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ツインスティック2Dシューティングとして生まれ変わった、MOSS開発の人気STGシリーズ最新作『雷電NOVA』の先行プレイレポをお届けします。なお、このプレイレポではPC版を使用しました。
本作のファーストインプレッションは8月の試遊会レポで述べているため、今回は前回レポートを踏まえた内容となります。
今度の新作『雷電』は「ヴァンサバライク」なツインスティックSTGだ!
前述の通り『雷電NOVA』は、ツインスティック2Dシューティングで、アーケードモードでは5分間に次々襲ってくる敵機を倒しレベルを上げて攻撃オプションや防御など様々なスキルを獲得し、ボス戦に備えて最終的に撃破するのが目的。もう一つのゲームモードであるアンリミテッドモードは、プレイヤーが撃破されるまで生存時間を競うモードです。
メニュー画面自体はとてもシンプルなもの、左からプレイ、ショップ(機体購入)、装備強化、リーダーボード、オプションの5種類。アチーブメント(実績)は解除すると、機体強化など特典があります。
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本作のメインとなるアーケードモードやアンリミテッドモードでは、数種類の機体から1つを選んで出撃。アーケードモードのステージは全6つで、それぞれ都市部や砂漠、森林、海、宇宙とこれまでの『雷電』シリーズで特徴だった構成を踏襲しています。またコンティニュー自体はなく、自機強化で「復活」を取得しなければ自機が撃墜されるとステージ1からリトライとなります。
ゲームプレイは、ツインスティック2Dシューティングゲームなため、ゲームパッド操作において左スティックは自機の移動で、右スティックは攻撃方向です(PC版ではマウス+キーボード操作も可能)。1ステージの基本的な流れは、5分間次々現れる敵の猛攻から生き残るとボス戦へと移行。ボスを倒せばステージクリアとなります。また本作に専用のチュートリアルはなく、ゲームプレイの途中に解説が挟み込まれます。
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本作が過去作と大きく異なるところは、自機が耐久力性となっているため敵弾が1発当たっても倒されないことです。また次々と敵が出現しアイテム取得とレベルアップによるスキル取得があることから「ヴァンサバライク」でありつつも、敵撃破の快感と弾幕による被弾のスリルは早めにやってきます。
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やはり難易度ノーマルでも、ステージが進むと途中で倒されてしまうほどの攻撃の苛烈さに、敵機撃破の爽快感と、弾避けの緊張感が現れています。加えて敵の出現パターンは単一でなく、ザコ敵のラッシュや耐久力が高い中ボス的機体も出現。
さらに規定数撃破や特定機体撃墜などのサブミッションが様々設けられているため、道中に生き残り以外を求める戦い方を選べるのです。これらの要素から、ボス出現までの5分間に被弾のスリルと集中力を保ちつつ最後まで楽しませてくれました。
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「ヴァンサバライク」な要素だけでなく、弾を避け、レベルを上げてスキルを取得し、時間と共に苛烈になる攻撃に対応する、『雷電NOVA』が持つSTG的な面白さは確かな物だと感じます。
アンリミテッドモードは、前述の通り文字通り自機が倒されるまで無限に出現する敵を倒しまくるもの。ゲームプレイ開始直後から敵は多数出現し、攻撃も激しいため、全体的な難易度は高めです。一方で緊張感を即味わえることから、アーケードモードを一通りクリアした後に、1プレイだけ遊びたいという気持ちに応えてくれます。また、アーケードモードでステージをクリアすることでアンリミテッドモードでも新たなステージが解放されます。
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「ヴァンサバライク」なだけあって、新機体の取得や自機の強化はゲーム中に手に入れたマネーを使います。『雷電V』登場のアズマが初期のプレイアブル機体で、ムーラン・ルージュ、スピリッツ・オブ・ドラゴンはマネーを使って入手。新機体はアチーブメントを達成することで報酬としてショップに追加されます。
本作はSTGであるため弾避けや撃破パターンなどSTGスキルが強く要求されますが、機体強化によって火力を高めたり、防御力を上げて倒されにくくすることで快感を高め、長くゲームプレイを楽しめるようになっているのは素直に嬉しいです。
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『ヴァンサバ』ライクに寄りつつSTGの撃って避ける面白さを両立した『雷電NOVA』
プレイレポ段階ではありますが『雷電NOVA』は、『ヴァンパイアサバイバー』が最終的に到達する攻撃インフレの極地と全く違うところに達するのが好印象です。つまり自キャラ強化の果てに、その場にいるだけで周りの敵が倒されるという状況に到達するのでなく、STGとして敵機を倒し、弾を避け、能動的に反撃することを最後まで求めてくることにあります。
被弾のスリルを味わいながら敵弾を避けて敵を撃破する。シンプルでもプレイヤーを熱中させるSTGの確かな面白さは、大きく変わった『雷電NOVA』にもありました。
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しかしながら本作に弱点があるとすれば、『ヴァンサバ』より面白さや緊張感を感じるシーンに到達するスピードがかなり早いとはいえ、アーケードモードのステージ1開始直後の少しだけ単調な戦闘だと思えました。
それでもアーケードモードを開始してステージ1が30秒を過ぎるころになると敵の攻撃が苛烈になるため自然と弾避けと撃破に熱中してしまいますし、ゲームメカニクスの理解が進めば序盤では1体ずつ登場する雑魚を効率的に倒せるかが問われるので、完全な弱点とは言いにくい部分です。
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またPC版だけに限った不満点と言えば、この先行プレイのバージョンだと画面解像度やグラフィックの品質設定がありません。PC版の開発自体はMOSSでなく、別の会社が担当していますが、正式リリース時にはなんとか実装して欲しい気もします。
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1回目より2回目、2回目より3回目のゲームプレイが面白いタイトルであることは間違いありません。スキルの構築と敵撃破パターンの研究、それぞれが交互に影響し合って次のゲームプレイのモチベーションを高めてくれます。
所々小さな不満点はあるもののプレイヤーを熱中させるゲームメカニクスの完成度は高く、発売後にも機体やステージなどのDLC配信、バランス調整などを展開してゲームそのものの完成度を高めて欲しいと思えるゲームプレイでした。
『雷電NOVA』はPS4/PS5/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに10月31日に発売予定。価格はダウンロード/パッケージ版が5,280円(税込み)、数量限定特装版が9,130円(税込み)です。