今回は、アトラスが贈る『メタファー:リファンタジオ』のPlayStation 5版をプレイ!本作は、『ペルソナ』シリーズのスタッフが設立したスタジオ・ゼロによる完全新作RPGです。
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本連載でも『ペルソナ』や『真・女神転生』、『世界樹の迷宮』シリーズの絵日記をお届けしており、個人的にもアトラス作品の大ファンで、本作が発表されたときには、そりゃもう大喜びしたもんです。ただ、本作のように大型タイトルは発表から発売までの期間が長くなりがちなので、期待のタイトルほど興味ないフリをして発売日まで乗り切っています。
◆陰謀渦巻く王位争奪戦の始まり
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ユークロニア連合王国は、国王と王子が暗殺されたことにより、統治者を失って混乱に陥っていた。次に王座につくのは、国教の教主か、隣国の領主か、あるいは軍部の指導者なのか……。
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彼こそが主人公の「おじさん」だ(主人公の名前は自由に決められるぞ)。
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「おじさん」なんて、若い主人公につける名前としてはそぐわなさ過ぎるんだけど、きっと行動や仕草がおじさん臭かったのだろうと脳内妄想をする。そんなおじさんは、とある組織から特命を受けて馬車で王国へ向かう途中、野盗に襲われて崖から転げ落ちてしまった。
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徒歩で荒野を横断しなければならないようだ。妖精のガリカとともに王国を目指そう。
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フィールド上には敵が徘徊しており、接触するとバトルに移行する。フィールド上でも攻撃が可能で、成功すれば敵を気絶させた状態でバトルを始められる。
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こちらのレベルがまだ1なのに、敵の見た目は明らかにストーリー後半で出てきそうな感じじゃん。絶対戦ったら駄目なヤツだ!
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ガリカが敵の強さや周囲の状況を教えてくれるんだけど、やっぱり全ての敵が強敵のようだ。気付かれないようにコソコソと進み、命からがら王国にたどり着いた。
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死んだと思われていた王子は実は生きていたのだが、何者かの呪いによって眠りから覚めることはなかった。王子と幼馴染である主人公が受けた特命とは、王子を呪い、王を暗殺した何者かを討つために、軍へと潜り込んで同志と交流することだった。関係ないけどこのおばあちゃん、おデコが広くてかわいいな。
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潜り込んだ先にいた無能な上官に率いられてやってきた砦では、異形の怪物「ニンゲン」による虐殺が起こっていた。仲良くなった同僚のストロールとともに進むも、強敵と出くわして絶体絶命のピンチを迎える。
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そのとき謎の声が響き、おじさんの秘められた力が覚醒する。
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これはペル……じゃなくて、アーキタイプと呼ばれる力に目覚めたおじさん。本来なら魔法を使うには魔動器を必要とするのだが、この姿になると魔道器無しで様々な魔法が使えるようになるのだ。
◆目覚めた力「アーキタイプ」!
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本作のバトルは、『真・女神転生』シリーズでお馴染みのプレスターンが採用されている。
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攻撃や防御などの行動を行うたびに画面上部のプレスアイコンがひとつ消費され、全てのプレスアイコンが無くなると敵のターンに移行する。敵の弱点属性で攻撃した場合はプレスアイコンの消費が半分になり、実質2回行動が可能になるのだ。
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フィールドで敵を気絶状態にしてからバトルに入った上で弱点を狙って攻撃すれば、ザコ敵ならノーダメージで完封できちゃうんだけど、相手の得意属性で攻撃してしまった場合はプレスアイコンの消費が倍になり、一気に敵のターンへ移り変わってしまう。
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そしてプレスターンのシステムは敵側の攻撃にも適用されるので、弱点属性の攻撃を受けると敵の行動回数が増える上に、弱点なのでダメージもでかい。敵を1ターンで倒せないと、あっさり全滅させられちゃうこともしばしばだ。
なんとかニンゲンの撃退に成功した後、合流した同志から王子に呪いをかけた人物の暗殺指令を受ける。
ストーリーに関わるメインクエストには達成期限が設けられているので、その日までにクエストを終わらせる必要があるんだけど、逆に言えばその日までは何をしていてもOKなのだ。
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一日は昼と夜にパートが分かれており、ダンジョン探索や特定の人物との交流といった時計マークのついている行動を取ると半日が経過し、夜にまた行動し終えると一日が終了する。時間経過の行動を取らなければ、町の移動や買い物などは自由に出来る。『ペルソナ』シリーズのカレンダーシステムと似ているな。
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アーキタイプには、シーカーやマジシャンなどの種類があり、その種類に応じて覚えられる魔法や、得意・弱点の属性が存在する。新たなアーキタイプを取得するには、特定の人物との交流イベントを進める必要がある。
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一日の始まりには、目を覚まさない王子のイラストとともに「◯◯まであと何日」とイベントの締め切り日を教えてくれる。最初の頃は王子の痛ましい姿を毎日見ていて「早くストーリーを進めてあげなくちゃ!」と焦ったもんだけど、こうも毎日見てると……ね?
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なんか見慣れてきちゃうんだよね。
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交流を深めないと新たなアーキタイプは手に入らないし、交流イベントを進めるためにはステータスを上げなきゃいけないし、やることが山積みで忙しい。ごめんね、王子。
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進行に合わせてパーティメンバーも増えていき、戦略の幅も広がってきた。仲間が装備しているアーキタイプとの組み合わせ次第で、通常よりも強力な連携技が発動できるようになる。プレスアイコンは一度に複数回分を消費してしまうが、全体攻撃などが使えるので敵を一気に片付けられるぞ。
属性攻撃を多く覚える魔術師系、敵からアイテムを盗める盗賊系、回復魔法に秀でている施療師系といったように、アーキタイプによって得意な分野が違うので、どの組み合わせにするか非常に悩ましい。敵味方問わず状態異常系の効果が高いので、そっちも一人は用意しておきた。うーむ。
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魔術師系は三属性の攻撃が可能なので、敵の弱点をつくのに非常に重宝する。パーティに一人は入れておきたいところだ。うちではその役割をおじさんが担っており、レベルアップ時には魔のステータスだけを上げ続け、魔法攻撃特化キャラクターとしてパーティの最重要人物の地位を得ている。
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ただ、魔法攻撃に耐性を持つ敵には優位を取れないし、力のステータスを一切上げていないせいで通常攻撃もしょぼい。次の仲間に順番をまわすだけの木偶の坊と化す悲しきお荷物になるのだった。
70時間ほどでクリア出来ました。やり残したサブクエストや、マスターしてないアーキタイプもあるので、みっちり遊ぼうと思うとさらに時間がかかると思います。
『ペルソナ』にも『メガテン』にも似ていない新規RPGを期待していた気持ちもありましたが、両作の良いとこ取りをした集大成として十分楽しめました。
5段階ある難易度のノーマルでプレイしていましたが、状況次第ではザコ敵にもあっさり全滅させられるほど歯ごたえはバッチリでした。初心者向けのBEGINNERより易しい難易度も用意されているので、RPGが得意じゃない方でも安心してプレイ出来ると思います!
『メタファー:リファンタジオ』は、PC(Steam, Microsoft Store)/PS5/PS4/Xbox Series X|S向けに発売中です。