過酷な“求職活動”の果てに…!無職中年男の四つん這いローラーブレードACT『Get To Work』は高難度かつ爽快感あふれる「人生レース」だった【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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過酷な“求職活動”の果てに…!無職中年男の四つん這いローラーブレードACT『Get To Work』は高難度かつ爽快感あふれる「人生レース」だった【プレイレポ】

お金もねえ!髪の毛もねえ!働くしかねえ!

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過酷な“求職活動”の果てに…!無職中年男の四つん這いローラーブレードACT『Get To Work』は高難度かつ爽快感あふれる「人生レース」だった【プレイレポ】
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今回はIstoが手掛け、12月3日にリリースされた新作アクション『Get To Work』のプレイレポートをお届けします。さあ、これを読んで今日も元気に働こうぜ!

無職中年男が挑む!過酷な立身出世レース物語

本作は、三人称視点のアクションアドベンチャー。プレイヤーはローラーブレードを装着した主人公を操り、就職するため複雑なスケートコースを滑走して、ゴールである「CEO」の座を目指していくエクストリームなレースゲームです。

執筆時点でのSteamレビューは、685件中95%がポジティブな「圧倒的に好評」ステータスを獲得しています。

目を引くのは、プレイヤーが操作するキャラクターの特異性。主人公はパリッとしたスーツを着用し、両手両足それぞれにローラーブレードが装着されています。それだけでも十分変態でクレイジーですが、プレイ中は四つん這いのような土下座スタイルで滑走していきます。

それに加え彼は中年、無職、スキンヘッドという設定で、その厳つい容姿の土下座スタイルには涙を禁じ得ません。一方で、やる気に満ちたファニーな顔や特徴的な姿はどこか親しみと愛着を感じさせます。こんな主人公、かつて見たことあるだろうか。

面白いのは、さまざまな罠が仕掛けられたスケートコースが「現実世界のメタファー」として機能していて、山あり谷あり落下ありの過酷な“人生模様”を表現していること。そんな人生に見立てたステージを諦めず走り抜け、無職から頂点のCEOを目指していく立身出世物語が筆者の心を深く打ちました。


日本語対応。コントローラー操作がオススメ

言語は日本語字幕/インターフェイスに対応しています。全体的に問題はないですが、設定画面の表記が一部おかしいので注意。

操作は、キーボード&マウスおよびコントローラーを使用できます。シビアな方向調整と入力のタイミングが必要なのでコントローラーでのプレイを推奨します。その他の設定は、グラフィックやオーディオに関するものです。

「日経ビジネス」「PRESIDENT」などのビジネス雑誌風のメニュー画面が素敵。ちなみに、賞金2,200ドルのスピードランコンテストが現地時間12月12日まで開催されていました。腕に覚えのあるハードコアゲーマーたちはもちろん参加したことでしょう。

ローラーブレードで駆け抜け頂点を目指せ!

身も蓋もないお言葉

あなたは貧乏でハゲ。

とにかく仕事しよう。

こんな絶望的なフレーズから本編がスタート。かろうじて髪の毛はあったものの、筆者にも暗黒のニート時代があったせいかこの言葉はかなり心に刺さります……。とにかく、気を取り直して就活を始めましょう!

ロード画面が終わると、ご覧のように理解の追いつかない光景が現れます。自宅の部屋には、凛々しい顔をした主人公が四つん這いでスタンバっている状態。どうやら、両手・両肘・両膝に装着したローラーブレードで滑って移動するようです。ん? 両足のブレードはいらねえだろ!

就職活動には不安と緊張がつきもの。世間の荒波に揉まれる前に心の準備が必要なので、とりあえず運動がてらローラーブレード移動に慣れておきます。

「シャーー」と小気味よい音を立て滑りますが、慣性が強いため制御がかなり難しい。しかも勝手に加速するうえに、自らジャンプはできないので方向転換も一苦労します。最初は思い通りに動かせないストレスを感じるかもしれません。

前途多難な予感のする就活ですが、救いの手も用意されています。RTボタンを押せば地面を掴み、一時的にブレーキをかけることができます。なるほど、ここで両足のブレードが役に立つんですね。ともあれ、ブレーキ機能のおかげでだいぶ調整が効くようになりました。

準備万端で、いざ求職活動へ!部屋を出た瞬間からステージが始まるので気を引き締めましょう。スピードに乗ったままだとコースアウトするため、斜面ギリギリから滑走。平面に降りたら即ブレーキをかけて方向転換します。

まずは「面接」を受けるために上を目指していくことに。ステージは、複雑で立体的なコースが待ち受けています。

波を打ったように湾曲したセクションを飛び越えていきますが、着地点がズレるとスピードが殺され、高くジャンプできずにコースアウト。このへんの感覚は何度も諦めずにやって覚えるしか道はないですね。コツとしては、湾曲した部分のやや手前をめがけて降りれば、加速しつつ形状に沿って上手くジャンプできる感じです。

加速をつけてジャンプ台から滑って飛ぶのは、単純にかなり気持ち良くて爽快感があります。ほとんどの場合正規ルートに戻れるコースが用意されているので、失敗したときのストレスをあまり感じなかったのがGood。

ステージ構造は、片側が湾曲した形状のいわゆる「アール」という地形が基本的には連続していて、その合間にカーブした半円形の板があったり「バンク」という傾斜のある坂があったり、バラエティ豊か。スケボーのパークを想像するとイメージしやすいと思います。

初面接の会場まであと少し。さらなる難所が行く手を阻みます。

各ステージにはシークレットアイテムがあり、ゲットすれば就職活動に関するありがたいポッドキャストを聞くことができます。しかし、つい欲を出して取ろうとすると……

こんなふうにすべてが台無しに。己の力のみで駆け上がるのか、それとも人の力に頼るのか。現実世界を喩えた皮肉たっぷりの良い演出だと思いました。

落ちては這い上がるを繰り返し、ついに最後の大ジャンプ台から飛び移ることに成功……!これでようやく序盤のステージを完遂し、初面接へとこぎ着けます。

第二ステージは「オレンジ色」の新たな構造物が登場し、より複雑かつ難易度も上がっていきます。どうやら面接ごときで安心していられないようです。

このオブジェクトは、ゆりかごのように上下に揺れるタイプ。なので網目の「グリップエリア」を掴んで止まり、タイミングをしっかり見計らって飛ぶことが重要になります。

テンポ良く飛び成功したと思ったら……お次はファイヤー!火の付いたリングがお待ちかね。しかもオレンジ色のオブジェクトとの合せ技です。

慎重に位置取りを微調整し、火の輪をジャンプしてくぐり抜けようとしますが、なかなか上手く行かず何度も落下。ハァハァ……流石にもうキツい。一旦諦めようと思い「ギブアップ」ボタンを押したところ……

グニャリ

ただ脱力しただけでした。確かに、厳しい就活の最中には休憩も必要。ここは全身のチカラを抜きリラックスして元気を取り戻しましょう。ちなみに、ギブアップしても特に意味はないみたいです。

やる気もよみがえったことで、無事に火の輪ステージをクリア。「入社オファー通知」を受け取ることに!さあ面接の結果は……?!

慎重な検討を重ねた結果、

誠に残念ながら…

イヤだ、イヤだ!その先は聞きたくない…!!筆者の脳裏に、昔の忘れたい記憶がフラッシュバックしてきます。えーと、何十社落ちたんだっけ。ほんとあの時はマジでしんどかったなあ……。

今回の採用には至らない結果になりましたことをお知らせ申し上げます。

というわけで、結果はなんと不採用。プレイヤーは奈落の底へと落ちていきました。

そして落ちた先は自宅部屋で、また振り出しに戻ってしまいます。こりゃもうアカン、就活なんぞやってられっか!と自暴自棄になっていたところ……

捨てる神あれば拾う神あり。幸いにも主人公の叔父が倉庫内の仕事を紹介してくれたそうで、急遽採用&出勤が決定!思い描いていた仕事ではありませんが、選り好みしてる場合ではありません。

次の倉庫ステージは、高低差と広い空間のある一筋縄ではいきません。

移動する壁や乗ると加速するオブジェクトなど、仕掛けや複雑さがグレードアップしています。

少しでもミスると落下して全努力がパーに。イチからやり直すのはほんとにキツく感じますが、上手く成功した時の快感は何にも代え難く、挑戦しがいがありました。

倉庫作業員としての次なる目標は「昇給」と「昇格」。お給料と立場をどんどん上げて、ゆくゆくは運命の人を見つけてあったかい家庭を築きたい。元無職の中年男性は、夢のような人生の野望を抱くのでした……。

そして、見事ステージをやり遂げて「昇給」。夢の実現に向け第一歩を踏み出していきます。Congratulation……!(おめでとう……!)

しかし、順風満帆に見えた出世街道に暗雲が立ち込めます。ステージを試行錯誤しながら突き進み、倉庫マネージャーに昇格しようとしたところ……

「大学学位」が必須だったらしく、問答無用で弾き返されます。やる気満々なのにどうして……!なんて世知辛いんだ。

その代わり用意された道は「無給のインターンシップ」。嗚呼、渡る世間は罠ばかり。いったい主人公の人生はどうなってしまうのか。この先はぜひプレイヤー自身で体験してください。


本作の良かった点は、ローラーブレードでの滑走が動かしていて気持ちいいところ。強めの慣性など挙動にクセはありますが、慣れてくると急斜面からの大ジャンプが決まって爽快感は抜群。複雑なステージは高難度ですが、何度も挑戦するうちにコツを掴み、上達していく感覚を味わえるのが魅力的でした。

ステージそのものがメタファーとなっていて、“人生における困難を乗り越えていく”体験をゲームに落とし込んでいたのが非常にユニークでした。悲壮感が漂いつつどこか応援したくなるキャラクターも秀逸で、多くの人にプレイしてもらいたい作品です。

  • タイトル:『Get To Work』

  • 対応機種:Windows PC(Steam)

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)

  • 発売日:2024年12月3日

  • 著者プレイ時間:4時間

  • 価格:1,500円
    ※製品情報は記事執筆時点のもの

スパ君のひとこと



ローラーブレードの疾走感が爽快!主人公の見た目も変態すぎて面白かったスパ!





ライター:DOOMKID,編集:キーボード打海

ライター/心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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編集/「キーボードうつみ」と読みます キーボード打海

Game*Spark編集長。『サイバーパンク2077 コレクターズエディション』を持っていることが唯一の自慢で、黄色くて鬼バカでかい紙の箱に圧迫されながら日々を過ごしている。好きなゲームは『恐怖の世界』。

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