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2024年12月3日、初代「PlayStation」の発売日である1994年12月3日から30周年を迎えました。
3D表現に特化し、ゲームの表現の幅を広げた名ハードの誕生から30年
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初代PlayStationの最大の特色と言えば、「3D表現に特化したハード」だということです。当時アーケードで人気を博していたセガの『バーチャファイター』(1993年)に影響を受け、完全な3D表現に特化した初代PlayStationは、2D表現が当たり前だった当時の家庭用ゲーム機に大きな衝撃をもたらしました。
最大級とも言えるヒット作は『ファイナルファンタジーVII』(1997年)で、現代の視点で見ると六角形を中心として組まれたキャラクターや、ポリゴン表現には古さを感じるものの、当時としては圧倒的にリアルと感じられた3D画面、そしてキャラクターの内面まで掘り下げたストーリーは世界中のゲームユーザーに衝撃を与え、2024年現在でも『ファイナルファンタジーVII REMAKE』をはじめとするリメイク3部作が作成中など、現在に至るまで大きな衝撃を与えたタイトルとなりました。
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『ドラゴンクエストVII』(2000年)がプレイステーションで発売されると発表されたことも、PlayStationを当時主流のコンソール機へと発展させた大きな要因でしょう。『DQ7』のPSでの発売決定から実際に発売されるまでには長いブランクがあったのですが、最初のスライムとの戦闘に至るまで下手をすれば数時間かかり、クリアまでは100時間も珍しくない……という長い開発期間に見合うだけの大ボリューム、何の前触れもなくパーティを永久離脱するメンバー、独自のセンスが爆発しまくる3Dムービーシーン、圧倒的な強さを誇る裏ダンジョンのボスと、圧倒的な弱さを誇るその先の裏ダンジョンのボスが印象に残っている方も多いかもしれません。
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当時としては圧倒的なグラフィックや物理シミュレーションで「リアル系ドライブゲーム」というジャンルを確立した『グランツーリスモ』(1997年)、わかりやすい操作とコミカルなグラフィックで誰もが楽しめる『みんなのGOLF』(1997年)、アーケード版からさほど間をおかずに移植された『鉄拳』(1995年)、いまや日本を代表するJRPGに位置付けられる『ペルソナ』シリーズの祖となる『女神異聞録 ペルソナ』(1996年)といった、現代まで続く名作シリーズの礎を築いたのも初代PSの功績です。
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筆者の家に初代PSがやってきたのは1998年頃で、一緒に買ってきた『アークザラッド』(1995年)と『TOBAL No.1』(1996年)をひたすら遊んでました。特に後者の「クエストモード」は「ローグライク/ローグライト」全盛の今、改めて評価されるべきゲームだと思っています。それからは『ファイナルファンタジーVII インターナショナル』(1997年)や『ドラゴンクエストVII』を弟と競い合うように遊んでいました。
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筆者の運命を変えたゲームが『ウィザードリィ エンパイア 古の王女』(2000年)で、筆者が初めて触れる「ウィザードリィ」のシビアさにただひたすらのめり込み、頑張って裏村正を拾って裏ボスも倒し、それから多数の「ウィザードリィ」作品やさまざまな3DダンジョンRPGを後追いで遊ぶようになりました(なお、その結果高校入学時トップだった筆者の成績は暴落したし、大学入試もランクを下げた)。この作品をきっかけにさまざまなDRPGを遊んだ経験が、筆者がゲームライターとして生きる糧として繋がっています。
その他、いろんなキャラクターの技を組み合わせたオリジナルキャラクターを作るのが楽しかった『幻影闘技』(1996年)、PS普及期には多く見られた低価格ソフトながら「ゲームブックのようなダンジョンRPG」というコンセプトを先取りしていた『ソリッドリンク』(2000年)、キャラゲーと見せかけて意外とシビアな、でも低年齢層でも頑張れば完全クリアが可能な絶妙なバランス(でも帰還アイテムが未識別なのは許さないよ)のローグライク『ドラえもん3 魔界のダンジョン』(2000年)、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』のメイン制作者がPSで手がけた外伝作品『ウィザードリィ ディンギル』(2000年)など……筆者の心に残った初代PSのゲームはかなりの数に上ります。
読者の皆様にも初代PlayStationの語りたい思い出などはありますか?是非ともコメント欄でお伝えください。