【日本語対応】渋すぎるビジュアルの酔っ払い騎士珍道中。15世紀のスロヴァキアでワイン片手に大暴れするRPG『Felvidek』プレイレポート | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【日本語対応】渋すぎるビジュアルの酔っ払い騎士珍道中。15世紀のスロヴァキアでワイン片手に大暴れするRPG『Felvidek』プレイレポート

これがRPGツクール!?

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【日本語対応】渋すぎるビジュアルの酔っ払い騎士珍道中。15世紀のスロヴァキアでワイン片手に大暴れするRPG『Felvidek』プレイレポート
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2024年3月にSteamで発売され、圧倒的に好評を勝ち取り続けているRPG『Felvidek』日本語対応のアップデートがやってきました。15世紀のスロヴァキアを舞台にしたJRPGを自称しており、酔っ払いの騎士であるパヴォルが、フス派やオスマン軍と戦うゲームです。アートワークやBGMのセンスがピカイチですね!

遠い異国の地で花開いたJRPGの遺伝子……いったいどんな作品になっているのか? では遊んでみましょう。

騎士パヴォルの奇妙な旅路 剣と盾とワインで敵を討て

前述した通り、本作は15世紀のスロヴァキアを舞台にしたRPGです。主人公はパヴォルという騎士。昼からワインを呑んでクダを巻いているどうしようもないやつですが、近くの古城で爆発が起きたのを目にします。なけなしの正義感で飛び出していきますが、領主のヨゼフは悪ガキのいたずらだろうと手伝ってくれる様子はありません。

仕方なく修道士のマテイをひっ捕まえ、酔っ払い騎士と堅物修道士の珍道中が始まります。時代と国は違いますが「ドン・キホーテ」やモンティ・パイソン作品みたいな雰囲気がありますね。

焼けた古城を調べてみると、なんとそこにはトルコ人の死体が。こんなド田舎になぜ? と訝る彼らは、死体のそばに紫色の小さな種を見つけます。その種が、彼らを奇怪な事件に巻き込んでいくのです……。

フス派というのはボヘミアの聖職者ヤン・フスを支持する人々のこと。教会の堕落や免罪符の意義についてプラハ大司教と対立したことから、火刑にされてしまった人物で、彼の思想はルターなどに影響を与えていきます

古城を目指すのが最初の目的ではありますが、やはりRPGなので、道中で村や森に立ち寄り、アイテムを探しますよね。見た目の通り本作は普通のRPGとはひと味違うので、出てくるNPCや遭遇するイベントもちょっとばかりヘンです。

たとえば、酒場の裏でうろうろしている半裸の大男がいて、敵かと思って用心しながら近づいてみると……案の定、ただの酔っ払いだったりします。なんとなく成り行きで仲間になり、しばらく一緒に行動しますが、橋に差し掛かると足を滑らせて川に落ちてしまいます。しかも、浮かび上がってくる様子はありません……。

セーブを巻き戻して別ルートに行ってみても、マップ構成上どこかで川には差し掛かるようになっているので、酔っ払いは必ずそこでフェードアウトします。まあ、パーティーにふたりも泥酔している人間がいては困るんで、これでいいんですけどね……。

他にも、売春宿で聞き込みをしようとするも修道士のマテイに嫌がられたり(更にその村の司祭が通いこんでることも分かったり)、木に生っている梨を取ろうとして落下したり、古典的な罠に引っ掛かって納屋で身包みを剥がされたりと、古典文学にあるようなスカムジョークやミニイベントが盛りだくさんです。

これがRPGツクール製? こだわり抜かれたアートとサウンド

本作のスゴいところはストーリーだけではありません。レトロなアートワークでありながら、RPGツクールで制作されているのです。

RPGツクール製の作品は縦横に動く見下ろし型のマップが馴染み深いところですが、本作ではクォータービューを導入。一枚絵の田園地帯で、ひょろひょろと好き勝手に伸びる街道を歩いているときも「よくぞここまで作り込んだ……!」と感じさせてくれます。

とはいえ、UIや戦闘はツクールそのままであり、プレイしていると見慣れた景色とも出会えました。特に戦闘はツクール製ゲームを山ほど遊んでいるプレイヤーにはおなかいっぱいかもしれませんが、そこは『Felvidek』……こちらも、アートで解決します。

本作の戦闘中に主人公や仲間キャラクターが行動する際、昔の『ドラゴンクエスト』のようにエフェクトだけが飛び出すわけではなく、画面手前から手足が伸びてきて、その都度モーションを見せてくれるのです。グイッと大きくふりかぶってから剣で斬りつけたり、ワインをラッパ飲みしたり、聖書を読んで味方を回復したりと、細かいアニメーションが堪能できます。

斬ったり殴ったりする際の効果音や、敵を殺したりするときのうめき声なども力が入っており、本当に中世世界で命のやりとりを挑んでいる感覚になってきます。

いくつか気になるポイントも 翻訳がかなり残念……

とはいえ、気になる点もいくつかありました。まず何よりも大きなポイントとして、日本語翻訳が残念であることは言っておかなければなりません。人称の揺れ、語尾のばらつき、誤字脱字、意味の取り違えなど、海外ローカライズタイトルの怪しい翻訳にありがちな問題が軒並み残っています。

正直、ストーリーの流れを追うことも困難なほど会話が成り立っていないシーンもありました。せっかく日本語版が来たところですが、英語に自信のある方は英語のまま遊んだほうがいいでしょう。小さな問題ですが、オプション項目がセーブされないことがあるようで、ゲームを起動し直すとオプションが初期化されていることが多々ありました。

このままでは不意にタイトル画面で爆音のBGMを聴くことになるので、できればアップデートで対応してほしいポイントですね。怪しい翻訳という大きな問題はありますが、RPGツクール産の尖ったゲームが気になる人はぜひともチェックしてみてください!


『Felvidek』は2024年3月30日から、通常価格1,300円でSteamにて配信中。11月29日から日本語インターフェイス・字幕に対応しています。



ライター:各務都心,編集:キーボード打海

ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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編集/「キーボードうつみ」と読みます キーボード打海

Game*Spark編集長。『サイバーパンク2077 コレクターズエディション』を持っていることが唯一の自慢で、黄色くて鬼バカでかい紙の箱に圧迫されながら日々を過ごしている。好きなゲームは『恐怖の世界』。

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