棄物=ゴミ」を集めて分別したのち、さまざまな機械を導入し加工して売却しながら、工場を拡大して一攫千金を目指していきます。
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特徴的なのは、プラスチックや金属までさまざまな種類の廃棄物を分別したり、それらを製品に加工して顧客に卸したり、儲けた利益でさらに自分の工場規模を拡大していくという、本格的なリサイクル業者の体験が可能なことです。
ただSteamレビューの一部でも指摘されているように、だいたいの流れが分かってくると一連の作業が単調になりがちだったのも事実。慣れてきた頃にはお金がだいぶ余り出し、機械や工場のアップグレードを全て終わらせたら他にやることが無くなってしまうので、コンテンツ不足感は否めません。
とはいえ、現地でゴミを集めたり、ミニゲームのような分別作業したり、従業員の雇用で仕事を自動化したりと、1日の業務を効率的に遂行していくのは一端の業者になったような気分になり、「楽しい作業ゲー」とも言える印象を受けました。
キーボード操作でのプレイ推奨
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シミュレーション系の作品なのでボタン入力も多く、操作はキーボード/マウス推奨です。言語は日本語に対応していますが、翻訳精度はそれなりの品質でプレイ自体に支障はありませんでした。
その他のオプション設定は、操作感度やカメラ感度、画質や視野角、オーディオといった基本的なもの。なお視点移動が多いゲームなので、プレイ時の画面酔いには注意したほうが良いかもしれません。
ゴミを拾い集めて正しく分別しよう!
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さあリサイクル業者として記念すべき初日が始まります。まずは、紙資源を粉砕する機械を導入しましょう。クエスト目標はインフォメーションされているので、次に何をすべきか迷うことはなく一連の流れを理解しやすいのが良かった点です。
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粉砕機などゴミを加工する機械類は、一定のエリアにしか建設できません。とりあえず今は一台しかないので、適当に真ん中に置いてみます。
ちなみに配置操作は、回転くらいしかできないのがやや残念。パーツごとにカラー配色したり、メンテナンスしたり出来れば幅も広がってもっと楽しくなると思いました。
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そして、次は加工した製品を運ぶためのパレットをジャッキに載せ、粉砕機の近くに置いたら下準備は完了です。
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原材料となるスクラップを集めるには、事務所のPCから取引することができます。顧客からの依頼はさまざまで、プラスチック、紙、木材などそれぞれの廃棄物の割合がグラフ表示されているので、現在どれを集めるのを優先するかを決めて受託します。
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しかし、ここからがプレイヤーの腕の見せ所。廃棄物は当然ながらタダで拾い集める訳にはいかず、収集するためのお金を顧客に払う必要があります。
なので顧客と価格交渉して成功すれば、提示された金額より低いコストに抑えることができ、その分多くのオファーを受託可能になります。
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例えばこの場合の提示金額は164ドル。最初に120ドルと大きく値切って相手の出方を伺ってから、徐々に細かく金額を提示していけば、顧客から良い反応を引き出すことができます。現実世界でも量販店などで使えるテクニックですね。
また顧客によって納期が決まっていて、残り日数が少ないほど大幅な値引きが可能な傾向にあるので、期日最終日まで依頼を寝かせておくのも有効な作戦でしょう。とにかく、価格交渉はリサイクル業を営む上で重要なもので、本作の魅力的な要素だと思います。
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スクラップエリアには、駐車場や屋内にさまざまなゴミが転がっています。一枚のゴミ袋で回収出来る量は10Kgと決まっており、袋がパンパンになったら一旦トラックに投げ入れ、手元を空にして再度回収します。
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ゴミの種類別に回収達成度が表示されていて、取りこぼしにくい設計なのがグッド。エリア内のすべてを回収したら作業はおしまいです。
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早速工場へと戻り、ベルトコンベアー式の仕分け機を起動します。コンベアーが流れ着いた先は、青は紙資源、黄色はプラスチックといった具合に廃棄物別に投入口が設けてあり、間違わないよう正確に選別していきます。
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同じ種類のゴミを連続で投入出来れば、コンボが成立してボーナスを獲得!終わった後はレポートまで発表されるという、完全なミニゲーム仕様で楽しく分別できました。
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そして粉砕機の制御パネルにアクセスすれば、選別した廃棄物の重量に対して製品化が可能に。つまり、単なるゴミが黄金に生まれ変わるのです。たとえば紙資源であれば、「プレスされた紙」を生産することができます。
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生産された製品たちは、倉庫エリアに運んで格納します。オファーによっては大量に納品することになるので、きちんと並べてスペースを確保しておきましょう。
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廃棄物や加工した製品は、マーケットプレイスで売却することができます。それぞれに市場価格が存在し、顧客によって需要数や提示金額が異なります。マケプレでの販売は、製品数が少ない時やお金がちょっと足りない場合に良い小銭稼ぎの手段となります。
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チマチマと稼ぐのが嫌であれば、顧客から「契約」オファーを注文して一攫千金をねらうことも可能です。しかし、契約には時間制限があり、要求されるリサイクル素材を納品するにはかなりの手間暇がかかってしまうのが難点。
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そんな時は、ストアから新たな機械を購入して、満遍なく効率的にリサイクル製品を生産していきましょう。紙~金属資源それぞれに対応する粉砕機(破砕機)を導入することができます。が、少々良いお値段です……。
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さて、営業時間は夜21時まで。ようやく慌ただしく働き詰めの1日目が終了しました。事務所のベッドで就寝すると、最後に売上や経費などが表示され資金残高を確認できます。この日報を頼りに、明日からの業務内容の指針にします。ではおやすみなさい……。
評判レベルを上げ工場をさらに拡大しよう!
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お金に余裕があれば、効率化を図るため従業員を雇って作業を自動化することができます。スタッフは工場での「選別作業員」、現場での「ゴミ収集作業員」、製品を運搬したりする「アシスタント」に分かれ、選別作業員なら、トラックから積荷を下ろしたり仕分け作業までをやってくれます。
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各スタッフは、年齢や日給、作業速度など個人差があり、誰を雇うかはプレイヤー次第です。ですが、スタッフがやった分別作業にはボーナスポイントや評判ポイント(RP)が貰えないことに注意。というのも、特にRPの獲得は評判レベルを上げるための大事な経験値になるからです。
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評判レベルは、プレイヤーが契約を達成したり、エリア回収を完了したり、販売したりするとポイントが付与されて上がっていく仕組み。
レベルが上がるにつれて、高度な機械の導入、収集スタッフの雇用、バールなどの便利なツールの購入など、より多くのコンテンツにアクセスできるようになります。
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さらに資金繰りさえ出来れば、機械エリアや倉庫エリアなどをアップグレードし、工場の規模をどんどん拡大することも可能になります。一国一城の主として地域に名を馳せるのも夢物語ではないのです。
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そのためには、ピッキングツールを購入して現場に残されたレジをこじ開け、現ナマをネコババ、もとい臨時収入をゲットしたり……
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バールを購入して、たまたまあったチェストからなんと「金の延べ棒」を懐にルパンしたり……一瞬「あれ?これ何のゲームだっけ?」と訝しんでしまう筆者でしたが、この寄り道的なミニゲーム感がたまらない…!これも業務の一環だと、自分を納得させたのでした。
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もちろん、より高度に製品化できる専用の圧縮機を手に入れて、価値の高い「紙ロール」を生産して契約販売したり、リサイクルコンテナを導入して素材集めの効率化を図ったりと、リサイクル業者として真っ当な方法で資金を獲得し、さらにビジネスを大きく充実させていくことを目指していきましょう。
『Recycling Center Simulator』はPC(Steam)向けに発売中。Steamではデモ版の体験も可能となっています。
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タイトル:『Recycling Center Simulator』
対応機種:Windows PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2024年10月2日
著者プレイ時間:6時間
価格:1,699円
※製品情報は記事執筆時点のもの
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