日本は大丈夫か?『キメキャワ限界ビートちゃん!!』は最低賃金の工場員の苦痛をリズムをキメてごまかす音ゲー【東京ゲームダンジョン6】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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日本は大丈夫か?『キメキャワ限界ビートちゃん!!』は最低賃金の工場員の苦痛をリズムをキメてごまかす音ゲー【東京ゲームダンジョン6】

気さくなスタッフ多数在籍中/アットホームな環境/簡易作業/工場作業【仕事内容】フルーツをジュースにする簡単なお仕事です!

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日本は大丈夫か?『キメキャワ限界ビートちゃん!!』は最低賃金の工場員の苦痛をリズムをキメてごまかす音ゲー【東京ゲームダンジョン6】
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いま僕が考案したんですけど日本は大丈夫なんだろうかコンテンツ(以下、日本大丈夫?コン)がオンラインのメディアでいろいろ流行っているなと思います。

「日本大丈夫?コン」は、たとえばネットテレビやYouTubeでほぼほぼ素人とか前科ありの人を1分間で戦わせる格闘技企画とか、明らかに摂食障害と思われる主人公がコンビニの食事を買いあさり、ストレスを解消させようとする漫画とか、あのあたりのコンテンツを指しています。反社会性とも違う、社会性が腐りきった露悪的な現実をまんま表現してることでSNSなどで注目されているような類のことですね。

「日本大丈夫?コン」は大手にチェックをもらって公開するみたいなプロセスとはちょっと違った、映像系サブスクなど反メジャーを売りにしている媒体あたりで見られます。そしていま、インディーゲームもまた先述したコンテンツみたいな「日本大丈夫?コン」がどんどん目立つようになっています。

東京ゲームダンジョン6で見かけた『キメキャワ限界ビートちゃん!!』はまさしくそんな「日本大丈夫?コン」ですね。だってこれ一言で「最低賃金の工場のライン工で精神がおかしくなった女の子のリズムゲー」ですから「ねえ大丈夫? 日本は大丈夫?」って言うしかないじゃないですか。

大丈夫? 本当にそんなゲームがあるの? あるんですよ。ここに

インディーゲーム展示イベント「東京ゲームダンジョン」現地レポート記事はこちらから!

工場でものを潰す作業の辛さはリズムをキメて忘れるしかない!

主人公のビートちゃんは、おしゃれでガーリーで今時の地雷系ガールな鮮やかなファッションを着こなす女の子。しかし普段は、Instagramで一切映えない「いいね!」ももらえないだろう暗い灰色の工場にて、フルーツからジュースを作るライン工として働いています。どれくらいの労働時間と給与がある職場かわかりませんが、ビートちゃんの疲れ切った顔立ちを見るに決して良いものではないでしょう。

プレイヤーはビートちゃんとして、ラインから次から次へと流れてくるフルーツをリズムに合わせて潰していくのが目的。この職場が恐ろしいところは時給制ではなく、潰したフルーツの成果によって給料が支払われる歩合制。「上手く仕事すればするほど儲かるよ」とは聞こえはいいんですが、労働者に負担をかけるものにもなってます。

普通、音ゲーってわかりやすく楽しいものじゃないですか。『太鼓の達人』とか、『リズム天国』とか。でも本作は冒頭から気持ちが落ち込んでくるんですよ。

永遠に続くようなベルトコンベアから流れていくフルーツ……淡々と潰していく仕事……「なんで自分はここにいるんだろう、何をやっているんだろう」という焦燥感……淡々とフルーツをリズミカルに潰すほどに、心が暗くなっていく。

そうだ、心が暗くなってきたら明るくすればいいんだ! 順調にフルーツを潰していると、ベルトコンベアにはプレゼントの箱が。いや一体、どんな流れでフルーツの中に箱が混入してきたのか……? そんな疑問は肉体と精神の疲労の前には関係ありません。箱を潰すと、突如としてビートちゃんがかわいい服を来てパーティーのようなシーンへ。

パーティ状態になるとハイテンションな音楽に乗せてガンガンかわいい動物(モンスター)を潰し始めます。果たしてこれは現実なのか? ビートちゃんのストレスが限界に来て見えた幻覚なのか? まあ映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」にて、刑務所に収監された主人公の妄想がミュージカルになるみたいなもんでしょう。

閉塞感溢れる現実を忘れるためにガチャで人生のガチャに失敗した苦痛を忘れ去れ!と言わんばかりの出し物も。

『キメキャワ限界ビートちゃん!!』は2024年、Steamでのリリースを予定。ちなみにパブリッシャーはroom6です。room6といえば、ゲームレーベル「ヨカゼ」でも有名ですが、あのレーベルのコピーは「世界に浸ろう。風が夜更けを知らせてくれるまで。」です。いいのか? 限界にきた低所得の工場員が見る幻覚の世界に浸ることになるけどいいのか? いや、本作は「ヨカゼ」レーベルに加わる作品かは分からないですけども。

日本は大丈夫か? あなたも大丈夫か? ともあれウィッシュリストに入れてみて、発売は大丈夫そうか? とお待ちしてもいいでしょう。



《葛西 祝》

ジャンル複合ライティング 葛西 祝

ビデオゲームを中核に、映画やアニメーション、現代美術や格闘技などなどを横断したテキストをさまざまなメディアで企画・執筆。Game*SparkやInsideでは、シリアスなインタビューからIQを捨てたようなバカ企画まで横断した記事を制作している。

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