現実の曽々木に住んでいる人の声がとても嬉しかった―封建時代街作りサバイバル『Sengoku Dynasty』プロデューサーインタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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現実の曽々木に住んでいる人の声がとても嬉しかった―封建時代街作りサバイバル『Sengoku Dynasty』プロデューサーインタビュー

開発経緯や今後の展開、歴史へのこだわりなど多くの質問に答えてもらいました!

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現実の曽々木に住んでいる人の声がとても嬉しかった―封建時代街作りサバイバル『Sengoku Dynasty』プロデューサーインタビュー
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パブリッシャーToplitz ProductionsとデベロッパーSuperkamiは、オープンワールド街づくりサバイバル『Sengoku Dynasty』を2024年11月8日に正式リリースしました。

本作は、封建制度時代の日本を舞台にした作品。プレイヤーは戦乱に巻き込まれてすべてを失い、やがて流れ着いた、領主が排除され侍のいない“那谷”の地で「平民の持ちたる国」を目指し、人々が平穏に暮らせる村を作り上げていきます。ゲームはサバイバルや建築、戦闘など多くの要素を含み、正式版となる1.0アップデートでは恋愛や領地を獲得する大名システムなども導入されました。

Game*Sparkでは、正式リリースを迎えた『Sengoku Dynasty』デベロッパーSuperkamiのプロデューサーJan Cieslar氏にメールインタビューを実施。ゲームの開発経緯やコンセプト、史実へのこだわりから、今後のアップデート計画など多くの回答をいただきました!


『Sengoku Dynasty』SuperkamiゲームプロデューサーJan Cieslar氏インタビュー

――まず、開発スタジオSuperkamiの紹介をお願いします。

Jan Cieslar氏(以下、Jan):日本のファンの皆さん、こんにちは!私たちはポーランドにメインの開発スタジオを持つ小規模なチームです。開発チームにはヨーロッパの他の国に住んでいるメンバーもいます。

――『Sengoku Dynasty』の開発経緯とゲームコンセプトについて教えて下さい。

Jan:Toplitz Productionsさんから『Dynasty』シリーズの新作を作ろうと持ち掛けていただいたのが始まりでした。そこで私たちが「封建時代の日本を舞台にする」というアイデアを提案したんです。戦国時代は社会が大きく流動した特異な時代で、例えば豊臣秀吉のように、小作農ですら大名に成り上がるチャンスがありました。

このような時代背景は、何者でもない状態から始まり、自らの手で自分の国を築き上げるというゲーム性にぴったりだったんです。

――影響を受けた映画やゲーム、アニメなどはありますか?

Jan:もちろん!『七人の侍』や『切腹』など古典的な時代劇や歴史ドラマから影響を受けています。個人的には『楢山節考』の、村での日々の生活の描写がとても好きですね。とはいえ、私たちのゲームでは物語性よりもゲームシステム的な面を重視しているので、例えば戦場に生きる侍の道を選んだり、作物を育てる農民として生きたりと、プレイヤーは自分の物語を自由に生み出すことができます。

――開発チームは元々戦国時代の日本というテーマに興味があったのでしょうか?

Jan:封建時代の日本を題材としたゲームを作りたいと考えてはいたのですが、映画や漫画以外での日本史についての私たちの知識は限られていました。『Sengoku Dynasty』を史実にきちんと基づいた作品にするため、私たちは歴史家の方と協力して知識を深めました。戦国時代が私たちの作品には最も合う時代だろうとアドバイスしてくれたのもその方です。

――研究者や資料を元に時代考証を行ったという『Sengoku Dynasty』ですが、開発で一番参考したのはどのような資料でしょうか?

Jan:網野善彦氏の「歴史を考えるヒント」は、本作のストーリーの方向性を強固に形作った資料だと言えますね。デザイン面においては、歴史家の方に提供していただいた書籍や博物館の資料を参考にしました。

資料の中には、ヨーロッパから閲覧できないものや翻訳されていない資料も多かったので、本物の日本の資料を参考にするのは骨が折れましたね。この点については翻訳家の方に大いに頼ることになりました。

――『Sengoku Dynasty』について、日本人ユーザーからの反応やフィードバックもありますか?もしあるなら、ユニークだなと思ったものを教えて下さい。

Jan:日本の皆さんには本作をとても支持していただき、好意的なフィードバックも改善案も本当にたくさんもらっています。どちらもゲームの開発には欠かせないものなので感謝しています。日本からのゲームレビューやコメント、Xでの投稿を読むのを助けてくれているAI翻訳ツールに助けられていますね。

特に心を動かされたコメントは、実際に能登半島の曽々木(石川県)にお住いのプレイヤーからのものでした。『Sengoku Dynasty』では曽々木村という焼け野原と化した村を再建することになるのですが、現実の曽々木は2024年1月1日の能登半島地震で影響を受けました。そのプレイヤーの方は被災され、辛かった時期に本作がどれだけ気持ちを落ち着けてくれたかをSteamフォーラム上で発信されていました。本当に嬉しい気持ちになりましたね。

――正式版となるアップデート1.0について、現時点でユーザーからの評判はいかがでしょうか?

Jan:好意的なご意見としては、新機能である大名システムやその他のコンテンツアップデートを気に入ってたという声をいただいています。一方で、パフォーマンス面やバグに関する不満や、キャラクターエディターおよびNPCの顔についての否定的なご意見もいただいています。現在こういった問題に対応中なので、このインタビュー記事を皆さんが読まれる頃には、最初の修正パッチがすでに実装されているはずです。

もっともよく寄せられるフィードバックは、本作の将来性についてです。私たちはこれまでの成果に誇りを持っていますが、まだまだできることがたくさんあるということも理解しています。

――ロマンスシステムはとても面白いですね。今後は後継者指名などもできるようになるということですが、もし可能ならば予定している跡継ぎシステムの詳細を教えて下さい。

Jan:現時点での結婚のシステムは、プレイヤーがNPCと結婚し、生まれた子どもを背負うようになって、のちに寺院へ送りだすというだけのシンプルなものです。今後は大幅にシステムを拡張し、村民同士が結婚して子どもを産んだり、村で子どもの姿を見れるようにしたり、その他にもいろいろな機能を追加したいと考えています。

――今後のロードマップで襲撃システムが紹介されています。自分の村人もある程度一緒に戦って来れたりするようになるのでしょうか?

Jan:現在検討中です。プレイヤーの方々からは「敵の野営地も村人と協力して制圧できたらいいのに」という意見もいただいています。なので、この2つのアイデアを両方取り入れた、新しいシステムを作るかもしれません。まだ確かなことは言えませんが、今後取り組んでいきたいと考えています!

――開発者Q&Aで、いずれゲーム内に「銃」を登場させたいという回答がありました。今後登場させるとして、銃は購入するものでしょうか?また、製作もできるようになるのでしょうか?

Jan:いい質問ですね!もともと銃はヨーロッパとの貿易で日本にもたらされたものですので、本作にもその要素を反映させたいと思っています。しかし、ゲーム内のすべての物はプレイヤーがクラフトできるようにしておきたいので、銃を実装する際には個々のパーツもクラフトできるようにしようと考えています。


――ゲーム内で日本酒造りも可能で、その製法も含めて感動しました。開発チームは実際に日本酒造りを見学したり、呑んだりしたのでしょうか?

Jan:実は私たちのチームはお茶好きの人間が多いんです。なので、日本酒を開発期間中に飲むようなことはそんなにありませんでした。日本酒の正しい製造工程などについては専門家に助けてもらいましたね。

お茶についてはひとつ残念な事実を知りまして、玉露など私の好きな被覆栽培のお茶は、戦国時代には存在しなかったそうです。ただ、それに関しては、ゲーム内では史実から少し解放されてもいいかもしれませんね(笑)


――「TGS2024」では『Sengoku Dynasty』ブースもありました。その際に開発チームで日本観光も行ったのでしょうか?

Jan:他の開発メンバーは、ゲームの最終調整で忙しかったため日本に行けませんでしたが、私は日本を観光することができました。本当に素晴らしい時間を過ごせました。

――『Scrolls of Sengoku Dynasty』は、文化の紹介を含め素晴らしい読み物ですね!日本語実装の予定はありますか?

Jan:現時点では『Scrolls of Sengoku Dynasty』の日本語対応は考えていません。ただ、私たちは常にコミュニティからのフィードバックに耳を傾けているので、もし今後「日本語版が欲しい」というリクエストが多く寄せられればぜひ検討していきたいと思っています!

――日本でも2025年にPS5版が発売になります。ついに正式版になった『Sengoku Dynasty』で、開発チームの考える魅力を教えて下さい!

Jan:私たちの目標は「これぞ封建時代日本の建築シミュレーションゲームだ」という作品を作ることです。なかなか野心的ではありますが「月を目指しなさい。たとえ失敗したとしても、星々のうちのひとつにたどり着くから」(レス・ブラウン)という言葉もありますから、目標は高く持ちたいですね。

プレイヤーは一介の民としてゲームを始め、史実に忠実に再現された戦国時代を生きて、大名への道を進んでいきます。クラフト要素が好きな方も、戦闘要素が好きな方も、村での平和な生活をただ味わいたい方も、どなたにもきっと楽しんでいただけるはずです。

――最後に読者の方々へのメッセージをお願いします!

Jan:戦国時代の日本をテーマにしたリアルなゲームを作り上げる道のりを、私たちと一緒に歩んでいただきありがとうございます。今後もゲームはどんどんアップデートされていきます。皆さんと一緒にこのゲームを発展させていけることを本当に嬉しく思っています!


『Sengoku Dynasty』はPC(Steam/Epic Gamesストア)にて配信中。待望のPS5版は2025年発売予定です!


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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